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ひとつの終わりと、始まり。=松本山雅FCの再戦

2008年07月14日06時38分 / 提供:PJ

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ひとつの終わりと、始まり。=松本山雅FCの再戦
前半、柿本倫明(#10)のヘディングシュートが突き刺さる。(撮影:多岐太宿。7月13日) 写真一覧(3件)
7月13日、第34回北信越リーグ第11節が各地で行われ、長野県松本市からJリーグ昇格を目指す松本山雅FCは、松本平広域公園総合球技場(アルウィン)にてフェルヴォローザ石川・白山FC(以下、石川)と対戦し、6−0で大勝した。AC長野パルセイロとJAPANサッカーカレッジの勝利でリーグ戦の連覇は完全に消滅した。

 前節と同じスタメンで挑んだ試合は、開始直後から一方的な展開。まず16分に右に流れた大西康平からのセンタリングを、柿本倫明がヘッドで先制。以降は柿本のワンマンショー。21分にコーナーからのセットプレーを、31分には右サイド竹内優からのまたもヘッドに合わせて、早くもハットトリック。後半も48分にセットプレーからのこぼれ球を左足で、67分には大西からのパスを胸トラップからシュート。直後、左サイドの竹内の放ったアーリークロスがそのままゴールネットに吸い込まれ、6点目。勝負は決した。

吉澤監督談話
 「(6−0で快勝。この試合の総括を)相手は最下位とはいえ、サッカーは何が起こるか分からない。気を緩めることなくやって欲しい。もっと点を取れる可能性はあった。柿本を使って、というのがうちの課題。点につながり、やろうとしていることはできたが、まだできる。修正したい」

 「(残り3試合、上位との対戦になる)勝てるゲーム展開に持ち込みたい。まずは先に点を与えないことが目標」

 「(優勝を逃した原因は得点力不足があると思う。どう思うか)まず、勢いをつけたい開幕戦、第2節を柿本が出遅れたのは痛い状況だった。(戦術面では)サイド攻撃一辺倒になりすぎてしまった。くさびになる選手がいなかったため、真ん中にディフェンダーを集めることができなかった。研究もされており、得点力が落ちたことが考えられる」

 「(坂本史生選手の右サイド起用は)上がるタイミングは、今の吉田匡、金沢よりも良い。スピード面も坂本、阿部の方が上。攻撃の回数は減るでしょうが、彼らなりの力の中でよくやっている」

 「(これまで、メンバー固定ができていなかったように思える)そういう見方をされれば、そうなのかも知れないが、本来だったらそのポジションで使わない選手も使わざるを得ない状況だった。新加入選手も非常にうまいが、まずは11人で勝つことを考える。結果が伴わず、対戦相手によってディフェンシヴにしなければならなかった」

 「(走り勝つサッカーはどこまで完成したか)練習ではできていても、試合では走り負けている。気持ちの問題もあるし、主導権を握ることで足も動く。前期を見ると、表現出来ていない部分はあったが、徐々に手ごたえはできてきた」

 「(北信越リーグに対しての意識が希薄ではなかったか)自分の中ではそう考えたことはない。希薄だったと見られたのならば、その評価で良いし、否定するつもりはない。もちろん、一つも落とせない状況、少ないゲーム数であることは分かっていた。他クラブの監督さんにはリーグの経験はあったかも知れない。ただ、自分の監督としての経験には自負がある」

取材メモから
 試合後の勝利インタビュー。インタビュアーの田中利彦FM長野アナウンサーの問いに、今日のヒーローは、こう答えた。

 「まだ、JFL昇格はあきらめていない」。

 上位クラブが順当に勝ち、リーグ優勝が完全に消滅したこの日、それでもその言葉にすがりたいサポーターは多いに違いない。

 「相手が相手だったが、ボールを支配出来ていた」(柿本)と言うように、石川はここまで勝ち点ゼロのクラブであり、恐らくこのまま2部へと降格するであろう相手である。当然、今後の上位クラブとの対戦に向けて、参考にならない部分も多かろう。特に中盤はほぼノープレッシャーであった。

 それでも、幾つかの好材料を挙げておきたい。まずは今日の柿本である。頭だけでハットトリックを達成、後半は右と左足で1点ずつ決めて見せた。5点目の直後にはゴール裏から「柿本山雅!」のコールが贈られるほど、存在感は抜群。前線でのポストプレーや守備にも貢献した。

 その柿本を生かすも殺すも、サイドからのセンタリング。今日の両サイドは積極的にえぐり、ペナルティーエリア付近で待ち構える柿本にピンポイントのクロスを供給していた。特に、竹内はクロスだけでなく、フィニッシュをシュートで終わるという選択肢もとれる。本人は「センタリングでした」と語る、いわば“ミスキック”の6点目も、積極性が物を言ったと解釈することができる。

 本来は純然たるセンターバックだが、そのスピードを監督に見込まれ右サイドにコンバートされた坂本も次第に形になりつつある。これまでは裏を取られることを恐れるあまり、積極的にサイドを上がることができなかったが、今日は相手ペナルティーエリア付近まで攻め上がり、自らシュートまで放った。惜しくも枠を外れたものの、新たな可能性を感じさせたことは事実だ。

 前節で可能性を感じさせた吉田賢太郎の働きも記しておきたい。後半に見せた、身体を反転させてのパスは今井昌太がシュートを外したために触れられることはなかったが、あのシュートがもしゴールにつながっていたとすれば、彼の芸術的なアシストも称賛されたことは間違いない。泥臭い動きにも好印象を抱いたが、ここぞという場面で足を滑らせたり、良い動きでシュートチャンスを作りながら、あと数センチでゴールを逃したりと、やや不運だった。

 ディフェンス面も安定。危険なシーンは1、2回ほどしかなかった快勝ではあったが、重箱の隅を突けば、10点取れた試合内容ではあったし、そもそも石川が最下位のクラブであることを懸案すれば、今日の内容が上位クラブにも通用するかは分かりかねるというのが、本当のところだ。

 とはいえ、JFL昇格への道が明確になった以上、やるしかない。真のチーム力が試される瞬間は、もう少しで訪れる。【了】

■関連情報
2008年北信越リーグ1部 第11節
「松本山雅FC 6−0 フェルヴォローザ石川・白山FC」
GK:原裕晃
DF:阿部琢久哉、三本菅崇、矢畑智裕、坂本史生
MF:石川航平(→59分 今井昌太)、大西康平、高沢尚利、竹内優(→88分 斉藤智閣)
FW:柿本倫明、吉田賢太郎(→75分 江口正輝)

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 多岐 太宿

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