大手企業の2008年夏のボーナスは、景気悪化を懸念して、全体に冷え込んでいる。だがTech総研が行ったエンジニア1000人調査では、逆に前年よりもアップしているという結果が得られた。その使い道は「貯金」という回答が圧倒的な割合を占めている。さて、肝心の満足度は?

■全体平均70.2万円。前年より6万円アップ
 日本経団連が7月22日に発表した2008年夏の大手企業のボーナス交渉妥結結果によると、妥結額(加重平均)は90万9519円で、昨夏と比べると0.08%の減。減少幅は小さいものの、伸び率がマイナスとなったのは2002年夏以来の6年ぶりのことだという。

 マイナス幅が大きいのは、食品(-5.38%)、化学(-3.02%)、鉄鋼(-5.02%)など。逆に、機械金属の大幅アップ(40.13%)をはじめ、電気、車輌、造船などでは昨年同期よりも増えている。

 同様の傾向は、主要新聞社によるボーナス支給額の調べでも出ている。昨年までは鉄鋼、化学などが絶好調で、ボーナス相場を牽引してきた感があったが、今年は燃料や素材価格の高騰などによる業績悪化を懸念する企業が続出、全体的に人件費を抑制し始めたことがうかがわれる。

 Tech総研でも恒例により夏のボーナス調査を行った。今回のパネルは25〜34歳のIT系・ハード技術者1000人。業種はITや製造業に限らず、金融・サービス業も広く対象にした。これによれば、今年の夏のボーナスは全体平均で65.4万円となった。回答者が報告する昨年夏からのアップ額は平均で6.7万円である。経団連やマスコミ調べとは違い、全体に上昇傾向となった。昨年夏と比べて「増えた」という回答が全体の68%に達している。

■「生産技術・プロセス開発」がトップ。モノづくり系上位の傾向変わらず
 職種別の集計で、ボーナス額が最も多かったのは、「生産技術・プロセス開発」の79.4万円。次いで、「光学技術」(76.1万円)、「コンサルタント・アナリスト・プリセールス」(70.6万円)、「研究・特許・テクニカルマーケティングほか」(70.0万円)となっている。これまでの調査では、毎回トップまたは2位に位置していた「コンサルタント職」が今回は3位に転落。企業の根強い設備投資意欲が、「生産技術・プロセス開発職」のボーナスを押し上げたのではないかと推測される。

 また、同じ「研究職」で比べると、電気・電子・機械などのモノづくり系職種が70万円であるのに対して、IT系は68.5万円と若干低いこともわかった。こうしたハード上位の傾向は、今回の全体の特徴でもある。モノづくり系のボーナス平均が68.7万円であるのに対して、IT系では62.2万円と、6.5万円の差をつけられている。ここ数年続いている、ボーナス額におけるモノづくり系優位の傾向が今年もまた鮮明になった。

 逆にボーナス額が低い職種のワースト3は、「運用・監視・テクニカルサポート・保守」(51.1万円)、「制御設計」(59.3万円)、「システム開発(Web・オープン系)」(59.8万円)である。いずれも製品やシステム技術を支える重要な職種であることには変わりがないが、意外と報われていないという印象が残る。

■モノづくり系で目立つ20代と30代のボーナス差額
 年齢別でボーナス額に差があるのは当然のことだが、それがどのぐらいの開きになっているかをみると──
 20代後半(25〜29歳)と30代前半(30〜34歳)の差は、IT系では5.9万円であるのに対して、モノづくり系では18万円と大きくなっている。職種別にみても、20代後半では職種間の差はほとんど目立たない(IT系58.7万円:モノづくり系57.3万円)が、30代になると開きが大きくなっている(IT系64.6万円:モノづくり系75.3万円)。モノづくり系技術者が多い製造業では、いまだ年功序列型の賃金体系が残っていて、年齢差がボーナス額にも反映されているのではないかというひとつの仮説は成り立つ。いずれにしても構造的な問題だろう。

■マスコミ・広告、金融に比べると、製造業のボーナスは……
 もちろんボーナス額は日本の場合、職種別よりも業種別、さらに企業規模別の差が大きいといわれる。逆にいえば、ボーナス額を見ることで、好調業種がどれかということもわかるのだ。今回は同じ技術者でも所属する業種については幅広く対象としたので、業種別のボーナス・ランキングを出してみよう。
 :
 :
 :
この記事の続きはライブドアキャリアで

■関連リンク
livedoor キャリア