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【独女通信】「既女 vs 独女」、妖怪対決!

先日、居酒屋で飲んでいたときのこと。別席の50代と見られる男性が「40を過ぎて独身の女なんて、妖怪だ、妖怪」と大声で笑っていた。その場にいたアラフォー世代の女は私だけで、同席者はいっせいに私の方を見たあと、静かに目をそらすのだった。

微妙な空気の中、飲み会は解散となったが、「妖怪発言」が頭から離れない筆者。妖怪好きのライター仲間S子(38歳既婚)に愚痴ってみる。「そもそもさ。女の妖怪ってみんな既婚者じゃないの? 雪女とかさー」と言うと、S子が「そうでもないよ。独女もいっぱいいるよ」という。そこで、どんな妖怪がいるのか、ピックアップしてもらった。

天降女子(あもろうなぐ):男を妖艶に誘惑する天女。誘惑された男は命を奪われる。誘惑に屈せず睨みつけると助かる。
川姫(かわひめ):水車小屋のあたりに現われ、その美貌で男を魅了し精気を吸い取る妖怪。下を向いて息を殺すと助かるという。

なるほど、美貌で男を誘惑し、男を骨抜きにする妖怪か。これなら「妖怪」呼ばわりされても悪くない。と、思っていたら「いや、そんなんばかりでもない」とS子。

白粉婆(おしろいばば):ただ酒を求めて彷徨う厚化粧の婆。化粧がすごくヘタ。
倩兮女(けらけら女):真っ赤な口紅を塗った見た目40代の女の妖怪。ずっとけらけらわらっている。関わると自分も笑われる。

これは妖怪なんですか? ただそこらへんの飲み屋にいる女じゃないんですか?「これ、あんたのことでしょ」と笑うS子。大きなお世話だ。

おはぐろべったり:醜さゆえに結婚できなかった女の妖怪。無念のあまりお歯黒で現われ、通行人に墨を塗りつけることもあるという。

気持ちは痛いほどわかる。でも八つ当たりはいけないな。

いやや:美しさを鼻にかけ、縁談を「いやや」と断り続けているうちに、鬼に醜くされてしまった女。

美独女のみなさん、気をつけてください。

影女(かげおんな):ひとり暮らしの男のところにひっそりいる。
嘗女(なめおんな):男の体を嘗め回す妖怪。

これはもしかしたら、ただの「都合のいい女」のことなのでは?

濡れ女子(ぬれおなご):人を見ると笑いかけてきて、笑い返すと死ぬまで付きまとう。

これが一番恐い。ただのストーカーでは?

ここまで紹介されて、ふと思う。独女妖怪ってあんまり恐くない。誘惑系の美女妖怪と、最後のストーカーくらい。実際恐いのは既女妖怪の方じゃないのかと聞くと、S子は「既女妖怪も似たようなものだよ」とのこと。雪女みたいな美女妖怪はやはり誘惑系。結婚する前に殺すか、してから殺すかの違いとのことだ。では「誘惑&殺しちゃう」以外の、既女妖怪ってどんなのだろう。

二口女(ふたくちおんな):働きものの女性だと思って結婚すると、食料の減りがずいぶんと早い。実は後頭部に口があり、人の何倍も飯を食う。
高女(たかおんな):働き者の女房だが、実は体が伸びる女鬼。全身灰色の毛で覆われているが、井戸に身を浸すと美しい女になる。

上記妖怪は、ともに夫に逃げられる。「大食いくらいいいじゃないか。毛深いくらいいいじゃないか。働き者なんだから。ちゃんと処理するんだから」と息巻くS子。

寝肥(ねぶとり):結婚すると、寝っぱなし食べっぱなしで、みるみる太っていく女の妖怪。

・・・これ、ただの夫の愚痴でしょ。

妖怪妖怪というけど、実際は「女の恐いところ」を例えて言っているだけなのだという結論に達した。きっと居酒屋で語っていた男性は女の恐いところを見てしまったのだろう。彼が見たのは「誘惑系」か「ストーカー系」か。女としては、いくつになっても「誘惑系」妖怪を目指したいものだ。(オフィスエムツー/真鍋しまこ)
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