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日本人の心こそ、『世界文化遺産』に登録せよ(3)

2008年07月26日09時48分 / 提供:PJ

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日本人の心こそ、『世界文化遺産』に登録せよ(3)
聖護院の修験者最年長の修験者は72歳。若手は20歳である。(撮影:穂高健一、7月2日、静岡県) 写真一覧(5件)
(2)からのつづき。修験者は健脚だ。一般参加者の脚力は強弱バラバラで、遅れがちになる。先達(案内役)の畠堀さんが、修験者と一般参加者の隊を入れ替えた。弱い足のペースで進む。全員の安全登山は入峰修行のひとつなのだから。

 聖護院の修験者による富士山の入峰修行は、ひたすら『村山古道』を登っていく。最年長の修験者は72歳。若手は20歳である。古(いにしえ)からの踏み跡は予想外にしっかりしている。他方で、苔むして滑りやすい溶岩流、背丈を超えるスズタケ、腰まで埋まる草むらで、難儀させられる。

 標高760メートルの地点で、村山古道は林道と交差した。ここで朝食となった。富士宮市の日本料理屋『花月』の岩見安博さん(57)の夫婦が軽トラックで『振る舞い』とし、みそ汁、スイカ、お茶などを運んできてくれた。

 草分俊顕(くさわけ しゅんけん、24)さんは聖護院の学僧だ。春の葛城修行、夏の大峯奥駈修行には、4回ずつ参加していると教えてくれた。「富士山は小学生のころから憧れていました。高校(京都)時代、山岳部にいました。北岳など南アルプスを縦走しています。富士山入峰修行の参加が1ヶ月前に決まったとき、うれしかったです」と笑顔で語っていた。

 村山古道が急勾配になった。中村覚祐(かくゆう)執事長が修験者の先頭で、「懺悔(さんげ)、懺悔」と声を張り上げる。ほかの者は「六根清浄(ろっこん しょうじょう)」と駆け声をあげる。同時に、ほら貝が鳴りひびく。

 「六根清浄」は、山参り行者の象徴的な駆け声だ。聖護院の入峰修行で、富士山に百数十年ぶりにもどってきたのだ。無形文化財ともいえる「六根清浄」の復活だと思うと、感慨深いものがあった。

 急坂だ。そのうえ厄介な風倒木が待ち構えていた。先頭から一人ずつ倒木の下を潜る。横倒しの樹を跨(また)ぐが、足がとどかない。順番待ちで、後ろが長い行列になる。修験者の中で、唯一の女性がいる。成就庵(広島市南区)の庵主・村上由馨さんだ。悩みをもった女性の駆け込み寺だという。今回の入峰修行について、聞いてみた。「富士山の大自然に包まれた、魅力ある修行です。標高1800メートルから、空気が変わってきました。富士山は男性ぽく、大山(鳥取)の裏山に似ています」と語る。

 村山古道の路傍には廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の折、首をはねられた石像がある。悲惨な姿だ。修験者たちがほら貝を吹き、供養のお経を上げる。一般参加者も手を合わせる。かつて政治的に葬られた、歴史的な文化財を掘り起こしている姿にも思えた。

「明治以降に途絶えていた、富士山の入峰修行はわれわれの長年の念願でした。今回は信者を連れて村山道を登り、富士山をお祈りできる。この意義は大きい」と中村覚祐さんは話す。【つづく】

■関連情報
ライブドア・デパート:畠堀操八著『富士山・村山古道を歩く』(風濤社)
記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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