音を作る喜びを味わえる「アナログシンセサイザー」【大人の物欲 08夏特集】
音楽好きの人であれば、今や飛ぶ鳥を落とすほどの勢いがある「Perfume」の名前を知らない人はいないであろう。「Perfume」は音楽プロデューサー中田ヤスタカ氏によるアイドルユニットで、テクノポップによる楽曲が大きな特徴だ。
・Perfume、自身初のオリコン・シングル1位獲得
テクノポップといえば、イエローマジックオーケストラ(YMO)を懐かしく思い浮かべる人もいるだろう。そんなテクノポップで欠かせない楽器が音を自在に操れるシンセサイザーだ。
今回はそんなシンセサイザーの原理を理解するために「アナログシンセサイザー」を作ってみよう。
■シンセサイザーの歴史
シンセサイザーとは、そもそも何なのだろうか。また、誰が作ったのだろうか。簡単にまとめてみた。
●世界初のシンセサイザーは?
シンセサイザーの原型といわれている楽器は1920年、ロシアの物理学者 レフ・セルゲーエヴィッチ・テルミン氏が開発した「テルミン」とされている。世界最古の電子楽器「テルミン」を奏でようで紹介したが、テルミンは楽器本体に手を触れないで、2本のアンテナの間の空中に手をかざし、手の動きによって音程を変えることで音楽を奏でる電子楽器だ
またフランスのモーリス・マルトノ氏は1928年、「オンド・マルトノ」と呼ばれるシンセサイザーの原型を発明したが、楽器というよりも音色合成を目的に開発された装置だった。
今日のような電子楽器としてのシンセサイザーの生みの親は、ロバート・アーサー・モーグ氏とされている。モーグ氏は1964年、作曲家のレイモンド・スコット氏と共同で音圧の変化で音程、音色、音量を制御できるモジュラー方式のシンセサイザーを開発した。
■「アナログシンセサイザー」の製作に挑戦
大人の科学別冊「アナログシンセサイザー」を作ってみよう。
●作ってみよう
「アナログシンセサイザー」は、本体カバーと基板、電極棒、カーバオンパネル、ツマミ、つば付きネジから構成される。基板の回路は組み立て済みなのでハンダ付けは不要。約20分もあれば本体を組み立てることができる。
付録に使われているネジは、プラスチックに溝を刻みながら入れていくネジなので、JIS規格No1のプラスドライバーを使用するのが最適だ。精密ドライバーは回しづらいので、なるべくグリップ径が2cmくらい確保されているドライバーを使うようにしよう。
音が鳴らない場合には、新しい電池かどうか、電池ボックスのコネクタが基板のコネクタにシッカリとはまっているかどうかをまずチェックしてみよう。組み立て時にスピーカーのコードがとれてしまった場合には、コードがついていた場所にハンダ付けしよう。
●鳴らしてみよう
組み立てが完了したら、早速、音を鳴らしてみよう。スイッチやツマミを下記のようにセットして、電極棒の先をカーバオンパネルに接触させると、スピーカーから音が鳴るはずだ。
表1.スイッチとツマミの設定
カーバオンパネルに電極棒を接触させながら左にスライドさせると音が低く、右にスライドさせると音が高くなる。カーバオンパネルの端から端までで、約4オクターブの音階をとることができる。音の高低が逆の場合には、青いコードと白いコードが逆に接続させれている可能性が高いので、一度確認してみよう。
テストが終了したら、スイッチやツマミを組み合わせることで音を作ってみよう。LFO WAVE、LFO RATE、PITCHI ENVなどのツマミの機能は取扱説明書に詳細が書かれているので、そちらを参照していただきたい。
マニュアルには、音のサンプルとしてギター、管楽器、シンセ・ドラム、ネコの鳴き声、イヌの鳴き声、UFO、発射ベル、エンジン音のツマミの位置が掲載されている。ツマミの位置はあくまで目安なので、自分で位置を前後させながら音を調整してみよう。
●テルミンminiを繋げてみよう
応用編だが、「アナログシンセサイザー」には、外部入力端子がある。「アナログシンセサイザー」と世界最古の電子楽器「テルミン」を奏でようで紹介した「テルミンmini」をモノラルコードで接続してスイッチやツマミを下記のようにセットすれば、「テルミンmini」で、LFO、CUTOFF、RESONANCEをコントロールすることができる※。
※テルミンminiにはジャックがないので、改造が必要
表2.テルミンminiを接続するための設定
PITCH ENVとATTACK、DECAYは変化しないが、手を動かすだけで音作りが楽しめるので、興味がある人は挑戦してみよう。
製品名:大人の科学別冊「シンセサイザークロニクル」
価 格:3,360円(税込み)
・大人の科学別冊「アナログシンセサイザークロニクル」
・学研
■こちらもオススメ!大人の物欲 最新ニュース
・氷を使わずに美味しいアイスクリームをつくる!アウトドアでもOKな「くるりんアイスクリン」
・歌を忘れたカナリアに歌を教える「鳥オルガン」
・手のひらの熱で動く?スターリングエンジン
・ニンテンドーDS Lite vs PSP!テレビを見るならどっち? - ワンセグ比較 編
・そよ風でもピカピカ光る!「風力発電機」
・【大人の物欲】記事バックナンバー
編集部:関口哲司
・Perfume、自身初のオリコン・シングル1位獲得
テクノポップといえば、イエローマジックオーケストラ(YMO)を懐かしく思い浮かべる人もいるだろう。そんなテクノポップで欠かせない楽器が音を自在に操れるシンセサイザーだ。
■シンセサイザーの歴史
シンセサイザーとは、そもそも何なのだろうか。また、誰が作ったのだろうか。簡単にまとめてみた。
●世界初のシンセサイザーは?
シンセサイザーの原型といわれている楽器は1920年、ロシアの物理学者 レフ・セルゲーエヴィッチ・テルミン氏が開発した「テルミン」とされている。世界最古の電子楽器「テルミン」を奏でようで紹介したが、テルミンは楽器本体に手を触れないで、2本のアンテナの間の空中に手をかざし、手の動きによって音程を変えることで音楽を奏でる電子楽器だ
またフランスのモーリス・マルトノ氏は1928年、「オンド・マルトノ」と呼ばれるシンセサイザーの原型を発明したが、楽器というよりも音色合成を目的に開発された装置だった。
今日のような電子楽器としてのシンセサイザーの生みの親は、ロバート・アーサー・モーグ氏とされている。モーグ氏は1964年、作曲家のレイモンド・スコット氏と共同で音圧の変化で音程、音色、音量を制御できるモジュラー方式のシンセサイザーを開発した。
写真1 大人の科学別冊「シンセサイザークロニクル」の中身 | 写真2 大人の科学別冊「シンセサイザークロニクル」 |
■「アナログシンセサイザー」の製作に挑戦
大人の科学別冊「アナログシンセサイザー」を作ってみよう。
●作ってみよう
「アナログシンセサイザー」は、本体カバーと基板、電極棒、カーバオンパネル、ツマミ、つば付きネジから構成される。基板の回路は組み立て済みなのでハンダ付けは不要。約20分もあれば本体を組み立てることができる。
付録に使われているネジは、プラスチックに溝を刻みながら入れていくネジなので、JIS規格No1のプラスドライバーを使用するのが最適だ。精密ドライバーは回しづらいので、なるべくグリップ径が2cmくらい確保されているドライバーを使うようにしよう。
写真3 基板と電極棒を本体ケースにネジ留めする | 写真4 カーバオンパネルを本体に取り付ける |
音が鳴らない場合には、新しい電池かどうか、電池ボックスのコネクタが基板のコネクタにシッカリとはまっているかどうかをまずチェックしてみよう。組み立て時にスピーカーのコードがとれてしまった場合には、コードがついていた場所にハンダ付けしよう。
写真5 シールをツマミに貼って、ボリュームに取り付ける | 写真6 「アナログシンセサイザー」が完成 |
●鳴らしてみよう
組み立てが完了したら、早速、音を鳴らしてみよう。スイッチやツマミを下記のようにセットして、電極棒の先をカーバオンパネルに接触させると、スピーカーから音が鳴るはずだ。
LFO WAVE | どちらでもよい |
LFO RATE | 左いっぱいに回す |
PITCH ENV | 左いっぱいに回す |
CUT OFF | 右いっぱいに回す |
RESONANCE | OFF |
ATTACK | 左いっぱいに回す |
DECAY | 左いっぱいに回す |
POWER | LO(音量最小)かHI(音量最大) |
カーバオンパネルに電極棒を接触させながら左にスライドさせると音が低く、右にスライドさせると音が高くなる。カーバオンパネルの端から端までで、約4オクターブの音階をとることができる。音の高低が逆の場合には、青いコードと白いコードが逆に接続させれている可能性が高いので、一度確認してみよう。
テストが終了したら、スイッチやツマミを組み合わせることで音を作ってみよう。LFO WAVE、LFO RATE、PITCHI ENVなどのツマミの機能は取扱説明書に詳細が書かれているので、そちらを参照していただきたい。
マニュアルには、音のサンプルとしてギター、管楽器、シンセ・ドラム、ネコの鳴き声、イヌの鳴き声、UFO、発射ベル、エンジン音のツマミの位置が掲載されている。ツマミの位置はあくまで目安なので、自分で位置を前後させながら音を調整してみよう。
●テルミンminiを繋げてみよう
応用編だが、「アナログシンセサイザー」には、外部入力端子がある。「アナログシンセサイザー」と世界最古の電子楽器「テルミン」を奏でようで紹介した「テルミンmini」をモノラルコードで接続してスイッチやツマミを下記のようにセットすれば、「テルミンmini」で、LFO、CUTOFF、RESONANCEをコントロールすることができる※。
※テルミンminiにはジャックがないので、改造が必要
LFO WAVE | 三角波(Triangle) |
LFO RATE | 左いっぱいに回す |
PITCH ENV | 左いっぱいに回す |
CUT OFF | 中央にセットする |
RESONANCE | OFF |
ATTACK | 左いっぱいに回す |
DECAY | 左いっぱいに回す |
POWER | LO(音量最小)かHI(音量最大) |
PITCH ENVとATTACK、DECAYは変化しないが、手を動かすだけで音作りが楽しめるので、興味がある人は挑戦してみよう。
写真7 シンセ・ドラムの設定 | 写真8 テルミンminiと接続したところ |
製品名:大人の科学別冊「シンセサイザークロニクル」
価 格:3,360円(税込み)
・大人の科学別冊「アナログシンセサイザークロニクル」
・学研
■こちらもオススメ!大人の物欲 最新ニュース
・氷を使わずに美味しいアイスクリームをつくる!アウトドアでもOKな「くるりんアイスクリン」
・歌を忘れたカナリアに歌を教える「鳥オルガン」
・手のひらの熱で動く?スターリングエンジン
・ニンテンドーDS Lite vs PSP!テレビを見るならどっち? - ワンセグ比較 編
・そよ風でもピカピカ光る!「風力発電機」
・【大人の物欲】記事バックナンバー
編集部:関口哲司