公務員がバッシングされるネタのひとつに「公務員には残業がないからいいよなぁ」というのがある。
しかし、実際には、本当に多忙な職員は残業をしており、それは堂々と残業手当をもらってよいのであるが、そうでない職員も「残業」をしている。その実態をご紹介したい。

職員というより、公務員労組の発想なのであるが、「残業手当は生活費の一部で労働者の権利だ」という、およそ世間には通らない理屈が堂々とまかり通っているのである。

かつては、やってもいない残業に対するカラ残業手当の支給がされている官庁もあったが、さすがにそれは外部のバッシングと内部浄化努力でなくなりつつある。

代わって増えたのが「ヒマツブシ残業」である。ヒマツブシ残業の主体は、家に帰っても邪魔者扱いされるオヤジ世代である。彼らにとって帰宅は少しでも遅い方がよい。それならば、居酒屋で晩酌でもして帰ればよいようなものだが、それには金がかかる。

とにかく、退庁時間が過ぎても役所に残ってさえいれば、残業代は貰える。その結果、新聞を読んだりテレビニュースを見たりしながら、過ごしているのである。

さらに悪質なのは、勤務時間中にダラダラ仕事をして、退庁時間を過ぎてから突如熱心に仕事を始める職員である。これで大手を振って残業代を稼げるばかりか、仕事熱心な人と評価されたりする。

なんのことはない、勤務時間中にダラダラしているか、残業時間にダラダラしているかの違いだけである。
なにしろ税金で給料をもらっているから、身銭意識がない。

こういう公務員を猛省させるには、単に漠然と公務員バッシングをしているだけではダメである。「公務員の業務能率向上方策と人件費の削減効果」について、数字で示させて改善を促すよう、マスコミや議員に働きかける必要があるだろう。

某省庁には、「能率専門官」なる、ナンノコッチャな役職がある。くれぐれも能率向上の方策検討のために、毎日残業するようなことのないようにしていただきたいものである。