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ビジネスホテル進化論/金森 努

モノやサービスに対する顧客の要求は普及が進み、さらに競合が激しくなると加速度的に高まる。それに対応するには、顧客のニーズがどこにあり、どのように商品の品質・サービスを向上させることで、どの程度対応できるのかを把握しておく必要がある。

今回は例として取り上げたいのはビジネスホテルだ。品質・サービスのレベル向上は、コストを考えなければ色々と工夫の余地はある。しかし、ビジネスホテルの場合、それを低コストで提供するという、厳しい制約条件が存在するのである。その工夫の様も参考になる。


ビジネスホテルの進化をフィリップ・コトラーの製品特性分析のフレームワークを用いて考えてみたい。コトラーの製品特性分析のフレームワークは3層モデルと5層モデルがあるが、今回はわかりやすい前者を用いる。商品・サービスが購入者に提供する「価値」を構造的に分解し、把握するのがこのフレームワークの特徴だ。


まず、中心にあるのが「中核」と呼ばれる、顧客がその商品・サービスを手に入れることで実現できる最も中心的な便益を表わす。最初にわかりやすい「自動車」という商品で例示するなら、「動力を用いて自らの意のままに移動できる手段」ということになる。
では、ビジネスホテルにおいてはどうだろうか。
1日の仕事を終え、もしくは翌日の仕事に備えて「休息できる」「眠れる」が中核であることは間違いない。加えて「清潔さを保ち、身だしなみを整えられる」ことも必要だろう。


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