言論が危ない! 『少年は殺人者でなかった』(4)
2008年06月28日10時03分 / 提供:PJ
(3)からのつづき。シンポジウムで、奈良地検に逮捕、起訴された鑑定医の崎濱盛三さんが、聞き手の吉岡忍さん(作家)に応える。
崎濱 少年がこれから先、殺人者だ、というものを背負った人生となる。少年は、不幸にも亡くなられた、お母さん、弟さん、妹さんが大好きだった、『大好きなひとを殺した、その殺人者だ、として背負う人生』は、どんなものかな?それを考えたとき、身震いするような気持ちになりました。
鑑定医や医者としてよりも、人間として言わなければならない、ということでした。
いまから考えれば、この事件が裁判で、ひょっとしたら、殺人者ではないということが、世の中に伝わるかもしれない。あり得たかも知れません。
吉岡 確信はないわけですよね。
崎濱 まあ、そうです。
吉岡 私は仕事柄、鑑定書をたくさん見ています。鑑定書は一定の事実とか、生育歴とか、事件がどのように起きたとか、鑑定医が本人と会ってやり取りの、質問がなされる。こういう傾向とか、病状が診られるという判断がなされる。ジャーナリストには、この鑑定書だけを見せることも可能だったんですよね。(しかし、警察、検察の調書までみせた)。
崎濱 情報は多いほうが良いかな、と思いました。ジャーナリストの方が伝えるときに、材料や情報がたくさんあったほうがやりやすいとも、と考えました。それはより正確に伝えてもらうためです。
吉岡 奈良の放火事件はいまでこそ、少年が起した事件の概要も、プロセスはわかっている。供述調書がたくさん引用されたことから、大体の流れはわかります。事件が発生した当時は、ひどい少年がいて、とんでもない少年が火をつけて、家族を殺してしまった、という認識でしたよね。
崎濱 はい
吉岡 供述調書を見せる段階で、(講談社の書き手や編集者に)約束というものはどういうものでしたか。
崎濱 そこが難しいところです。(少年は殺人者でないと)、伝えないといけない、示したい。その気持ちがありながら、裁判所からの預かり物だから、そう簡単に見せられない。葛藤がありました。
一つひとつの確認、つまり事前にはチェックしますとか、コピーはしませんとか、そういう約束事ができてきました。そこで、だんだん見せてもいいかな、という方向に傾きました。もともと(少年への)想いがありましたから、見せることにしました。【つづく】
■関連情報
記者HP:穂高健一ワールド
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崎濱 少年がこれから先、殺人者だ、というものを背負った人生となる。少年は、不幸にも亡くなられた、お母さん、弟さん、妹さんが大好きだった、『大好きなひとを殺した、その殺人者だ、として背負う人生』は、どんなものかな?それを考えたとき、身震いするような気持ちになりました。
鑑定医や医者としてよりも、人間として言わなければならない、ということでした。
いまから考えれば、この事件が裁判で、ひょっとしたら、殺人者ではないということが、世の中に伝わるかもしれない。あり得たかも知れません。
吉岡 確信はないわけですよね。
崎濱 まあ、そうです。
吉岡 私は仕事柄、鑑定書をたくさん見ています。鑑定書は一定の事実とか、生育歴とか、事件がどのように起きたとか、鑑定医が本人と会ってやり取りの、質問がなされる。こういう傾向とか、病状が診られるという判断がなされる。ジャーナリストには、この鑑定書だけを見せることも可能だったんですよね。(しかし、警察、検察の調書までみせた)。
崎濱 情報は多いほうが良いかな、と思いました。ジャーナリストの方が伝えるときに、材料や情報がたくさんあったほうがやりやすいとも、と考えました。それはより正確に伝えてもらうためです。
吉岡 奈良の放火事件はいまでこそ、少年が起した事件の概要も、プロセスはわかっている。供述調書がたくさん引用されたことから、大体の流れはわかります。事件が発生した当時は、ひどい少年がいて、とんでもない少年が火をつけて、家族を殺してしまった、という認識でしたよね。
崎濱 はい
吉岡 供述調書を見せる段階で、(講談社の書き手や編集者に)約束というものはどういうものでしたか。
崎濱 そこが難しいところです。(少年は殺人者でないと)、伝えないといけない、示したい。その気持ちがありながら、裁判所からの預かり物だから、そう簡単に見せられない。葛藤がありました。
一つひとつの確認、つまり事前にはチェックしますとか、コピーはしませんとか、そういう約束事ができてきました。そこで、だんだん見せてもいいかな、という方向に傾きました。もともと(少年への)想いがありましたから、見せることにしました。【つづく】
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パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一
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