【最新ハイテク講座】悪者じゃない!Winnyやメッセで使われてる「P2P」は優れた技術
2008年06月14日09時00分 / 提供:ITライフハック
パソコンを使っている人の中には、仲間同士で情報を交換するために「MSNメッセンジャー」や「Yahoo!メッセンジャー」などのチャットソフトを使用している人も多いだろう。チャットソフトでは、「Peer to Peer(以下、P2P)」と呼ばれる通信技術を使用していることをご存じだろうか。
P2Pはチャットソフトだけにとどまらず、ユーザー同士であれば無料で使えるIP電話「Skype」や、情報漏えい問題などで話題になったファイル共有ソフト「Winny」にも利用されている。
そこで今回は、普段何気なく使用しているアプリケーションでごく当たり前のように使われているハイテク技術「P2P」についてみてみよう。
■P2Pの歴史とその技術
P2Pは、どのような仕組みで動作しているのだろうか。いつどのようにして生まれたのだろうか。わかりやすくまとめてみた。
●“P2P”とはどんな技術か
P2Pとは、コンピューターネットワークのひとつで、「ノード」と呼ばれるネットワーク上のコンピューター同士を接続するための技術だ。
コンピューターネットワークは、「サーバー」と呼ばれる何らかのサービスを提供するシステムと、サーバーのサービスを利用する「クライアント」から構成される、中央集中型のネットワークが一般的だ。
たとえば、WEBページを閲覧する場合、WEBページが入ったコンピューターが「サーバー」、パソコンが「クライアント」にあたる。
P2Pでは、それぞれのノードがサーバーとしてもクライアントとしても動作する集合体となっている。処理能力や転送速度、記憶容量などはコンピューターごとに異なるが、特定のリソースが特定のコンピューター(サーバー)に集中することがないので、コンピューターへの負担が少なく扱いやすいというメリットがある。
●世界初のP2Pは?
「P2P」が注目されはじめたのは最近の話だが、P2Pの技術自体はかなり昔から存在していた。
世界初のP2Pは1969年、米国国防総省高等研究計画局によって導入されたコンピューターネットワーク「ARPANET」とされている。ARPANETはネットワークの一部が損傷を受けても稼動するネットワークの構築を目的として開発され、すべてのコンピューターが対等な関係で相互通信できる。
その後、1979年に開発されたメールやニュースを配信する「USENET」、電子メッセージを交換するための「FidoNET」もP2Pの技術を利用したネットワークサービスのひとつだ。
●P2Pの種類と特徴
P2Pは、ネットワークの違いから「ピュアP2P」と「ハイブリッドP2P」の2種類に大別できる。
ピュアP2Pは、文字通りに純粋なP2Pで構成されたコンピューターネットワークだ。サーバーのように中心となるコンピューターが存在せず、それぞれのコンピューター同士が相互に通信を行っている。
一方ハイブリッドP2Pは、それぞれのコンピューター同士が相互に通信を行ってはいるが、そのコンピューターを管理するサーバーが存在する。サーバーは、セキュリティー上の認証やデーターのインデックス管理のみを行っており、データーの受け渡しはコンピューター同士が行っている。
●Winnyとは?
「Winny(ウィニー)」は、P2Pの技術を利用したファイル共有ソフト。元東京大学大学院情報理工学系研究科助手の金子勇氏によって開発された。金子勇氏は、開発を宣言した巨大掲示板「2ちゃんねる」のスレッドの番号から47氏とも呼ばれる。
Winnyの名前の由来は、開発当時にはやっていたファイル共有ソフト「WinMX」の次を目指す意味合いを込めて、「MX」のそれぞれのアルファベットをひとつ進めて「Winny」という名前になった。
Winnyは、P2Pで接続された複数のコンピューターにキャッシュを残す「転送機能」や、似たようなファイルを求めるノード同士を繋ぎやすくする「クラスタ機能」、通信の「暗号化機能」を備えていることから、「高い匿名性」と「効率のよいファイル共有」を実現している。
■P2Pが抱える問題
P2Pは個人レベルで便利に使える技術だが、いくつかの課題が残されているのも事実だ。P2Pが抱える問題をみてみよう。
●ファイル共有ソフトと法的問題
ファイル共通ソフトでは、著作権法や児童ポルノ規制法などに抵触するファイルが交換される危険性がある。とくにWinnyは、匿名性が高いことから違法なファイル交換を行う利用者数が急激に増えていった。
その結果、Winnyにまつわる逮捕者も出ている。京都府警察ハイテク犯罪対策室は2003年11月27日、著作権法違反の容疑でWinny利用者2名を逮捕した。またWinny開発者である金子勇氏は2004年5月9日、同事件の著作権侵害行為を幇助した容疑で逮捕されている。
●コンピューターウイルスによる情報流出問題
Winnyで流通するファイルに「Antinny」などのコンピューター・ウイルスを忍ばせ、そのファイルをダウンロードした人の個人情報をWinny経由でばらまくという事件は大きな社会問題となっている。
Winnyによる流出は個人情報だけにとどまらず、企業の内部情報、警視庁関係者による1万件以上の捜査情報、陸上・海上自衛隊の軍事機密、刑務所職員による被収容者情報など、本来あってはならない情報流出があとを絶たない。
P2Pの技術は、今日のIT社会で必要不可欠なハイテク技術だが、その技術を利用したアプリケーションの開発者や利用者の倫理観が問われる時代となってきている。
参考:
・Peer to Peer | Winny - ウィキペディア
・第1回 P2Pとはなにか - INTERNET Watch
・名古屋市消防局で2度目の情報流出、情報持ち出しやWinnyの利用止まらず - INTERNET Watch
・海上自衛隊の「秘」情報がWinnyで流出、防衛庁が調査を開始 - INTERNET Watch
・刑務所職員によるWinny漏洩、4施設3,380人分の被収容者情報の流出が判明 - INTERNET Watch
■こちらもオススメ!最新ハイテク講座 最新ニュース
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・レーザーマウスから指マウスまで!ハイテクマウスの最新事情
・もはや「ICカード」時代!急速に生活に入り込んだICカードのハイテク度
・全自動からオゾンの力まで!ハイテク洗濯機の最新事情
・ケータイにも採用!紙のように曲がる不思議なディスプレイ「電子ペーパー」
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P2Pはチャットソフトだけにとどまらず、ユーザー同士であれば無料で使えるIP電話「Skype」や、情報漏えい問題などで話題になったファイル共有ソフト「Winny」にも利用されている。
そこで今回は、普段何気なく使用しているアプリケーションでごく当たり前のように使われているハイテク技術「P2P」についてみてみよう。
■P2Pの歴史とその技術
P2Pは、どのような仕組みで動作しているのだろうか。いつどのようにして生まれたのだろうか。わかりやすくまとめてみた。
●“P2P”とはどんな技術か
P2Pとは、コンピューターネットワークのひとつで、「ノード」と呼ばれるネットワーク上のコンピューター同士を接続するための技術だ。
コンピューターネットワークは、「サーバー」と呼ばれる何らかのサービスを提供するシステムと、サーバーのサービスを利用する「クライアント」から構成される、中央集中型のネットワークが一般的だ。
たとえば、WEBページを閲覧する場合、WEBページが入ったコンピューターが「サーバー」、パソコンが「クライアント」にあたる。
P2Pでは、それぞれのノードがサーバーとしてもクライアントとしても動作する集合体となっている。処理能力や転送速度、記憶容量などはコンピューターごとに異なるが、特定のリソースが特定のコンピューター(サーバー)に集中することがないので、コンピューターへの負担が少なく扱いやすいというメリットがある。
●世界初のP2Pは?
「P2P」が注目されはじめたのは最近の話だが、P2Pの技術自体はかなり昔から存在していた。
世界初のP2Pは1969年、米国国防総省高等研究計画局によって導入されたコンピューターネットワーク「ARPANET」とされている。ARPANETはネットワークの一部が損傷を受けても稼動するネットワークの構築を目的として開発され、すべてのコンピューターが対等な関係で相互通信できる。
その後、1979年に開発されたメールやニュースを配信する「USENET」、電子メッセージを交換するための「FidoNET」もP2Pの技術を利用したネットワークサービスのひとつだ。
●P2Pの種類と特徴
P2Pは、ネットワークの違いから「ピュアP2P」と「ハイブリッドP2P」の2種類に大別できる。
ピュアP2Pは、文字通りに純粋なP2Pで構成されたコンピューターネットワークだ。サーバーのように中心となるコンピューターが存在せず、それぞれのコンピューター同士が相互に通信を行っている。
一方ハイブリッドP2Pは、それぞれのコンピューター同士が相互に通信を行ってはいるが、そのコンピューターを管理するサーバーが存在する。サーバーは、セキュリティー上の認証やデーターのインデックス管理のみを行っており、データーの受け渡しはコンピューター同士が行っている。
●Winnyとは?
「Winny(ウィニー)」は、P2Pの技術を利用したファイル共有ソフト。元東京大学大学院情報理工学系研究科助手の金子勇氏によって開発された。金子勇氏は、開発を宣言した巨大掲示板「2ちゃんねる」のスレッドの番号から47氏とも呼ばれる。
Winnyの名前の由来は、開発当時にはやっていたファイル共有ソフト「WinMX」の次を目指す意味合いを込めて、「MX」のそれぞれのアルファベットをひとつ進めて「Winny」という名前になった。
Winnyは、P2Pで接続された複数のコンピューターにキャッシュを残す「転送機能」や、似たようなファイルを求めるノード同士を繋ぎやすくする「クラスタ機能」、通信の「暗号化機能」を備えていることから、「高い匿名性」と「効率のよいファイル共有」を実現している。
■P2Pが抱える問題
P2Pは個人レベルで便利に使える技術だが、いくつかの課題が残されているのも事実だ。P2Pが抱える問題をみてみよう。
●ファイル共有ソフトと法的問題
ファイル共通ソフトでは、著作権法や児童ポルノ規制法などに抵触するファイルが交換される危険性がある。とくにWinnyは、匿名性が高いことから違法なファイル交換を行う利用者数が急激に増えていった。
その結果、Winnyにまつわる逮捕者も出ている。京都府警察ハイテク犯罪対策室は2003年11月27日、著作権法違反の容疑でWinny利用者2名を逮捕した。またWinny開発者である金子勇氏は2004年5月9日、同事件の著作権侵害行為を幇助した容疑で逮捕されている。
●コンピューターウイルスによる情報流出問題
Winnyで流通するファイルに「Antinny」などのコンピューター・ウイルスを忍ばせ、そのファイルをダウンロードした人の個人情報をWinny経由でばらまくという事件は大きな社会問題となっている。
Winnyによる流出は個人情報だけにとどまらず、企業の内部情報、警視庁関係者による1万件以上の捜査情報、陸上・海上自衛隊の軍事機密、刑務所職員による被収容者情報など、本来あってはならない情報流出があとを絶たない。
P2Pの技術は、今日のIT社会で必要不可欠なハイテク技術だが、その技術を利用したアプリケーションの開発者や利用者の倫理観が問われる時代となってきている。
参考:
・Peer to Peer | Winny - ウィキペディア
・第1回 P2Pとはなにか - INTERNET Watch
・名古屋市消防局で2度目の情報流出、情報持ち出しやWinnyの利用止まらず - INTERNET Watch
・海上自衛隊の「秘」情報がWinnyで流出、防衛庁が調査を開始 - INTERNET Watch
・刑務所職員によるWinny漏洩、4施設3,380人分の被収容者情報の流出が判明 - INTERNET Watch
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