バルサのカメルーン代表FWサミュエル・エトーは予期せぬことが起こらない限り、クラブに残留するという流れに傾いている。エトーを構想外としたグアルディオラ監督だが、その考えを撤回するつもりでいるようだ。

 エトーがチームに合流してからの3週間を通じて、グアルディオラ監督は彼の姿勢を評価。トレーニングだけでなくピッチ上でも好パフォーマンスを見せ、ゴールという結果を残している。実際、エトーは5得点で今プレシーズンのチーム得点王となった。プレー時間たった160分間で5ゴール、つまり35分に1ゴールという計算となる。また、自身の去就を巡ってメディアが騒ぎ立てる中、チームに無用な波風を立てるような発言をしないよう沈黙を守り続けていることもプラスだ。

 グアルディオラ監督はチャンピオンズリーグ予選前の最後のテストマッチ、対ニューヨーク・レッドブルズ戦でエトーを今プレシーズンで初のスタメン出場させている。この試合での選手起用が新シーズン最初の大一番へのヒントとなり、エトーをスタメンに持ってきたことからグアルディオラ監督が方針を変えたと推察できる。

 さらに、グアルディオラ監督が獲得を希望していたアーセナルのFWエマニュエル・アデバヨールが同クラブと契約を延長したこと、移籍マーケット上にエトーより優れた質を持つフォワードがいないこともエトー残留の追い風となると考えられる。バルサとしても無理してエトーを売却し、新たな選手を獲得する必要はないと考えるのも当然だろう。

 チキ・ベギリスタインTDはエトーの去就問題の決定期限をチャンピオンズリーグ予選第1戦前の8月12日としている。サプライズを除き、「エトーは残る」という方向に向かっている。

(スペイン通信)