いつ頃からだろう、規律や道徳の模範的な立場とされてきた人々の中に不正や犯罪を行う者が目立つようになってきたのは。
政治家や警察官、そして教師による不正行為、犯罪が増えてきたのである。教師の中には生徒にわいせつ行為をはたらくなどと、信用信頼を完全に裏切る犯罪まで起きている。
そして、今回問題になっているのは、その教師の採用試験での不正である、こうなるとどこまでが信用できるのか分からない。


医者に成る為に、医大に裏口入学をするなどという話は昔から耳にしたものだが、医師の国家試験に金品で便宜をはかったという話は聞いたことが無い。
教師の世界ではあるようなのだ、しかも以前からあったというのである。
2008年7月8日
asahi.comによると、

大分県の小学校教員の採用を巡る汚職事件で県教育委員会の義務教育課参事、江藤勝由容疑者(52)が収賄容疑で再逮捕された。
調べに対し江藤容疑者は、”今年度の教員採用試験では、上層部に約20人を合格させるように依頼されて、約15人に加点した”ことを供述している。
同県の今年度の小学校教員の採用試験は1次試験に472人、2次試験に117人が受験した。最終的に合格者は41人で口利きがあった者はその半数近くとなる。

すでに贈賄罪で起訴されている、佐伯市立蒲江小学校長、浅利幾美被告(52)は江藤容疑者に同試験で長男長女を合格させるようにと、現金など計400万円相当を渡したという。長男長女は合格して今年4月から教師をしている。
不正を行われて迷惑なのは、長男長女なのかもしれない、長女に至っては加点せずに合格したというのだ。事件が発覚し辛い立場であろう。

今回の採用試験では1次と2次試験の合計点は1000点で、合格ラインは620点だった。江藤容疑者が1次試験の結果を上層部にみせると、約20人に印をつけて「合格ラインに入れろ」と指示されたという。
100点以上水増しした者も2人いて、実際には400点台なのに合格した者もいるということだ。

上層部はさらに、不正採用発覚を警戒して全体の平均点が高くなりすぎないようにと、合格ラインを上回っていた約10人の点数を減点して調整することも指示したという手の込み様なのだ。

江藤容疑者は
「この年の採用試験では、上層部から縁故のない受験者にも配慮してくれと指示された。以前はもっと縁故採用が多かった」
と不正が定着していることを話している。

昨夜のテレビニュースで、逮捕前の県教委の上司がインタビューを受ける場面が流れた。
「そのようなことはやってない」
「決してあってはならないことですね」
と話していた。

丁度その前の時間帯にドラマ「CHANGE」を見たのだが、キムタク演じる朝倉総理から、収賄容疑に関して事実を確認された8人の内閣議員が、口をそろえて
「決してそのようなことはやっていません」
と言っていたのとかぶってしまった。
ドラマとはいえ、現実性を重視したシーンだけに心に残っていたのだ。

まったく、何を信じていいのかわからない世の中になった。
ドラマの中の朝倉総理のいうように
「必要な悪があるなんて、子どもには教えたくない」
くらいの極論も言いたくなるケジメのなさである。

(編集部:TAKESHI)