夢と現実とのギャップにとまどう学生たち
2008年07月07日06時42分 / 提供:PJ
先日、都内某大学で、青少年討論会(ディベート選手権)が開催され、審査員の1人として出席をした。テーマは「夢を選ぶか、現実を選ぶか」とあって、案の定、激論となった。大学生には避けては通れないテーマだけにいろんな意見が繰り広げられた。
中でも多かったのが、「夢を追いかけるなんてできない。しょせんはきれいごとだ。親は公務員になれと言ってくる。私も親に学費や生活費を払ってもらっている引け目があるから、両親の意見を反映して就職活動をやった。けど、やりたいことが見つからなかった。4年生の後半になって、あせって何社か受けて内定が取れたが、やっぱりやりたいことが見つからなくて困っている」という内容だった。
N大学の学生は、こう発言した。「高校時代に国連の職員を目指し、大学で国際系の学部を専攻した。しかし、いろんな現実に打ちのめされて、結果としては夢をあきらめることになった。だが、後悔はぬぐいきれない。かといって、すべてを捨てて夢に挑戦する気力もない」。その意見に対して、審査員の一人から次のような質問があった。
「大学4年間で、いくらでも時間はあったでしょ? もう少し世間を見るべきだった。大学生なんて、時間余ってるでしょ、夢を追いかける気迫を持つべきではないか。なぜ頭で考えて、行動に移せないのかな?」。
その問いかけに、R大の学生が猛反論を繰り広げた。「大学生が暇だなんて思っているのは間違いだ! 大学生は研究室やバイトで忙しいし、自分と向き合う時間なんて少ない。気がつかないうちに、あっという間に時間が過ぎていくんだ。現実と向き合う機会が自然に増える。だんだんとギャップに戸惑う。それでもあなたは夢を追いかけろと、無責任な発言ができますか?」。
その時、審査員一人が答えた。「あなたが生まれてきた意味って考えたことある? 生まれてきたことは、誰もが運命で、意味があるの。自分以外のすべてを否定しようとは思わないで。自分以外の価値観を共感できるようにならなくちゃ」。
私はその時まで、生まれてきた意味なんて考えたことなかった。この世にはいろんな職業があって、社会を支えている。この世に無駄な職業なんてないのだという話に心が動かされた。
社会に出て働く、社会人になるということは、大きな精神的、肉体的負担を伴う。しかし、同時に大きな社会貢献に参加し、労働の対価として報酬を得るという使命感もある。仕事にやりがいを見つけることは、そう簡単なことではない。現実にいまの職場や仕事に不満を持ちながらも、職務に従事している人は多い。自分を変えようと思いつつも、そういった時間が取れない、転職する勇気がない人が多い。これは現実問題として難しいことだ。
「たった一度の人生、楽しく有意義に」なんて、誰もが頭の中では理解していること。なのに、実行できている人は意外に少ない。大会を見学していた一人は、「中高を無意味に過ごして、目標が見つからないまま、とりあえず大学に進学して、大学でも結局何も見つけられずに、とりあえず入れる会社に就職して、なんて人の方が多そうですね。仕事してるうちに何かを見つけられれば良いでしょうが、何も見つけられなければ、定年を迎えた挙げ句に何もやることが無くて"生ける屍(しかばね)"になるのがオチでしょう」とコメントされた。
国連が「幸福度指数」を統計化しようとする動きが出てきた。恋愛や仕事、家庭などの幸福度を点数化し、国ごとにランクをつけるものだ。日本はモノに恵まれて幸福なはずなのに、家庭内暴力や夫からの暴力、教育現場の崩壊などで不幸せを訴える人が多い。
若者に希望を与えることができる日本にするためには、どうすれば良いのだろうか。この夜の懇親会でも、議論に花が咲いたことは言うまでもない。【了】
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中でも多かったのが、「夢を追いかけるなんてできない。しょせんはきれいごとだ。親は公務員になれと言ってくる。私も親に学費や生活費を払ってもらっている引け目があるから、両親の意見を反映して就職活動をやった。けど、やりたいことが見つからなかった。4年生の後半になって、あせって何社か受けて内定が取れたが、やっぱりやりたいことが見つからなくて困っている」という内容だった。
N大学の学生は、こう発言した。「高校時代に国連の職員を目指し、大学で国際系の学部を専攻した。しかし、いろんな現実に打ちのめされて、結果としては夢をあきらめることになった。だが、後悔はぬぐいきれない。かといって、すべてを捨てて夢に挑戦する気力もない」。その意見に対して、審査員の一人から次のような質問があった。
「大学4年間で、いくらでも時間はあったでしょ? もう少し世間を見るべきだった。大学生なんて、時間余ってるでしょ、夢を追いかける気迫を持つべきではないか。なぜ頭で考えて、行動に移せないのかな?」。
その問いかけに、R大の学生が猛反論を繰り広げた。「大学生が暇だなんて思っているのは間違いだ! 大学生は研究室やバイトで忙しいし、自分と向き合う時間なんて少ない。気がつかないうちに、あっという間に時間が過ぎていくんだ。現実と向き合う機会が自然に増える。だんだんとギャップに戸惑う。それでもあなたは夢を追いかけろと、無責任な発言ができますか?」。
その時、審査員一人が答えた。「あなたが生まれてきた意味って考えたことある? 生まれてきたことは、誰もが運命で、意味があるの。自分以外のすべてを否定しようとは思わないで。自分以外の価値観を共感できるようにならなくちゃ」。
私はその時まで、生まれてきた意味なんて考えたことなかった。この世にはいろんな職業があって、社会を支えている。この世に無駄な職業なんてないのだという話に心が動かされた。
社会に出て働く、社会人になるということは、大きな精神的、肉体的負担を伴う。しかし、同時に大きな社会貢献に参加し、労働の対価として報酬を得るという使命感もある。仕事にやりがいを見つけることは、そう簡単なことではない。現実にいまの職場や仕事に不満を持ちながらも、職務に従事している人は多い。自分を変えようと思いつつも、そういった時間が取れない、転職する勇気がない人が多い。これは現実問題として難しいことだ。
「たった一度の人生、楽しく有意義に」なんて、誰もが頭の中では理解していること。なのに、実行できている人は意外に少ない。大会を見学していた一人は、「中高を無意味に過ごして、目標が見つからないまま、とりあえず大学に進学して、大学でも結局何も見つけられずに、とりあえず入れる会社に就職して、なんて人の方が多そうですね。仕事してるうちに何かを見つけられれば良いでしょうが、何も見つけられなければ、定年を迎えた挙げ句に何もやることが無くて"生ける屍(しかばね)"になるのがオチでしょう」とコメントされた。
国連が「幸福度指数」を統計化しようとする動きが出てきた。恋愛や仕事、家庭などの幸福度を点数化し、国ごとにランクをつけるものだ。日本はモノに恵まれて幸福なはずなのに、家庭内暴力や夫からの暴力、教育現場の崩壊などで不幸せを訴える人が多い。
若者に希望を与えることができる日本にするためには、どうすれば良いのだろうか。この夜の懇親会でも、議論に花が咲いたことは言うまでもない。【了】
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 上杉 幸徳
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