【杉山茂樹コラム】案外おいしい反町監督
2008年08月05日14時49分 / 提供:FOOTBALL WEEKLY
サッカーと野球は五輪にはそぐわない。僕はかねてからそう思っている。違和感を抱かせるNo.1とNo.2的な存在だ。理由は分かりやすい。真の世界一決定戦ではない点だ。他の大多数の競技とは、五輪の位置づけが根本的に違う。率直に言って、メダルの重みに違いがあるのだ。
ところが日本では、その野球とサッカーが二大競技を形成する。スポーツ新聞の紙面を占める割合でも、野球、サッカーとその他との間には、著しい開きがある。その他の競技の記事の扱いは、ごくわずか。そしてその傾向は年々顕著になっている。
五輪の時ぐらい……と思わずにいられないが、北京五輪を間近に控えた今なお、状況に変化はない。書店に並ぶプレビュー雑誌を眺めても、野球とサッカーは看板種目のように大きく扱われている。野球は表紙にさえなっている。その他の競技は、五輪を前にしてもマイナーの域を脱し得ない。
商売を考えれば、仕方のない話かも知れないが、このままでは二大競技と、その他との差は開く一方だ。日本のスポーツ界にとっては好ましい話ではない。いわゆる五輪競技が、ここまで粗末に扱われている国も珍しい。
欧州各国のNo.1スポーツはサッカーだが、メディアはそれ以外の競技にもキチンと向き合っている。各国のスポーツ紙を見れば一目瞭然。ガゼッタ(イタリア)にしても、マルカ(スペイン)にしても、レキップ(フランス)にしても、その量は日本より遥かに多い。「一番人気はサッカーだけれど、それだけやってたんではスポーツは衰退する。我々にはスポーツを育てていく役割がある」とは、現地新聞記者の言葉。
かたや日本のスポーツ新聞の純粋なスポーツ面は10ページ程度だ。プロ野球4面、メジャーリーグ2面、サッカー2面。その他の競技はわずか2ページ程度の中に詰め込まれているのが、標準的な姿だ。
芸能ニュース、社会面、エロ、釣り、競馬……。競技スポーツとは関係ない記事が、新聞のおよそ半分近くを占めていることも見逃せない。ページ数そのものが少ないのだ。
例えばスペインのマルカ紙は、通常24ページ立てだが、その3分の2近くをサッカーが占めている。サッカー一辺倒に見えるが、残りは8ページもある。2ページしかない日本とは違う。
テレビもしかり。なによりスポーツニュースの放送時間が短いのだ。最も長いと思われるNHKの「サンデースポーツ」でさえ、せいぜい1時間。人気種目の野球やサッカーの報道も、ファンにしてみれば駆け足気味に見えてしまう。報道の絶対量の足りなさこそが問題なのだ。
例えば中国の国営放送(CCTV)には、スポーツ専門チャンネルがある。スポーツの普及発展に多大な貢献を果たしていることは言うまでもない。日本の公共放送にも、欲しいアイディアだ。これならば、少なくともスポーツファンは、受信料の支払いにもっと前向きになるはずである?
それはさておき、今回、野球とサッカーを比較すると、期待値では断然、野球が勝っている。サッカーへの期待は、いつになく低い。メダル候補と騒がれた前回、山本ジャパンとは対照的だ。反町ジャパンが戦うアメリカ、オランダ、ナイジェリアのレベルは、4年前にグループリーグを戦った3チーム(パラグアイ、イタリア、ガーナ)と遜色ないというのにだ。
ファンが賢くなった証拠だ。2年前のドイツW杯でもそうだったが、日本のメディアには、持ち上げるだけ持ち上げておいて、負ければ知らんプリを決め込む傾向がある。ファンはそのノリに、もはやついて行けなくなったのだ。サッカーに過度な期待を寄せるファンはいない。僕と同じように、五輪のサッカーに疑問を抱く人も増えている。
すなわち、監督に掛かるプレッシャーはいつになく低い。グループリーグで消えても、反町監督の責任を追及する声は湧かないはず。逆にグループリーグを突破すればヒーローだ。必要以上に評価される。反町サンは案外、美味しいポジションにいるのかも知れない。
ところが日本では、その野球とサッカーが二大競技を形成する。スポーツ新聞の紙面を占める割合でも、野球、サッカーとその他との間には、著しい開きがある。その他の競技の記事の扱いは、ごくわずか。そしてその傾向は年々顕著になっている。
五輪の時ぐらい……と思わずにいられないが、北京五輪を間近に控えた今なお、状況に変化はない。書店に並ぶプレビュー雑誌を眺めても、野球とサッカーは看板種目のように大きく扱われている。野球は表紙にさえなっている。その他の競技は、五輪を前にしてもマイナーの域を脱し得ない。
商売を考えれば、仕方のない話かも知れないが、このままでは二大競技と、その他との差は開く一方だ。日本のスポーツ界にとっては好ましい話ではない。いわゆる五輪競技が、ここまで粗末に扱われている国も珍しい。
欧州各国のNo.1スポーツはサッカーだが、メディアはそれ以外の競技にもキチンと向き合っている。各国のスポーツ紙を見れば一目瞭然。ガゼッタ(イタリア)にしても、マルカ(スペイン)にしても、レキップ(フランス)にしても、その量は日本より遥かに多い。「一番人気はサッカーだけれど、それだけやってたんではスポーツは衰退する。我々にはスポーツを育てていく役割がある」とは、現地新聞記者の言葉。
かたや日本のスポーツ新聞の純粋なスポーツ面は10ページ程度だ。プロ野球4面、メジャーリーグ2面、サッカー2面。その他の競技はわずか2ページ程度の中に詰め込まれているのが、標準的な姿だ。
芸能ニュース、社会面、エロ、釣り、競馬……。競技スポーツとは関係ない記事が、新聞のおよそ半分近くを占めていることも見逃せない。ページ数そのものが少ないのだ。
例えばスペインのマルカ紙は、通常24ページ立てだが、その3分の2近くをサッカーが占めている。サッカー一辺倒に見えるが、残りは8ページもある。2ページしかない日本とは違う。
テレビもしかり。なによりスポーツニュースの放送時間が短いのだ。最も長いと思われるNHKの「サンデースポーツ」でさえ、せいぜい1時間。人気種目の野球やサッカーの報道も、ファンにしてみれば駆け足気味に見えてしまう。報道の絶対量の足りなさこそが問題なのだ。
例えば中国の国営放送(CCTV)には、スポーツ専門チャンネルがある。スポーツの普及発展に多大な貢献を果たしていることは言うまでもない。日本の公共放送にも、欲しいアイディアだ。これならば、少なくともスポーツファンは、受信料の支払いにもっと前向きになるはずである?
それはさておき、今回、野球とサッカーを比較すると、期待値では断然、野球が勝っている。サッカーへの期待は、いつになく低い。メダル候補と騒がれた前回、山本ジャパンとは対照的だ。反町ジャパンが戦うアメリカ、オランダ、ナイジェリアのレベルは、4年前にグループリーグを戦った3チーム(パラグアイ、イタリア、ガーナ)と遜色ないというのにだ。
ファンが賢くなった証拠だ。2年前のドイツW杯でもそうだったが、日本のメディアには、持ち上げるだけ持ち上げておいて、負ければ知らんプリを決め込む傾向がある。ファンはそのノリに、もはやついて行けなくなったのだ。サッカーに過度な期待を寄せるファンはいない。僕と同じように、五輪のサッカーに疑問を抱く人も増えている。
すなわち、監督に掛かるプレッシャーはいつになく低い。グループリーグで消えても、反町監督の責任を追及する声は湧かないはず。逆にグループリーグを突破すればヒーローだ。必要以上に評価される。反町サンは案外、美味しいポジションにいるのかも知れない。
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