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【独女通信】おんな独りでバーを愉しむお勉強

【独女通信】おんな独りでバーを愉しむお勉強
たまには静かで落ち着いた雰囲気のバーでカクテルを飲んでみたい。けれどバーの先住権は男性にあるような気もするし、お酒の値段はお高め。カクテルの名前をよく知らないからオーダーしにくいなど、おんな独りで入るには、バーはまだまだ敷居が高い場所のような気がしてしまう。

しかし女性バーテンダーの数も増えている昨今、いつまでもバーを男性たちに独占させておく手はない。いざ出陣! とはいっても、営業時間外の昼間。あくまで取材です。

訪れたのは名古屋の繁華街にあるバー「ALBION」。女性バーテンダー高久保愛美さん(21歳)が、黙々とシェーカーを振る練習をしている。
バーで楽しむには指南役のバーテンダーと親しくなること。

まずは彼女の略歴を簡単に紹介したい。中学卒業後、ロシアに留学。帰国後、バレリーナ―となったが舞台の仕事は少なく、生活のため、バーテンダーのアルバイトを始める。当初は二足の草鞋を履いていたが、腰を悪くしてバレー団は退団。バーテンダーが本業となる。

「バレリーナ―になる夢は叶いましたから、今度は一流のバーテンダーになるのが夢です」

愛美さんに挫折感はない。一流を目指す愛美さんに居酒屋とバーのお酒の違いを聞いた。

「同じお酒でも、ジンとトニックのまぜ方。ライムの絞り方。同じ分量で同じお酒でも技術によって香りも味も変わってくるんです。居酒屋とうちのお酒を飲み比べてみてください」
バーテンダーが作るお酒の醍醐味を味わってほしいと力説する。

カクテルは、どうやって注文をすればいいのだろうか?

「お客様に合わせたカクテルを作るのが私の仕事です。普段どんなお酒を飲んでいられるか。アルコールにお強いかどうか。ここに来る前にどんな食事をしてこられたか。

食事はフレンチだったか和食だったか、その時のお客様の舌に合わせたカクテルを作ります」

カルテルの名前は知らなくても気にする必要はなさそうだ。
愛美さんのお得意なカクテルはギムレット。

「最初はカクテルの種類を覚えるのも大変でしたが、レシピを覚えるためにひたすら作りました。店でも練習をしていますが、自宅でも練習は欠かしません」
自宅ではシェーカーにお米を入れて振る練習をしているそうだ。

バーテンダーの修行は教科書でするものではない。技術は盗め。お酒の作り方から接客の仕方、人生観まで愛美さんは師匠を通じて学びとっている。師匠の木村俊文さん(オーナーバーテンダー)は、数々のバーテンダー技能コンクールで入賞経験もあり、世界大会にも出場された実力派。

「彼女には信念を持てと教えています。こんなバーテンダーになりたい。こんなカクテルを作りたい。ただなんとなく美味しいものが作りたいではだめなんです。信念を持たないと。そのためには基本が大切です」

お二人と話していて、バーテンダーという職種がいかに高いスキルを要求される技術職であるかを実感した。

バーのお酒は高いかもしれない。でも日々鍛錬している職人が作るお酒。技術料込みだと思えば、値段にも納得がいくのではないだろうか。
「バーの重い扉を気楽に開けてくれる女性が増えてほしいですね」と愛美さん。

仕事で疲れた夜、ふらりと立ち寄ったバーでバーテンダーと会話をしながら自分に合ったカクテルを作ってもらう。癒しでも励ましでも、頑張った自分へのご褒美でもいい。バーで飲むお酒が明日への活力となる。そんなバーでの楽しみ方を、独女たちにはぜひお勧めしたい。お酒が飲めなければ、ノンアルコールを頼めばいいのだし。(オフィスエムツー 佐枝せつこ)

■取材協力
ALBION Authentic(オーセンティックバー)
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