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原油高騰の打撃のなか、「生き残り」をかける自動車産業【今週のキーワード 真壁昭夫】

 
 今年6月の米国の自動車販売台数は、前年同月比マイナス18.3%の約118万台と、大幅に減少した。これにより、米国の新車販売台数は8ヵ月連続で前年実績を下回ったことになる。米国の大手自動車メーカー3社のシェアは、45.8%と4ヵ月連続で50%を下回り、過去4ヵ月間に米国で販売された車の半分以上が、日本やドイツなど海外メーカー製というのが現状だ。

 その背景には、原油価格高騰によるガソリン価格の上昇などによって、自動車全体の売り上げが落ちていることに加え、燃費の悪い大型車に対する需要が減退していることがある。それに伴い、米国の大手3社が、生産計画の練り直しや一段のリストラ策の実施に追い込まれることは避けられない。

 株式市場では、「GMなど大手メーカーの資金繰りが悪化しているのではないか」との観測が流れているようだ。米国を初め世界の自動車メーカーにとって、今後、景気減速など一層厳しい経営環境になることが懸念される。現在、世界最高峰にあるわが国メーカーも安閑としていられないだろう。

 元々、現在のようなガソリンエンジンを搭載した自動車を発明したのは、ドイツのダイムラーとベンツといわれている。ヨーロッパで産声を上げた自動車産業は、大西洋を挟んだ米国に渡り、そこで近代自動車産業の隆盛が本格化した。フォードが大量生産による“T型フォード”の生産を始めたことによって、「大衆の乗り物」としての地位を確固たるものにし、生産台数は飛躍的に拡大傾向を辿ることになる。

 その後、GMがさらに大規模な生産体制を整え、フォードに代わって世界最大の自動車メーカーの地位を勝ち取り、長期間に亘って、世界ナンバーワンに君臨してきたのである。

 そのGMを、ついに昨年、生産台数ベースで上回ったのがトヨタ自動車だ。収益に関しては、経営状況の悪化に苦しむGMを尻目に、すでにトヨタはGMを凌駕する勢いだった。昨年の生産台数の逆転によって、名実共にトヨタが世界最高の自動車メーカーになったと評価する専門家は多い。

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