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食品偽装に思う  かつての仕事を思い出し

【PJ 2008年06月30日】− 先日来食品偽装がまた相次いで発覚している。牛肉を偽って販売していた「丸明」は二転三転の末、偽装を認めた。また最近発覚した「神港魚類」の中国産ウナギの産地偽装の口止め工作などは悪質の極みである。

 これは以前に私自身が携わったことだ。99年ごろ失業していた私はある人の紹介で、アルバイトすることになった。準大手のトラック運送会社で支店長、子会社の副社長を歴任した方が、定年退職後に起業した小さな会社で主として運送にともなうさまざまな雑用を、現役時代のコネで請け負っていた。割に給料がよかったのでそれを元手に、また正業に就くができたのだが、その後も会社を実質的に仕切っていた社長の息子の専務に「会社が休みの時に手伝ってくれないか」といわれていた。私自身、専務に恩義を感じていたので月2、3回ぐらい土日に手伝っていた。

 02年のある日、その専務から「明日、急な仕事が入った。空(あ)いていないか?」と電話がかかってきた。仕事が、土曜の午後だったため暇だったこともあって行くことにした。そして指定された大阪市内の冷蔵倉庫へと何人かの同僚と待ち合わせて向かった。

 そして現場に入りクライアントの担当者と合流した。作業場には山積みされた真空バックのウナギの段ボール箱が、40枚ほどのパレットに積んであったと思う。そして担当者は「簡単なことだ。この箱のシールを全部これに入れ替えてくれ、給料は早く終わっても満額払うから」と言われた。シールは「浜名湖産ウナギ」と書いてあるシールを「おいしいウナギ」と書いてあるシールに入れ替えることだった。

 貼る前のシールなので入れ替えるだけでいいのであとは段ボールを貼り直すだけなので1時から6時までの予定が3時過ぎで作業が終わった。後日振り込まれた給料は内容の割にはよかったと思う。作業が終わって帰る車中で同僚と「あれ何だったんだろうな?」と噂(うわさ)しあった。

 実はその年の1月に西宮冷蔵の水谷社長が雪印食品の食肉偽装を内部告発する事件があり、その作業をする何日か前に報道特集番組で、不自然に安い浜名湖産ウナギの情報を受けて、取材したテレビ記者が販売会社の社長を問いつめると、顔と名前を出さないと言う条件で偽装を認めたのを見た。

 恐らく発覚する前に手を打ったのだろうか。偽造のもみ消しに手を染めたことになるのだろうが、まともな表示にしたので一連の偽装と比べたらまだマシなのかも知れない。

 食品偽装は内部告発などにより次々明るみに出るが後を絶たないのが現実だ。私が最初に就職した会社の上司は、入社したとき「魚は濁っていない水には住めない。魚屋でバイトしていたけど、古くてまずそうな魚をおいしそうな魚に見せる方法などいくらでも知っている」とビジネス上での嘘(うそ)、ごまかしは当然と言わんばかりだった。

 ただ今はコンプライアンスは会社にとって、利益以上に大事な時代になった。前出の上司も会社をクビになって、妙な商売を始めたと聞く。先日来のニュースでかつて、した仕事のことを思いだし食品表示の意味をあらためて思い起こした次第である。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 鈴木 義哉【 兵庫県 】
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