植草事件の真相封じたねつ造ブログ−−ネットも支配する情報操作の闇−−(中)
2008年06月26日06時21分 / 提供:PJ
(上)からのつづき。
ねつ造ブロガーを祭り上げるマスコミ
マスコミの最大の罪は、このブロガーを祭り上げたことだ。毎日新聞はインターネットサイト『毎日jp』で1月にY・M氏へのインタビュー記事を掲載している。「アルファブロガーに聞く〜第7回 ぐっちーさん」と題する企画記事で、「動機は『ある種の正義感』」との見出しを付けている。彼がブログを始めた動機について語った部分を受けたもの。
朝日新聞社は週刊誌『AERA』にY・M氏のコラムを掲載している。「MONEY ぐっちーさん◆ここだけの話」との題で、新年号からの連載である。産経新聞は5月5日のインターネット版に「政界混迷で注目浴びる『ネット政談』 人気ブロガー『やってられないわ』断筆宣言」との記事を掲載。3人の人気ブロガーの1人として、Y・M氏を紹介している。「礼儀を知らない読者の非常識が『優良な書き手を駆逐していく』と慨嘆しており、『ぐっちーブログもそろそろ』と漏らす」と彼の見解を取り上げている。
また、毎日新聞のインタビューによれば、Y・M氏はテレビ東京にも2年ほど前から出演しているという。無数にいるブロガーの中から、虚偽の情報を流す人物を選んでいる。
5月26日、福島中央テレビのアナウンサーが同社のホームページにY・M氏のブログの記述を盗用していた事件が報じられた。盗用したアナは2カ月の懲戒休職と職場変更の処分を受けた。このニュースは各マスメディアが扱ったが、Y・M氏が加害者となっているねつ造事件は無視している。一人の人間の名誉を傷つけ、刑事裁判を不利にした問題は大きい。植草氏は自身のブログで「マスメディアの代表とも言える全国紙の毎日、産経、朝日の各新聞社は、この問題についてほおかむりをすることは許されないはずである」と責任を問う。
Y・M氏を持ち上げてきたマスコミは、この問題をどう考えているのか。『AERA』の尾木和晴編集長は電話取材に対し、「事実を確認していない。一人の作家がほかで問題になっているわけで、AERAで問題が起きているわけではない。事態の推移を見守りたい」と答えた。Y・M氏へ働きかけや読者への説明の意志を尋ねると、「読者から問い合わせは来ていないし、植草氏からも正式な説明を求められていない」と静観の構えだ。
毎日新聞のネット記事でY・M氏にインタビューした磯野彰彦デジタルメディア局次長は、自身のブログ『竹橋発』で今回の疑惑について本人に問い合わせたと書く。磯野氏は同社で筆者の取材に応じた。記事でこのブロガーを紹介した責任について「1月に取材した後、批判もなかった。ただ、もう少しブログによく目を通して調べるべきだった」と話した。
ねつ造の事実を認めるかとの質問には「わたしのブログに書いた通り」とし、「疑惑について否定する材料を得られなかった」と答えた。Y・M氏がねつ造の事実を認めているかどうかについては「ねつ造ということは認めなかった。ただし、書きすぎた点はあり、(植草氏の)弁護士には陳謝したような印象を持った」と吐露した。今後、Y・M氏に働き掛ける予定について尋ねると、「あとは、ぐっちーさんが自分のブログで説明すべきだと思う」との見解を示した。
産経新聞は記事の責任をどう考えるかとの6月12日の問いに対し、23日になっても「どの部署の誰が執筆したのか分からない状態で、目下調査中」のままである。
周到なネット工作の影
Y・M氏はなぜ、調べれば簡単に分かるようなうそをついたのか。そこにはネットを利用した情報工作の影がちらつく。テレビや新聞が電波の許認可や記者クラブ制などを通して権力側の情報しか流さないのはご覧の通りである。一貫して外国の要求に沿う世論をつくってきた。情報操作の手は既存マスメディアにとどまらない。自民党は「郵政選挙」を目前にした2005年8月と後の11月、著名ブロガーやメルマガ作成者を招いた懇親会を開いた。最初の会合には約100人に招待メールを出し、33人が参加している。自民党からは武部勤幹事長と広報部長代理の世耕弘成参議院議員が出席した。
その後の動きは公表されていないが、ネット上には連絡を取っていることを打ち明ける書き込みもある。そのため、ネット上には「チーム世耕」という言葉が流通している。ブログでの世論誘導や「2ちゃんねる」での書き込み工作に組織的に従事する集団を指す。
真偽のほどは分からないが、工作を疑わせる現象は無数に指摘されている。例えば、自民党を擁護するニュース記事がわずか40分間に120を超えるブログに一斉に掲載され、ある時間に一気に削除された。メールや掲示板の書き込み業務の求人も出ている。こうした「闇のバイト」に従事した人の体験談も紹介されている。事実、2006年9月の植草事件直後には、植草氏を中傷するためだけのサイトが幾つも作られた。『AAA植草一秀氏を応援するブログAAA』そっくりのダミーサイトまで出現し、植草氏と支援者を罵倒(ばとう)し続けた。「2ちゃんねる」のそれぞれのスレッドには植草氏を「クロ」と決めつける執拗(しつよう)な書き込み人が居座った。国際評論家小野寺光一のメールマガジン『政治経済の真実』は、2006年事件の公判開始前に次のような書き込みが存在したことを指摘している。
「植草関連のスレに対しては、特に12月6日前後から12月20日前後にかけてウォッチして痴漢内容へ誘導してください。りそな・竹中などの政治経済ネタが出た場合はデタラメとコメントをするか痴漢の内容をコピペして対処してください」。
2006年12月6日は第1回公判、同年12月20日は第2回公判が開かれた。【つづく】
■関連記事
「植草一秀教授は無実だ」、検察が矛盾とわたしは見る
高橋清隆の文書館
■関連情報
植草一秀の『知られざる真実』
『知られざる真実−勾留地にて−』
ねつ造ブロガーを祭り上げるマスコミ
マスコミの最大の罪は、このブロガーを祭り上げたことだ。毎日新聞はインターネットサイト『毎日jp』で1月にY・M氏へのインタビュー記事を掲載している。「アルファブロガーに聞く〜第7回 ぐっちーさん」と題する企画記事で、「動機は『ある種の正義感』」との見出しを付けている。彼がブログを始めた動機について語った部分を受けたもの。
朝日新聞社は週刊誌『AERA』にY・M氏のコラムを掲載している。「MONEY ぐっちーさん◆ここだけの話」との題で、新年号からの連載である。産経新聞は5月5日のインターネット版に「政界混迷で注目浴びる『ネット政談』 人気ブロガー『やってられないわ』断筆宣言」との記事を掲載。3人の人気ブロガーの1人として、Y・M氏を紹介している。「礼儀を知らない読者の非常識が『優良な書き手を駆逐していく』と慨嘆しており、『ぐっちーブログもそろそろ』と漏らす」と彼の見解を取り上げている。
また、毎日新聞のインタビューによれば、Y・M氏はテレビ東京にも2年ほど前から出演しているという。無数にいるブロガーの中から、虚偽の情報を流す人物を選んでいる。
5月26日、福島中央テレビのアナウンサーが同社のホームページにY・M氏のブログの記述を盗用していた事件が報じられた。盗用したアナは2カ月の懲戒休職と職場変更の処分を受けた。このニュースは各マスメディアが扱ったが、Y・M氏が加害者となっているねつ造事件は無視している。一人の人間の名誉を傷つけ、刑事裁判を不利にした問題は大きい。植草氏は自身のブログで「マスメディアの代表とも言える全国紙の毎日、産経、朝日の各新聞社は、この問題についてほおかむりをすることは許されないはずである」と責任を問う。
Y・M氏を持ち上げてきたマスコミは、この問題をどう考えているのか。『AERA』の尾木和晴編集長は電話取材に対し、「事実を確認していない。一人の作家がほかで問題になっているわけで、AERAで問題が起きているわけではない。事態の推移を見守りたい」と答えた。Y・M氏へ働きかけや読者への説明の意志を尋ねると、「読者から問い合わせは来ていないし、植草氏からも正式な説明を求められていない」と静観の構えだ。
毎日新聞のネット記事でY・M氏にインタビューした磯野彰彦デジタルメディア局次長は、自身のブログ『竹橋発』で今回の疑惑について本人に問い合わせたと書く。磯野氏は同社で筆者の取材に応じた。記事でこのブロガーを紹介した責任について「1月に取材した後、批判もなかった。ただ、もう少しブログによく目を通して調べるべきだった」と話した。
ねつ造の事実を認めるかとの質問には「わたしのブログに書いた通り」とし、「疑惑について否定する材料を得られなかった」と答えた。Y・M氏がねつ造の事実を認めているかどうかについては「ねつ造ということは認めなかった。ただし、書きすぎた点はあり、(植草氏の)弁護士には陳謝したような印象を持った」と吐露した。今後、Y・M氏に働き掛ける予定について尋ねると、「あとは、ぐっちーさんが自分のブログで説明すべきだと思う」との見解を示した。
産経新聞は記事の責任をどう考えるかとの6月12日の問いに対し、23日になっても「どの部署の誰が執筆したのか分からない状態で、目下調査中」のままである。
周到なネット工作の影
Y・M氏はなぜ、調べれば簡単に分かるようなうそをついたのか。そこにはネットを利用した情報工作の影がちらつく。テレビや新聞が電波の許認可や記者クラブ制などを通して権力側の情報しか流さないのはご覧の通りである。一貫して外国の要求に沿う世論をつくってきた。情報操作の手は既存マスメディアにとどまらない。自民党は「郵政選挙」を目前にした2005年8月と後の11月、著名ブロガーやメルマガ作成者を招いた懇親会を開いた。最初の会合には約100人に招待メールを出し、33人が参加している。自民党からは武部勤幹事長と広報部長代理の世耕弘成参議院議員が出席した。
その後の動きは公表されていないが、ネット上には連絡を取っていることを打ち明ける書き込みもある。そのため、ネット上には「チーム世耕」という言葉が流通している。ブログでの世論誘導や「2ちゃんねる」での書き込み工作に組織的に従事する集団を指す。
真偽のほどは分からないが、工作を疑わせる現象は無数に指摘されている。例えば、自民党を擁護するニュース記事がわずか40分間に120を超えるブログに一斉に掲載され、ある時間に一気に削除された。メールや掲示板の書き込み業務の求人も出ている。こうした「闇のバイト」に従事した人の体験談も紹介されている。事実、2006年9月の植草事件直後には、植草氏を中傷するためだけのサイトが幾つも作られた。『AAA植草一秀氏を応援するブログAAA』そっくりのダミーサイトまで出現し、植草氏と支援者を罵倒(ばとう)し続けた。「2ちゃんねる」のそれぞれのスレッドには植草氏を「クロ」と決めつける執拗(しつよう)な書き込み人が居座った。国際評論家小野寺光一のメールマガジン『政治経済の真実』は、2006年事件の公判開始前に次のような書き込みが存在したことを指摘している。
「植草関連のスレに対しては、特に12月6日前後から12月20日前後にかけてウォッチして痴漢内容へ誘導してください。りそな・竹中などの政治経済ネタが出た場合はデタラメとコメントをするか痴漢の内容をコピペして対処してください」。
2006年12月6日は第1回公判、同年12月20日は第2回公判が開かれた。【つづく】
■関連記事
「植草一秀教授は無実だ」、検察が矛盾とわたしは見る
高橋清隆の文書館
■関連情報
植草一秀の『知られざる真実』
『知られざる真実−勾留地にて−』
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 高橋 清隆
Ads by Google
コメントするにはログインが必要です
関連ニュース:植草一秀
- 松井孝冶官房副長官は「名参謀」か「君側の奸」かゲンダイネット 10月10日10時00分
- 亀井氏は金融・郵政相として不適格なのか?ツカサネット新聞 09月28日13時54分
- ネタリスト(2009/08/04 11:10)植草元教授を収監ネタフル 08月04日11時07分
- 「私は自殺しない」と植草一秀元教授、収監で
PJ 08月04日08時11分(3) - 【書評】『売国者たちの末路--私たちは国家の暴力と闘う』副島隆彦・植草一秀(祥伝社)
PJ 07月07日08時21分
PJニュースアクセスランキング
- りそな銀行破たんでのインサイダー疑惑、亀井金融相が興味示す=PJ出席の「第二記者会見」で
PJ 07日08時30分 - ディズニーランド、埼玉県限定割引パスポート利用開始!
PJ 14日09時51分 - 映画「ITバブルと寝た女たち」主演女優・三津谷葉子さんインタビュー
PJ 28日04時59分 - 45種類ものふじの花が咲き誇る「ふじまつり」=群馬・藤岡
PJ 07日05時04分 - マリンタワー&氷川丸25日で営業終了=横浜
PJ 26日07時04分 - 防犯カメラがとらえた、ノゾキ魔の新しい手口 (上)
PJ 26日14時15分 - PJニュースが北朝鮮に訪問取材へ、「日朝友好なにわの翼2008」会に同行
PJ 02日08時16分 - 「私は企業機密を漏らしません!」退職時の誓約書はどれほど意味を持つ?PJ 14日05時21分(14)
- 「正直者がバカを見る」定期購読やめたら、日経本社から調査員が来た
PJ 09日08時07分(45) - 「コンドームつけて」言えない若者とエイズ問題(下)
PJ 01日09時43分
注目の情報
アフラックの代理店制度のご案内開業資金や経験はいりません!自宅を拠点に独立してみませんか。
開業前の研修充実。仕事はアフラックが全面的にバックアップします。
全国で1万8000人以上の方がイキイキと活躍しています。
代理店募集サイトが新オープン
主なトピックス
ネットリサーチ
- 民主「外国人参政権法案の今国会提出」賛成?
722 users
- 近所付き合いは必要だと思う?
669 users
- 政府「あっせんなければ天下り問題なし」納得できる?
1067 users
- 「官僚は大バカ」だと思う?
211 users
- 「燃費の悪い車は増税も」賛成?反対?
2537 users
- 官房機密費の使途非公開に納得できる?
1576 users
特集
ケータイでニュースを見る












行きの電車、帰りの電車で