『神曲』はダンテ版『デスノート』? 痛快文学論『世界の電波男』発売

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 “自由恋愛市場”の敗者として蔑まれるオタクの救世主『電波男』(三才ブックス)が帰ってきた! 著者・本田透氏が、「萌え」の力によって、オタクは(脳内)恋愛の勝者になると宣言して注目を浴びた前著。第二弾は、古今東西の名作文学・映画を取り上げた文学論だ。その名も『世界の電波男』。

 もちろん、ありきたりの文学紹介本ではない。全編にわたり、三次元(現実社会)でモテない男=喪男の逆ギレ気味のツッコミが展開。本田氏は、「古代ギリシャ、近代ヨーロッパ、現代の秋葉原はすべて同列」だという。有史以来、喪男たちの妄想が物語を生み出し、それこそが悩める個人を救い、文明を創る原動力になってきたのだ!

「物語作家の最高峰、手塚治虫の『火の鳥』を取り上げるために、350ページも前置きを書いたような本です。権威ある古典を並べたのは、『しょせんアキバ系でしょ』という批判を封じるため。ロボット萌えとか虫萌えとか、いきなり書いてもわかってもらえないですからね」(本田氏)

 つまり、『新約聖書』『神曲』『罪と罰』などの名だたる作品を、『火の鳥』の前座扱いにした、痛快すぎる文学論なのだ。ライトノベル作家でもある本田氏は、殺伐としたこの時代にこそ、新しい物語を紡ぐべきだと語る。

「でも、結論ありきではダメ。ドストエフスキーのように、思いつきでキャラを動かしているうちに物語は生まれます。21世紀型の手塚治虫の登場を待ってます」(同)

 待ってるなんて言わないで、ぜひご自分で21世紀の手塚型小説を書いてください!
(大宮冬洋)

「世界の電波男」
「凝り性な担当編集&作家コンビなので、作るのに3年かかってしまいました……」と本田氏が自身のHPで振り返る本作。表紙の女の子は、本田氏の小説『イマジン秘蹟(サクラメント)』シリーズに登場するキャラクター。発行/三才ブックス 価格/1500円(税込)

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