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株式投資のデイトレードに経済的効果はあるのか

株式投資のデイトレードに経済的効果はあるのか
 第10回の投機資金の生い立ちの中で、「投機資金はゼロサムゲーム」と書きましたが、株式のデイトレはどうなのでしょうか?株式投資の経済的な付加価値から立ち返って考えて見ましょう。(バックナンバーはこちら

■株式投資の付加価値

 企業の成長に投資する方法は2つあります。1つは「債権」、つまり資金を貸すことと、もう1つは「出資」、つまり株式を買うことです。これらの違いは何でしょうか。
精算時の資金返済順位の違い

 まず、資金の返済順位が違います。会社が立ち行かなくなって会社を清算する時、会社の保有する資産はまず債権保有者に分配されます。分配後に資産が残った場合、株主に配分されます。つまり、会社の清算時、株主にお金の返ってくる確率は、債権保有者と比較して低くなります。
利益配分の違い

 次に利益の配分が異なります。債権保有者への支払いは最初に決めて、満期を迎えるまでその条件で固定となります。一方、株主への配当は天井知らずとなります。債権保有者への支払いを済ませた後、利益の範囲内でいくらでも支払うことが可能です。

 また、株主への利益には「レバレッジ」の効果が加わります。「自分の出資金+借入れたお金」を元手にビジネスを行うことで、より大きな利益を手にすることができます。
議決権の有無

 株主には議決権があります。株主は会社の出資者であり、会社の経営に直接かかわることができます。社長を解任することも、自分が社長になることもできます。一方債権保有者は、単にお金を貸している「社外の人」に過ぎません。
リスクを取る人への応援

 理論的な話とは別の観点では、企業家などのリスクを取る人を支援するという意味があります。新規事業を立ち上げ生産性を上げ事業を大きくすること、そこへ資金が配分されること、これこそが経済成長の原点だと思います。
リスク・リターンの違い

 株式投資は多くの利益の配分を得る可能性がある一方、出資金をすべて失う可能性があり、リスク・リターンが債権と比較して高くなります。また、債権は期間が有限なのに対し、株式は投資期間が無期限となります。これにより、株式の評価は債権の評価より格段に難しいものとなります。

 一般的には、株式への投資のリターンは、同リスクの債権への投資よりリターンが高くなると言われています。株主は、「議決権を持つ」プレミアムを支払う一方、倒産リスクを受け持ちレバレッジをかけることにより、債権保有者より高いリスク・リターンを得ることができます。
株式市場投資は経済全体の成長への投資

 現在の株価は、足元と将来の企業の利益・配当に加え、倒産リスクの大きさを要素に含んでいます。企業が成長し利益・配当が増えると共に、企業規模が拡大し倒産リスクが小さくなることが株式価値を押し上げます。

 つまり、株式市場全体に投資を行うことは、市場が属する経済全体の利益と規模の成長に投資を行うことになります。これがいわゆるインデックス投資です。インデックス投資には、CAPM理論での「リスク資産の集合体」の代替という意味合いもありますが、これはまた別の回にご紹介したいと思います。

 さて次に株式デイトレの価値について考えてみましょう。(次ページへ続く)


課長 今調査役[著]

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