今週のお役立ち情報
終わりよければ全て良し、じゃない=松本山雅FCの再戦
2008年07月09日07時12分 / 提供:PJ
【PJ 2008年07月09日】−
7月6日、第34回北信越リーグ第10節が各地で行われ、長野県松本市からJリーグ昇格を目指す松本山雅FCは、岩瀬スポーツ公園サッカー場にてヴァリエンテ富山(以下、富山)と対戦し、3−2で勝利した。
風がまったくなく、立っているだけで汗が伝う空気の中で行われた試合は、前半15分にセットプレーからの失点という悪い流れで進む。明らかに出足の悪い松本に対し、富山はボールをつなぎ、セカンドボールを確実に拾い、単発の攻撃にも落ち着いて対処。冷静さを失い、首をかしげる松本の選手たちとはあまりにも対照的だった。
しかし、1点ビハインドの後半7分に左サイドを駆け上がった石川航平のパスに反応した吉田賢太郎が左足を振り抜き、待望の同点ゴール。雨が降り出した19分にはワンツーでボールを受けた竹内優がライン手前まで攻め上がり、角度のない位置から逆転の2点目。25分には、投入されたばかりの佐々木惇がクロスを、難易度の高い芸術的なヒールボレーで値千金の追加点を挙げた。富山は#10小林が神出鬼没の動きを見せ、後半ロスタイムには1点差に迫るゴールを上げたものの、もう1点が遠かった。
吉澤監督談話
「(この試合の総括を)見えないプレッシャーもあり、難しい気持ちで臨んだ。前半にリスタートから失点してしまい、ハーフタイムには、誰のために試合をしているのか? ということを話した」
「(そのハーフタイムの話とは)誰のためにサッカーをやっているのか、ということ。ここまで足を運んでくれたサポーターのため、選ばれた11人である自分たちのため。もっとできるはず」
「(リーグ終盤、今後の展望を)今まで表立って発言はしてこなかったが、現実問題としてリーグ戦での地域リーグ決勝大会進出は難しい。毎週毎週、ゲームはきっちりこなして、(JFL昇格のもう一つの道である)全国社会人サッカー選手権のためにも集中して、やっていきたい」
取材メモから
泣いても笑っても、リーグ戦は残り4試合。事実上、リーグ戦優勝の芽の無くなった松本にとって、残された道は全国社会人サッカー選手権で勝ち上がり、地域リーグ決勝大会への出場枠を勝ち取るしかない。
しかし、現状のチームを見ている限りでは、夢物語と取られても仕方がない。少なくともこの試合を観戦した人なら、その前途多難さに天を仰ぎたくなるに違いない。
特に前半の内容は最悪だったと言って良い。アウェイであるということは差し引いたとしても、リーグ開幕当初にうたわれていた「走り勝つサッカー」が完全に破たんしているのである。アグレッシヴに立ちまわったのは、むしろ富山の選手たちであった。確かに最後こそ選手の力量差で逆転した。しかし、煮え切らない思いに舌打ちした松本サポーターは多かったのではないか。角度のない位置からゴールネットに突き刺した竹内の絶妙なシュートと、佐々木のヒールボレーはスペクタクルであった故に、運も味方した。その他、幾つかの決定的なチャンスを逃したことの方が問題といえる。
あえて好材料を一つ挙げるならば、スタメン出場し、貴重な同点ゴールを挙げた吉田賢太郎は、今後の松本の浮沈の鍵を握る存在だ。身体を張る富山ディフェンダーにつぶされていたものの、シュートチャンスを作ろうとする、前線での精力的な動きの良さには魅せられる。しかし、フォワードに求められるのはゴールという“数字”である。不動のエースの座を築きつつある柿本倫明の相棒役は、裏へ飛び出す動きを見せる佐々木や、くさび役となれる同タイプの江口正輝と競争相手も多いだけに、その独特のドリブルとテクニックが生きる中盤での起用も魅力的に見える。
ともあれ、難しい問題を数多く抱えたまま、リーグ戦は最終盤を迎えようとしている。クラブ内外の雰囲気は決して良いとはいえない。空を厚く覆う暗雲を取り払うような、スカッとした瞬間を味わいたいというのが正直な感想だ。
2008年北信越リーグ1部 第10節
「ヴァリエンテ富山 2−3 松本山雅FC」
GK:原裕晃
DF:阿部琢久哉、三本菅崇、矢畑智裕、坂本史生
MF:石川航平、大西康平(→川田和宏)、高沢尚利(→斉藤智閣)、竹内優
FW:柿本倫明、吉田賢太郎(→佐々木惇)
■関連情報
PJニュース.net
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 多岐 太宿【 長野県 】
この記事に関するお問い合わせ / PJ募集
風がまったくなく、立っているだけで汗が伝う空気の中で行われた試合は、前半15分にセットプレーからの失点という悪い流れで進む。明らかに出足の悪い松本に対し、富山はボールをつなぎ、セカンドボールを確実に拾い、単発の攻撃にも落ち着いて対処。冷静さを失い、首をかしげる松本の選手たちとはあまりにも対照的だった。
しかし、1点ビハインドの後半7分に左サイドを駆け上がった石川航平のパスに反応した吉田賢太郎が左足を振り抜き、待望の同点ゴール。雨が降り出した19分にはワンツーでボールを受けた竹内優がライン手前まで攻め上がり、角度のない位置から逆転の2点目。25分には、投入されたばかりの佐々木惇がクロスを、難易度の高い芸術的なヒールボレーで値千金の追加点を挙げた。富山は#10小林が神出鬼没の動きを見せ、後半ロスタイムには1点差に迫るゴールを上げたものの、もう1点が遠かった。
吉澤監督談話
「(この試合の総括を)見えないプレッシャーもあり、難しい気持ちで臨んだ。前半にリスタートから失点してしまい、ハーフタイムには、誰のために試合をしているのか? ということを話した」
「(そのハーフタイムの話とは)誰のためにサッカーをやっているのか、ということ。ここまで足を運んでくれたサポーターのため、選ばれた11人である自分たちのため。もっとできるはず」
「(リーグ終盤、今後の展望を)今まで表立って発言はしてこなかったが、現実問題としてリーグ戦での地域リーグ決勝大会進出は難しい。毎週毎週、ゲームはきっちりこなして、(JFL昇格のもう一つの道である)全国社会人サッカー選手権のためにも集中して、やっていきたい」
取材メモから
泣いても笑っても、リーグ戦は残り4試合。事実上、リーグ戦優勝の芽の無くなった松本にとって、残された道は全国社会人サッカー選手権で勝ち上がり、地域リーグ決勝大会への出場枠を勝ち取るしかない。
しかし、現状のチームを見ている限りでは、夢物語と取られても仕方がない。少なくともこの試合を観戦した人なら、その前途多難さに天を仰ぎたくなるに違いない。
特に前半の内容は最悪だったと言って良い。アウェイであるということは差し引いたとしても、リーグ開幕当初にうたわれていた「走り勝つサッカー」が完全に破たんしているのである。アグレッシヴに立ちまわったのは、むしろ富山の選手たちであった。確かに最後こそ選手の力量差で逆転した。しかし、煮え切らない思いに舌打ちした松本サポーターは多かったのではないか。角度のない位置からゴールネットに突き刺した竹内の絶妙なシュートと、佐々木のヒールボレーはスペクタクルであった故に、運も味方した。その他、幾つかの決定的なチャンスを逃したことの方が問題といえる。
あえて好材料を一つ挙げるならば、スタメン出場し、貴重な同点ゴールを挙げた吉田賢太郎は、今後の松本の浮沈の鍵を握る存在だ。身体を張る富山ディフェンダーにつぶされていたものの、シュートチャンスを作ろうとする、前線での精力的な動きの良さには魅せられる。しかし、フォワードに求められるのはゴールという“数字”である。不動のエースの座を築きつつある柿本倫明の相棒役は、裏へ飛び出す動きを見せる佐々木や、くさび役となれる同タイプの江口正輝と競争相手も多いだけに、その独特のドリブルとテクニックが生きる中盤での起用も魅力的に見える。
ともあれ、難しい問題を数多く抱えたまま、リーグ戦は最終盤を迎えようとしている。クラブ内外の雰囲気は決して良いとはいえない。空を厚く覆う暗雲を取り払うような、スカッとした瞬間を味わいたいというのが正直な感想だ。
2008年北信越リーグ1部 第10節
「ヴァリエンテ富山 2−3 松本山雅FC」
GK:原裕晃
DF:阿部琢久哉、三本菅崇、矢畑智裕、坂本史生
MF:石川航平、大西康平(→川田和宏)、高沢尚利(→斉藤智閣)、竹内優
FW:柿本倫明、吉田賢太郎(→佐々木惇)
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