壮絶なキレ芸を身にまとい、カンニング竹山(サンミュージックGET)がブラウン管に舞い降りたのはいつの頃だろうか。私の中にあるもっとも古い記憶は、2003年「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ系)の笑わず嫌い王決定戦だ。あのキレっぷりは衝撃だった。そんな芸風がオーバーヒートし過ぎて「エンタの神様」(日本テレビ系)で謝罪をするのはその1年半後のこととなる。

 その後、竹山はどんどんキレなくなっていく。竹山がどんなにキレてもなだめてくれ、行き過ぎると逆ギレで戒める相方・中島忠幸の存在なしではカンニングの芸は成り立たないという意識があったのかもしれない。真相は藪の中だが、ただキレなくなったという事実だけは確かだった。しかし、竹山はお茶の間に姿を見せ続けた。そしてついに新しいポジションを見つけたのだ。

 若手の守役。これが今の竹山のポジションだ。サンミュージックGETは現在、小島よしお、鳥居みゆき、髭男爵と綺羅星のごとく若手芸人を輩出している。竹山は彼らを率いるリーダーのような、お目付け役のような立場でテレビに出演することが増えてきた。特に鳥居とのコンビは絶妙で、基本あさっての方を向いている鳥居をなだめたりすかしたり、鳥居と他の出演者との円滑油の役割を見事果たしている。この状態を鳥居のバーターと捉えている人もいるだろうが、私はそうは思わない。あれは完全な守役だ。いや、お守役、か。

 キレキャラから守役へ、竹山の華麗な転身の裏にはなにがあるのか。竹山個人の性格によるものだと私は考える。竹山は公式プロフィールによると牡羊座のO型。とある占いサイトによると牡羊座O型の男性は、プライドが高く負けず嫌いな反面、面倒見のいい親分肌でもあるとのこと。まさにキレとお守の双方の要素を兼ね備えているとは言えないだろうか。ちなみに魚座O型の女性は現実離れした夢見がちな人、と思われがちなのだとか。魚座O型の女性、鳥居のことだ。たかが占いではあるが、意外と当たっているように思う。残念ながら二人の相性まではわからなかった。

 リーダーシップあふれる牡羊座O型の血が騒ぐ、というのでもなかろうが、竹山は見事に若手を率いているといえるだろう。惜しむらくは、若手の多くがやはりサンミュージックGET所属のダンディ坂野率いるチーム・ダンディ(活動内容は主にボーリング)のメンバーであることか。竹山に幸あれ。

(編集部 三浦ヨーコ)


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