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言論が危ない! 『少年は殺人者でなかった』(6)

2008年06月30日07時47分 / 提供:PJ

pj
言論が危ない! 『少年は殺人者でなかった』(6)
民主主義の根幹である「言論の自由」が脅かされつつある。当事者たちが生の声を届ける。東京・大手町サンケイプラザの会場は満員。(撮影:穂高健一、13日)
(5)からのつづき。語り手は鑑定医の崎濱盛三さん、聞き手は吉岡忍さん(作家)。

吉岡 草薙厚子著『ぼくはパパを殺すことに決めた』(講談社)を読まれた、率直な印象を聞かせてください。

崎濱 最初に帯を見た印象ですと、受験戦争で疲れ果てて、その影響で、殺してしまったみたいな、全然、発達障害の問題とは関係ない。これはまずいんじゃないか、と思いました。あとは表紙に、少年が書いたタイムスケジュールが載っていました。これは私が、(ジャーナリストに)渡したものかな? と思いながら、考えていました。

 内容を読んだら、少年のお父さんの暴力だけが際立ち、非常に誤解を与える本だな、という印象をもちました。 

吉岡 父親の暴力が激しかった。それに対抗するために、少年が火をつけたというのが、警察が描いた、調書のストーリーですね。崎濱さんの見方、診断では、そういう側面が少年にあったし、逃げたい気持ちもあった。しかし、殺そうという、殺意があって、放火をやったのではない。

 そこに広汎性発達障害がかかわってくる。この事件は特殊な例なのか。どこの家庭内でも起こり得るような、普遍的な例なのか。

 崎濱さんの見方に立てば、ある特殊な、個別的な例である、という主張になる。本の作り方『ぼくはパパを殺すことに決めた』(講談社)は、どこの家にでも起こりますよ、という見方ですよね。

 表題の見方自体で、内容ががらっと変わってくる。崎濱さんが調書をジャーナリストに見せた、教えた、話した、という目的や趣旨とはちがってきた。

崎濱 もちろん、そうです。私のところ(総合病院・精神科)にくる、不登校とか、広汎性発達障害を持っている子が多くいます。その子たちは事件とまったく関係ない。広汎性発達障害を持っているから、子どもたちの事件が起こるのか、というと、まったく関係ない。

 どんな事件でも、障害あるなしにかかわらず、いろいろな偶然が重なって事件が起きるものです。非常に不幸な偶然の重なりです。同著のように、『一般的にどこでも起こりえる』とか、『暴力、受験戦争に疲れ果てると、起こり得る』とすると、社会に与える影響がある。よくないことです。事件はやっぱり、すべて個別です。【つづく】

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記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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