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【独女通信】父娘クッキングで一石三鳥を狙え!

【独女通信】父娘クッキングで一石三鳥を狙え!
両親の老後、特に父親が一人残された場合を不安に思う独女は多いのではないだろうか。結婚して家を離れるにせよ、独身で働き続けるにせよ、常に面倒が見られるとは限らない。せめて毎日キチンと食事を取ってくれれば安心なのだが、何せ相手は団塊の世代。「男子厨房に入るべからず」の精神を持つタイプの父親ならなおのこと、栄養管理が心配になる。

「それなら、今のうちに料理を覚えて貰おう!」我ながら何のヒネリもないアイデアだが、結果的に好感触だった“父娘クッキング”を独女の皆さんにもお薦めしたい。娘代表の私が感じたポイントを交え、我が家のカレー作りをモデルケースとしてレポートしよう。

メニュー選びのポイントは、父親が自信を付けられる簡単な物であること。上手く巻き込めるか否かのキーとなる誘い文句は、各ご家庭のお父さんの性格によって慎重に。我が家は「一緒にカレー作ろうよ。」でこと足りたが、思い出話を絡めた懐かしさで誘ったり、プライドを刺激したりするのも効果的かもしれない。仲良し母娘ばかりが取り沙汰される昨今、娘と二人で行動するのはまんざらでもない様子だ。

料理を覚える以前に、調理道具や調味料の場所、炊飯器の使い方など、知ってしまえば簡単に出来ることは沢山ある。乾いたスポンジほどグングン水を吸収するもの。この辺りの情報を頭に入れるだけで、まったく何もできない状態から確実に脱却してくれるはずだ。

料理初心者と向き合うにあたり、遠い記憶を振り返ってみた。材料を洗って切るだけのお手伝いは、正直言ってつまらなかった子供の頃の私。炒めたり、煮込んだり、いかにも「お料理」している自分を意識したかったものだ。幸か不幸か、外見も中身もそっくりな父娘。感覚も同じに違いないと判断し、牛肉に下味を付けて焼き目を入れる作業を任せてみたが、「塩コショウ少々」の曖昧さに立ち止まる父。この場合、経験に勝る学習はないだろう。

こちらで炒めていた玉ネギの様子を見せ、お肉投入のタイミングを目で覚えて貰う。その他の材料も炒め合わせたら、「水の量、どれくらいって書いてある?」と問いかけ、市販のカレールーの箱に書いてある料理手順をさり気なく見せる。普段なら目分量で済ませる所だが、「なんだ、ここに書いてある通りに作ればいいのか。」と気付かせるのが目的だ。

アク取りの段階では、「ジャガイモ、ちゃんと水に浸したからアクが少ないね。」と下準備の大切さを匂わせる。そのジャガイモを半分に割って煮え具合をチェックする時、顔を見合わせて「良さそうだね。」なんて、父親には嬉しいに違いないのだ。

腰に手を当てながら、ルーを入れた鍋をグルグルとかき回す後ろ姿。父なりに料理人でもイメージしているのかも知れないと思うと、微笑ましいではないか。さらに気分を盛り上げるために味見も大切。小皿に取ったカレーを父が一口、娘も一口。ここで頷きあえばジャガイモのシーン再び。もう一度言おう、父のあの顔は絶対に嬉しかったに違いない。

そうこうして父娘合作のカレーが出来上がった。時々おだてたりして何かと気を遣うのだが、それを補って余りあるメリットがあるはずだ。父は娘とのひとときを楽しみ、夕飯の支度から解放された母は喜ぶ。何より将来の父の食卓を案じる娘にとって、料理が出来るようになって行く父の姿は、ほんのちょっとだけ安心に繋がるのだ。(オフィスエムツー/矢島由紀子)
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