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「竹島(独島)問題炎上」で困惑する、日韓両国の人たち

「竹島(独島)問題炎上」で困惑する、日韓両国の人たち
「国交」とは、政治家とマスメディアがによって構築されるものではない。よりよき民間交流がすべての前提なのだ。2月22日、ソウルのホテルでパソコンを開き、誰構うことなく日本へメールを送る。(撮影:今藤泰資)
【PJ 2008年07月19日】− いわゆる「竹島(韓国名独島)問題」をめぐって韓国が炎上している。同国を代表するメディアの一つ朝鮮日報には、ここ数日だけでも、『日本への修学旅行など中止を勧告=蔚山市教育庁』『釜山では日本車不買運動も』『駐日大使、日本行き遅れる可能性も』『福田首相、外交政策のミスで失脚を憂慮』『恥知らずな日本外交』『中学生も日本大使館前でデモ』『日本製コンドームの広告撤去=ソウルメトロ』…などなど驚くようなタイトルが羅列し、ついには『対馬も本来韓国領、古地図基に主張再燃』と扇情的過ぎる記事まで出る始末だ。もちろん、中央日報や東亜日報などの他紙でも例外なく、「独島(竹島)問題」がトップ記事。自国で実効支配中の孤島など、さほど問題にする必要もあるまいと思えてならないが、事実関係はどうか。

  実は来週、わが家に20数名の韓国人が来訪するはずであった。ところがこうした韓国内の事態を受け、来日寸前で予定はすべてキャンセルになった。訪日の間に立った在韓の友人のメールには、「返信が遅れまして、申し訳ありません。○○の日本視察に付きましては、大変申し上げづらいのですが、もし今、この時期に訪日した場合、関係者らがマスコミから糾弾されることが確実視されており、急遽(きゅうきょ)取り消さざるを得なくなりました。○○先生も、○○代表も、こんな時こそ、地方と地方、人と人のつながりをしっかりと保ち、日々の仕事に勤しまねばならないと仰っていました。訪日予定者も、日本に学ぶ当初からの心意気に変わりはございません。先方に御迷惑をお掛けしたのはもちろん、通信費を始めとした管理人件費、航空券や宿泊などの違約金、一昨日まで現地で段取りなさってきたものがふいになり、関係者は大変遺憾の様子で、両国の将来を憂え案じていらっしゃいました。下館に寄って行っては、とのご提案、ご配慮をいただきまして、お伺いすることはできません。心より感謝いたしております。ありがとうございました」。

 友人の氏名、団体名や来日目的を明らかにできないのは、企画当事者と著名な人物に迷惑がかかるからである。だがこうした実情が、韓国内では当然のことながら、日本国内で報道されることはない。わたしが韓国人団体を狭いわが家に立ち寄っていただくことを提案したのは、数年前の夏、ある韓国人メディアの自宅マンションを訪問したからである。異国の観光地訪問や工場見学、先端技術の現場などを訪れる機会はあっても、「普通の人が、どのような暮らしをしているのか」は、なかなか機会が得られないものなのだ。その日、夫人が出して頂いた「マクワウリ」の冷たさと甘さは、今も舌先に残っている。やや唐突な異国の訪問客を迎える家族の温かさは、心に染み付いている。

 国交とは、そのときの政治体制の中で仕切られることと、民間外交の両面がある。建前と本音と言い換えてもいいだろう。わが国の外交政策上、「親日的」とされる李明博政権が、牛海綿状脳症(BSE)問題の対処に苦慮している最中、強いて「竹島問題」を表面化する蓋然(がいぜん)性はあったのか疑問なのだ。「竹島問題には日韓両国に紛争がある」ことを、この時期に教科書に明記する必要はあったのか。町村信孝官房長官や、高村正彦外相が「冷静に」と呼びかけることは、燃え上がった炎に油を注ぐことにならないのか。あまりにも稚拙な外交政策は、親日的韓国人の立場と行動を狭隘(きょうあい)化することにならないのか。いずれは収束するはずの課題を、今この時期に、取り立てて騒ぐことはあるまいと思えてならないのだ。

 わたしは日本人である。竹島はわが国固有の領土だと思い続けてきた。だが瑣末(さまつ)なことを強調する気持ちにはならないし、主張したいことを押し通す場合、タイミングを見図る程度の思考回路は持っている。何事につけデモだストだ国旗焼却などと、大騒ぎする隣人には苦言を呈したいが、同様に他人の感情を理解できない稚拙な日本国外交にはウンザリだ。どうしても両国間で決着をつけたいのなら、「ペキン五輪野球の日韓戦でも楽しめ」と言いたくもなる。わたしは今月末、済州島に渡る。数日間の予定の行動を変更する気持ちは、さらさらない。【了】

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パブリック・ジャーナリスト 今藤 泰資【 茨城県 】
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