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買収されたくなければ、上場などしなければいい

買収されたくなければ、上場などしなければいい
 敵対的買収をされるのがそんなに嫌なら上場しなければいいし、上場したからには経営者は株価を上げて企業価値を高めることが、最大の買収防止策になる。事実、資生堂やイーアクセスなど、自分の経営に自信のある経営者は一度導入した買収防衛策を引っ込めるそうだ。(バックナンバーはこちら

■経営者に投資する

 ほんの最近までは企業の総務担当者は、いかに株主総会を短く終わらせるかで出世が決まったものだ。

 そのために事前に総会屋や反社会的勢力とうまく折り合いをつけ、与党総会屋と社員株主が前列を占めて、議案が出されると間髪を入れず「賛成」「異議なし」と叫び、短い場合は十分足らずで終わり、30分以上もかかると担当者はたちまち左遷の憂き目になることも多かった。

 IRという言葉はあるにはあったが、IRなのかPRなのか区別も定かでないお座なりのIRでしかなかったし、コーポレートガバナンスやアカウンタビリティもまだ言葉だけが独り歩きし本来の意味が理解されていなかった感があった。

■日本の常識を引っくり返すケースも出てきた

 ところが拍手ですぐ終わるため、シャンシャン総会と呼ばれた日本的株主総会が、今年は大きく変わり始めた。

 好例がスティール・パートナーズに攻められていたアデランスの総会で、スティール・パートナーズが出席もしていなかったにもかかわらず、スティール案が他の日本の株主たちの賛同を得て可決され、社長以下役員のクビが吹っ飛ぶという、これまでの日本の常識を引っくり返すケースが出てきた。

 外資系のファンドに日本の個人投資家が勇気づけられたとも言えるだろう。 「物言わぬ株主」たちが「物を言う株主」へと変わり、経営が変わらざるを得なくなってきた。他にもJパーワーや空港ビルでは外資系株主と現経営陣がお互いに主張を繰り広げているし、その意味では経営の透明度が増してきたのはいい傾向である。

■会社は誰のもの?

 上場企業を英語ではパブリック・カンパニーと呼ぶように、企業は社会の公器であり、社長をはじめとする経営陣のものではない。(次ページへ続く)


三原 淳雄[著]

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