[CNET Japan] 「10人に4人は見ていない」--危機感を抱くNHK
2008年06月13日16時18分 / 提供:CNET Japan
4月より総合テレビ24時台のゾーン編成を開始したNHK。「EYES」と銘打った同枠では、主に若者層をターゲットした番組を帯で編成しているほか、EYESの独自サイトを開設するなど様々なイメージ戦略を展開している。EYESに込められたNHKの狙いを、担当者である編成局(編成)副部長の村田直樹氏と編成局ソフト開発センターの追杉恭光氏に聞いた。
――EYESを始めた経緯について聞かせてください。
村田:率直に申し上げれば、若い人を中心にもっとNHKを見てもらいたいというの狙いがあります。
NHK放送文化研究所が2007年6月に実施した調査によると、NHK総合テレビへの視聴者接触率は59.1%。調査開始以来初めて6割を切りました。数値だけみるとそれなりの印象を受けますが、質問内容は「1週間で5分以上NHK総合を視聴したか」です。つまり、10人中4人は1週間に5分もNHKを視聴していない。NHKは、あまねく皆様から受信料をいただくビジネスモデルですから、これでは営業としても苦戦する状況なわけです。
また、この6割程度の接触者層も60歳代以降の高年齢者層に偏っていて、若年層の接触率はもっと厳しい。この状況を打破するためには、今までと同じことをやっていても仕方がない。何か新しい展開が必要であると考えたのがそもそものきっかけです。
――実際に取り入れた、新たな手法とは何でしょう。
村田:通常、NHKの番組は関連会社を含めたNHK内部で企画、制作されることがほとんどでした。今回、EYESの開始にあたって外部の制作プロダクションに門戸を開放し、幅広く番組内容の提案を受ける体制を整えています。
――ゾーン編成にブランド名をつけるというのもNHKとしては初ですよね。
村田:EYESに組み込んだ番組がすべてが新番組というわけではありませんが(表参照)、ブランド名をつけて一括りにすることでパッケージ感を持たせることができればと。EYES=まなざし、ということで、若者がNHKにまなざしを向けてくれるように、またNHK自身も若者にまなざしを向けていこう、という意味をこめています。
――24時台は民放が強い時間帯ですね。
村田:もともと、この時間は「NHKスペシャル」などの再放送に充てていて、それはそれでコアな視聴者層に受け入れられていたのですが、もっとシャープに視聴者層を絞っていこうということです。テレビ朝日をはじめ、民放各局が長い期間をかけて若者に支持される番組を育ててきた時間帯ですから、そう簡単にNHKが受け入れられるとは考えていません。もちろん、いつまでもダメというわけにはいきませんから、さまざまな手段で若者にリーチしていきたいと考えています。
――そのひとつがサイトの開設ということですか。
村田:そもそも若者のNHKへの接触率自体が低い状況で、放送で宣伝してもターゲット層にリーチできません。インターネットは若年層の親和性が高く、また放送とは異なるリーチが期待できます。
追杉:「固くて真面目」というNHK色をあえて廃して、あくまで「楽しそうなことをやっている」と思っていただくことが重要です。サウンド、モーショングラフィック、サイトデザインそれぞれに専門クリエイターに参加してもらい、こだわりを持ってとりくんでいます。
サウンドデザインはエレクトーン奏者のTUCKERさんが手がけました。それぞれの番組をアイコンで表現し、押すと異なる音が出るようにしています。クリックするごとに音が重なって音楽になる仕掛けです。機能を楽しみながら多くの番組情報にアクセスしていただくことが狙いです。
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