世代別に個性の違う「男の暴力」。激増した「女の暴力」。
2008年07月16日19時00分 / 提供:都市伝説探偵団
強盗、殺人、強姦、暴行……毎日、物騒な記事が新聞紙上をにぎわせ、最近の日本は「暴力大国」になりつつある。かつての慎ましくおとなしい日本人は、どこに行ってしまったのだろうか。ただ、暴力行為が増えているといっても、男性の場合、世代によってニュアンスは異なるという。「“ケンカを買わない少年。ケンカをしかける青年。ひとりでキレる中高年”と、大雑把に呼んでいるんですが……」そう語るのは、社会心理学者の河野浩一先生だ。
「決めつけているわけではないのですが、学校教育の影響か、社会環境のせいか、男性の場合、怒りの表現形態が世代によって大きな違いがあるのです。大きなニュースになるような事件ではなく、日常的な暴力行為、たとえば家庭内暴力や駅員、サービス業の人間に対する暴力行為は年々増えていて、それは20代後半から30代にかけてがもっとも多いんです」と河野先生。多くは酒に酔った上での行為だが、すぐにおさまるような小競り合いも含めると、相当数にのぼるという。
かつては“キレる10代”などといわれたが、今はそれが育って、“キレる30代”になったのだろうか。その反面、最近の10代後半から20代前半は比較的おとなしくなり、売られたケンカは買わないし、ケンカを売ること自体減ったという。河野先生に言わせると「ケンカを含め、他人との関わりを極力避けるようになった」のだという。だから暴力的でなくなったのかというとそうではなく「潜在するようになった」ということらしい。
健康な人間であれば、怒りや暴力衝動を感じるのは当たり前だと河野先生は語る。それらの怒りや暴力衝動は、「スポーツをして昇華する」「泣いて発散する」「グチを言って発散する」のが効果的で、皆意識せずにそういった解消法を行っているのだという。また軽い口ゲンカや、議論を戦わすなどのガス抜きができるからこそ、社会生活ができるのだという。ところが他人と極力関わりを持たない、という生き方はガス抜きできるチャンスがなく、怒りをお腹にためる結果となる。それがある日突然爆発し、極端な「殺意」や「暴力行為」に姿を変えてしまうのだ。
最近の傾向で顕著なのは、女性の暴力行為が激増したことだ。「女性の場合は、世代間の違いはあまりなく、10代〜50代までの女性が、暴力的になっています」。かつては、家庭内暴力といえば、夫が妻を殴るかあるいは、青年が親に暴力を振るう……というのが定番だったが、最近は妻が夫を虐待する、娘が家で暴れる……は、そう珍しくないという。怒りを涙で表すのではなく、暴力で表現する女性が増えたのだそうだ。
居酒屋でアルバイトをしているユカさん(20歳)は、人間観察が趣味。ユカさんの観察によると、40代、50代のおじさんばかりのグループは大声を出して騒ぐけれど、ケンカはしないそうだ。ただし議論好きな年代なので話がヒートアップして、ケンカになりそうな場面は少なくないが、たいていは誰かが、まーまーと仲裁にはいるという。「怖いのは30代のグループですね。理由はよくわからないけど突然取っ組み合いのケンカをしたり、グラスを投げつけたり。私たちにも横柄な態度で、あんまり感じよくないですね。よっぽどストレスがたまってるかも。いちばんおとなしいのは20代前半のグループ。4〜5人で来て静かに……というか、たいして話もしないでビール2〜3本飲んでそそくさと帰っちゃいます」。
ユカさんがいちばん驚いたのは、女性が怒って同席の男性をいきなり殴ったケース。ガシャンという激しい音がして振り向くと、20代後半のキャリアウーマン風美人女性が、向かいに座ったサラリーマン風男性を殴っていたのだという。「どこから見ても恋人同士、という感じだったんですが、たぶん彼の言った何かが気に障って彼女が頭にきたんでしょうね。その後立ち上がって逃げ腰の彼の腕を、ねじり上げるようにして引っ張って、彼女は店から出て行きました」。
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