――先日の試合が3度目のUFCの試合でした。初戦のクレイ・グィダ戦の判定負け、そして二戦目のTKO勝ち。4月の試合ではようやくオクタゴンに慣れたのか、アウレリオ選手らしい動きができたように見えました。

「そうだね、ケージでも十分に戦えるようになったと思う。最初のUFCはケージかリングかというだけでなく、日本とUFCの違いに戸惑ってしまい、それがファイトにも悪影響を与えてしまっていた。

日本で戦っているとき、観客席は試合に集中していたし、実際にファンが何かを叫んでも、それは僕には理解のできない言葉だった。それに日本にはキャットウォークがあり、リングに上がるまでに集中力を高めることができたんだ。

それがUFCで戦ってみると、観客席の相手を歩いてオクタゴンへ向かう。そのときにファンが体に触れてきて、叩くような輩もいる。彼らが話しかけてくる言葉が英語だから、何をいっているか分かるし、本当に戸惑ってしまったんだ。

『ぶち殺せ』だとか、『キック・ヒズ・○ス』だとか、僕が戦いに対して持っているイメージとは、全く違う言葉が頭の上から伸し掛かってきた。完全に集中力を失くしてしまったんだ。『なんだろう?この雰囲気は』ってね。

言い訳はしたくない。敗北は敗北、僕はグィダに負けた。あの夜、彼は僕より強かったんだ。ただし、あの試合の僕は本当の僕じゃない。クレイは本当に気持ちが良い奴で、僕らは友人のように話せる仲になったけど、もう一度彼と戦って、本当のマーカス・アウレリオを見せたいんだ」

――7月5日のタイソン・グリフィン戦で、アウレリオ選手が勝利すれば、ある意味、グィダ戦の敗北を払拭できるのではないですか。

「タイソンはタフ・ファイターだ。確かにクレイにも勝っている。そして、その勝利を含め、彼の勝ち方はいつも判定勝ちだ。微妙な判定勝ちも多いし、それだけ厳しい戦いで勝利を収める術を持っていると言えないこともないけど、クレイとの試合は、クレイの勝ちに見えた。そういう試合も多い。

とにかくコンディショニングに優れたファイターで、体力、爆発力が凄いね。あとはパンチ力、テイクダウンを避ける能力も特筆すべきものを持っている。とてもハングリーなファイターだよ。

ただし、テクニカルではない。僕は今、彼と同じように凄くハングリーだよ。コンディショニングだって、彼に負けないぐらい充実したトレーニングを積んでいる。試合中にガス欠することもないし、スタンドで倒すパンチも身につけた。

そして、グラウンドになればどこからでも彼を極める力を持っている。彼に対して劣る部分はない」

――UFCライト級の充実ぶりは凄いものがあります。一つの敗北が、タイトルショットを限りなく遠くしてしまいます。タイトルを狙う者であれば、絶対に落とせない試合です。

「その通りだ。タイトルショットにより近づくためにも、ここでは負けられない。今の僕の目標はUFCの世界王座、だから敗北は許されないし、タイソン・グリフィンに僕が負けることはない。タイソンに限らず、タイトルを取るためには誰にも負けられないんだ。だから、僕は誰とでも戦うし、誰と戦っても負けることはない」

――確かな事実として、8月に戦うケニー・フロリアンとロジャー・フエルタの勝者は、アウレリオ選手より先に王座挑戦の機会が与えられそうですが。

「2人とも強いけど、フロリアンが勝つだろう。彼には穴がない。ロジャーは気持ちのこもった試合ができる素晴らしい選手だ。一発のパンチで試合をフィニッシュできる。

ただし、彼もテクニカルな選手ではないんだ。フロリアンはテクニシャンで、柔術を理解している。ストライキングも問題ないし、フロリアンが勝つだろう」

『BJと戦い、ゴミと日本のファンの前で決着をつけたい』
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