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モノづくり魂の風土で、年に12億個を多品種生産!小松ばね工業(株)=東京(上)

モノづくり魂の風土で、年に12億個を多品種生産!小松ばね工業(株)=東京(上)
展示会に出て得意先など来場者のニーズ把握に努める小松ばね工業(株)の小松節子社長(中央)。大田区産業プラザPIO「おおた工業フェアー」より。(撮影:伊藤昭一、2月15日) 写真一覧(2件)
【PJ 2008年07月03日】− 日本でも指折りの精密バネメーカー、小松ばね工業(株)(東京・大田区)のバネは、生活に身近な、あらゆる機器に使われている。例えばPCキーボード、フロッピーディスク、カメラシャッターの各部、ズームレンズの戻し、目覚ましや掛け時計の電池バネなどがそうだ。《参照:小松ばね工業(株)HP

 まだある。携帯電話の二つ折り、ボタン、胃カメラのグラスファイバー補強ばね、万歩計磁石保持、血圧計電池バネ、自動車、オートバイのキャブレター、ブレーキのスイッチなど、年間3000種類、総個数約12億個を生産する。これだけ多品種多量なのは、ほとんどがユーザーの特殊なニーズに対応する注文生産だからだ。

 小松節子社長(68)は2代目社長である。父親が創業した会社を承継した。当時、専業主婦をしていて、結婚前にも後にも、ビジネスには縁がなかった。経営者の父親が急逝、株を相続したため、名前だけでいいと社長に選任された。そのうちに、会社の業績が悪化してきた。そこで、責任を取る立場に目覚めさせられた。人まかせをやめ、全力で経営に取り組む決心をした。それでダメなら諦(あきら)めがつくと思い、経営に全力を挙げ、かえって業容を拡大させてきた。

 平成17年にNHK連続テレビ小説「ファイト」が放送された。内容は群馬県高崎市にあるバネ工場を舞台としていた。だが、仕事場の撮影に使われたのは、大田区の同社の工場である。スタジオに設備を運び込んだこともある。ばねの製作に関しては、長い歴史を持つだけに、ドラマでの舞台の小道具など、歴史考証にもアドバイスをするなど、制作の裏方として、貴重なキャリアが役立てられている。

 精密バネは一品モノから3000万個まで生産する。半導体検査器具向けなどは、直径0.03ミリのスプリングを外形0.138ミリに巻くという微細なものもある。つくり方は、まず大きく巻かれた細いワイヤを機械に通す。それが、一定の長さになると切れるようにする。下に転がり落ちたものを赤外線装置で検査し、不良品をはじく。その条件は注文された条件よりも厳しい基準にしてある。

 それだから、客先から「小松のバネは、組み立てが楽だ」という品質管理の良さが評判になる。このような仕事は、市販のマシン設定そのままでは不可能だ。注文ごとに、大きさ、形、強度、弾力性などを検討し、それに合った独自の工具の設定を工夫する。工夫に熟練を要し、それがノウハウとなっている。これらの性能をもつマシンを製作していたら膨大な設備投資が必要となってしまう。

 高品質でコストを抑える。これを実現するために、知恵と発想の転換が常に求められている。現在、そうした状況に対応できそうな若手の社員を募集している。特に「品質管理部と営業部の強化をしたい」(小松社長)という。モノづくりの精神を学び、社員がスキルアップできる雰囲気づくりには力を入れている。【つづく】

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パブリック・ジャーナリスト 伊藤 昭一【 東京都 】
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小松ばね工業(株)の精密ばね製品。大田区産業プラザPIOでの「
   
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