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巨大なサイクロン、小さな子供たちの災禍=(下)

2008年07月18日11時30分 / 提供:PJ

pj
巨大なサイクロン、小さな子供たちの災禍=(下)
ミャンマー・ヤンゴン管区内で、『倒壊した学校の前で、座る少年たち』。08年6月。(写真提供:国境なき子どもたち・KnK) 写真一覧(2件)
(中)からのつづき。『国境なき子どもたち』(KnK)は、カンボジア、インドネシア、東ティモール、バングラデシュなどで活動を続けている。これらは現地の人と人とのつながりをベースにした支援活動だ。政府機関や国連機関の援助活動とちがって、小さなNGOの活動は非常に限られたものになる。

 「私たちNGOは、人が困難な状況にあった場合、なにかできることがあったら、たとえ少ないことでもやろう。人から人に手を差し伸べていく。この考えや思いは、KnKが活動をはじめた8年前から変わらない方針です」と、ドミニク・レギュイエ事務局長は語った。「私たちの活動を通して、現地の状況を日本の人たちに知らせる。そこに小さなNGOの象徴的な意味合いがあるのです」と強調する。

 04年12月に発生したスマトラ沖大地震の津波被害では、インドネシア政府と海外の支援機関が一緒になり、サポートを行ってきた。しかし、ミャンマー(ビルマ)は被害の状況がなかなか見えてこない。人道的な介入とはなにか。どこまでなすことができるのか。海外のNGOの限界が深く考えさせられたという。

 「情報不足だから、国際社会の反応が鈍い。それが実にもどかしく思う。ミャンマーに現地入りしてみると、人々が本当に苦しんでいる姿があった。私たちKnKは、一歩ずつでもやれることをやっていきたい」。

 ヤンゴン北部では、27人の男女に出会った。10歳から16歳の子供たちだ。サイクロンの被災が激しかった南部の3つの村から、避難してきていた。ヤンゴンまでボートで3日間かかったという。かれらの故郷はヤンゴンからの道路が復旧し、車が利用できたとしても、8、10時間はかかる。そのさきはなおも船で行くところらしい。

 これら南部はデルタ地帯で、米作が盛んなところだ。地形としては川の河口が何本も海にそそぐ。巨大サイクロンでは暴風雨の被害のみならず、海からの高波が川をさかのぼり、民家を襲ったのだ。27人の男女の話を総合すると、村民の30パーセントが命を落とし、建物の3分の2は全壊したという。当局は、ヤンゴンに避難してきたものを故郷に帰す、という政策を取っている。27人の子供たちは複雑でむずかしい立場である。いま現在は、ヤンゴン市民の個人的なサポートで、避難生活を送っている。

 「私たちKnKはむこう一年間にわたって、この27人の子供たちの食事、衣服、学校に通う教材の面でサポートしていく、と決定しました。枠組みとしては35名まで可能だと考えています。同時に、故郷の村までサポートできるように、拡大したい」と具体的な方針が示された。

 巨大サイクロンは5月初めにミャンマーに上陸し、甚大な被害を与えた。この災害に対して、国際社会とりわけアジア諸国や、近隣の国々、日本政府などは果たすべき、大きな役割があるはずだ。NGOの活動は被害の大きさに比べ、かなり限られたものになる。しかし、小さな支援を通して、日本国民に被災者たちの実態を伝える、という役割は大きい。

 ミャンマー政府(軍事政権)は、いまなお海外のNGOに警戒心を持つ。こうした困難な環境下でも、KnKのスタッフは支援計画をより推し進めるために、2度目の現地入りにむけて、7月9日には成田空港からミャンマーに飛び立った。【了】

■関連情報
『国境なき子どもたち』(KnK)
記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

関連ワード:
サイクロン  インドネシア  津波  バングラデシュ  東ティモール  
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