美術館で体感する「バガボンド」 井上雄彦「最後のマンガ展」

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   「スラムダンク」「リアル」などの超人気漫画を世に送り出してきた偉才、井上雄彦。彼のマンガが紙面に留まることなく、美術館という名の空間に飛び出していったとしたら、そこにはどんな世界が待っているのだろうか。「井上雄彦 最後のマンガ展」が2008年5月24日から7月6日まで、上野の森美術館(東京都台東区)で開催されている。

"最初で最後"の空間マンガ

   このマンガ展は、現在も執筆中のコミック「バガボンド」をモチーフに、井上雄彦が100点以上におよぶ肉筆画を書き下ろし一つの物語を完成させた「空間マンガ」だ。井上は本展の制作のために連載を一時中断し、その延長上にあるストーリーを美術館に描き上げた。

   主に和紙をキャンバスとして筆の持ち味をあますことなく活かし、また一つのコマを破格の大きさのパネルに仕立てるなど、作画への意欲と探究心に満ちたものになっている。

   それぞれの絵画が独立した作品であると同時に全体が一つの物語としてつながっているこのマンガ展。どのような会場設計がもっともストーリーを訴えることができるのか、井上はスタッフと意見を交わしながら、一つひとつを自らのアイデアで作り上げていったという。

「必然の出会いだったと思えます」

「初めて空間と対峙したときは、可能性がありすぎてちょっと途方に暮れたものですが、すべてを描き終えた今、これは必然の出会いだったと思えます」

と語る井上雄彦。この"最初で最後"になるであろう試みは、彼の「より本質に近いものを描きたい」という想いに溢れている。

   入場券は、日時が指定できる「平日特別ナイトチケット」と「週末日時指定チケット」、「平日チケット」「当日券」の4種類。前売りチケットは全国のチケットぴあで販売している。価格は「平日特別ナイトチケット」1800円など。

   開始から19日間の入場者数は約3万8000人と盛況で、特に週末は混雑しているという。上野の森美術館は「土日の前売りチケットは完売だと聞いていますので、平日のチケットを購入して来場されることをお勧めします」と話している。

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