【木南広明コラム】こんなサッカー番組はいかが!?
2008年06月05日11時23分 / 提供:FOOTBALL WEEKLY
現在、民放キー局で放送されているサッカー番組は、TBSの「スーパーサッカーPLUS」、テレビ朝日の「やべっちFC」、日本テレビの「月刊サッカーアース」の3番組。どれもMCにサッカー経験者のお笑い芸人を起用し、国内外問わず様々な試合結果、さらには選手の素顔に迫る内容で幅広い視聴者にアプローチしている。
実際、筆者もサッカー少年だったころは、このような番組で海外選手のスーパープレーを見て興奮し、必死に練習したものだ。きっとサッカー経験のない方でも、スター選手の繰り出すスペクタクルなテクニックの数々に魅了されたことがあるだろう。今までのサッカー番組はそれで良かった。
ただ、Jリーグが誕生して15年。ファンの目も肥えてきた今、サッカー番組もそろそろ次なるステップに進んでもいいのでは、と思っている。ということで、今回はサッカー番組に関するご提案。
今、新たにやるべきサッカー番組は何か?
そう考えると、まず最初に気になるのが番組のスタンスだ。ほとんどのサッカー番組(民放キー局に絞ってお話させてもらう)が「応援」、「紹介」というスタンスで放送しているため、選手や監督、組織に対する苦言はなかなか出てこない。既存の番組を否定するわけではないが、抱いた問題意識を消化させてくれない環境は、目の肥えたファンにとってストレスだろう。
欧州諸国をはじめ、俗にサッカー先進国と言われる国では、サッカーを愛するゆえに、試合後はかなり厳しいバッシングが、選手や監督はじめ関係者に浴びせられる。移籍の真相などについても、選手をスタジオに招き、ファンの聞きたい質問が司会者によってズバズバ飛ぶ、なんて番組もある。こうした番組は、かつて日本にあっただろうか?
そこで、最初のご提案番組は『ここが変だよ! 日本のサッカー!』。この番組のコンセプトはズバリ、サッカーを見せないサッカー番組、言わばサッカー討論番組である。
既存のサッカー番組では、番組の性質上、良いことは言えるが悪いことは言えない。さらに言うと、素晴らしいプレーは紹介するが、絶対にやってはいけない悪いプレーは見せない。オフサイドか否か、ファウルか否かなど、問題となった微妙な判定も流されることはない。スタジアムで起きたことがきちんと報道されていないのだ。
この番組では、そんなサッカー番組のある種タブーに、解説者や協会関係者などが鋭く切り込む番組。サッカーに熱い思いを持った人々が「日本のサッカーはここがおかしい!」と自分たちのサッカー観を存分にぶつけあうのである。
例えば、こんなテーマを提示する。
「日本サッカーのプレッシングの弱さ」。プレミアをはじめ海外サッカーと見比べれば、Jリーグのプレッシングの甘さは一目瞭然だ。なぜそうなのか、どうすべきなのかと、様々な切り口から解析し、討論する。
「厳しいプレッシャーの中でプレーしないから海外で通用しない」、「フォワードこそ守る意識を」など当たり前の意見から、エッジのきいた意見まで、サッカーを一線で見守る人たちだからこそ言える、愛のある辛口トークで盛り上がる番組である。
時には代表監督なども呼び出し、そのビジョンに対して討論するも良いだろう。あくまで目的は日本サッカーのレベル向上である。
続いてのご提案番組は『仮想日本代表! 俺ジャパン』。この番組は、サッカー解説者や監督が“もしも自分が代表監督になったらどんなチームにするか?”を仮想シミュレーションする番組だ。
例えば、「どんな選手を起用し、どんなシステムにするか?」を発表するコーナーや、「どんなテーマを持ったチームにするか」をゲーム画面で動かしながら説明するコーナー、さらには練習やエキシビジョンの組み方など、チーム運営方法までを細かく発表するコーナーなど、あくまで仮想監督の主観で紹介していく。
十人十色のサッカー思考、それぞれがどんな色を持っているのかを存分に発揮してもらえれば興味深い。「ラモスジャパン」であったり、最近はサッカー以外でも大活躍の「武田(修宏)ジャパン」など、いろんな思考を覗き見できればと思う。
以上、ご提案した2つの番組だが、コアな層に向けた内容だ。もしかしたら、コアなファン以外にはまったく楽しめない番組かもしれない。しかし、それでいいと思う。なぜなら、既存のサッカー番組は誰もが楽しめる番組だから。
あえてこのような番組を作ることで、日本サッカーを取り巻く環境の可能性を広げることはできないだろうか? いろいろな意見、いろいろなサッカー番組がある、という状況が、サッカーが文化として定着していくには必要だと思う。
果たして、皆さんはどんなサッカー番組が見たいだろうか?
木南広明 / Hiroaki KINAMI
新潟県出身。バラエティ番組を中心に放送作家として活動するほか、「excite」「woman excite」などの記事を執筆。高校時代はサッカー部で、インターハイと選手権を経験するも、現在ではただのサッカー好きとして日々テレビ観戦中。
<関連コラム>
[第16回] 「日本サッカー協会への企画書」 木南広明
[第17回] 「北京五輪の心配はハードではなくソフト」 杉山茂樹
[第18回] 「『死ね』発言、処罰ありきではなく議論を」 石井紘人
[第19回] 「クラブの生命線は監督選びにある」 加部究
[第20回] 「空気の読めないメディアと、岡田監督」 杉山茂樹
[第21回] 「日本の審判が抱える問題点」 石井紘人
実際、筆者もサッカー少年だったころは、このような番組で海外選手のスーパープレーを見て興奮し、必死に練習したものだ。きっとサッカー経験のない方でも、スター選手の繰り出すスペクタクルなテクニックの数々に魅了されたことがあるだろう。今までのサッカー番組はそれで良かった。
ただ、Jリーグが誕生して15年。ファンの目も肥えてきた今、サッカー番組もそろそろ次なるステップに進んでもいいのでは、と思っている。ということで、今回はサッカー番組に関するご提案。
今、新たにやるべきサッカー番組は何か?
そう考えると、まず最初に気になるのが番組のスタンスだ。ほとんどのサッカー番組(民放キー局に絞ってお話させてもらう)が「応援」、「紹介」というスタンスで放送しているため、選手や監督、組織に対する苦言はなかなか出てこない。既存の番組を否定するわけではないが、抱いた問題意識を消化させてくれない環境は、目の肥えたファンにとってストレスだろう。
欧州諸国をはじめ、俗にサッカー先進国と言われる国では、サッカーを愛するゆえに、試合後はかなり厳しいバッシングが、選手や監督はじめ関係者に浴びせられる。移籍の真相などについても、選手をスタジオに招き、ファンの聞きたい質問が司会者によってズバズバ飛ぶ、なんて番組もある。こうした番組は、かつて日本にあっただろうか?
そこで、最初のご提案番組は『ここが変だよ! 日本のサッカー!』。この番組のコンセプトはズバリ、サッカーを見せないサッカー番組、言わばサッカー討論番組である。
既存のサッカー番組では、番組の性質上、良いことは言えるが悪いことは言えない。さらに言うと、素晴らしいプレーは紹介するが、絶対にやってはいけない悪いプレーは見せない。オフサイドか否か、ファウルか否かなど、問題となった微妙な判定も流されることはない。スタジアムで起きたことがきちんと報道されていないのだ。
この番組では、そんなサッカー番組のある種タブーに、解説者や協会関係者などが鋭く切り込む番組。サッカーに熱い思いを持った人々が「日本のサッカーはここがおかしい!」と自分たちのサッカー観を存分にぶつけあうのである。
例えば、こんなテーマを提示する。
「日本サッカーのプレッシングの弱さ」。プレミアをはじめ海外サッカーと見比べれば、Jリーグのプレッシングの甘さは一目瞭然だ。なぜそうなのか、どうすべきなのかと、様々な切り口から解析し、討論する。
「厳しいプレッシャーの中でプレーしないから海外で通用しない」、「フォワードこそ守る意識を」など当たり前の意見から、エッジのきいた意見まで、サッカーを一線で見守る人たちだからこそ言える、愛のある辛口トークで盛り上がる番組である。
時には代表監督なども呼び出し、そのビジョンに対して討論するも良いだろう。あくまで目的は日本サッカーのレベル向上である。
続いてのご提案番組は『仮想日本代表! 俺ジャパン』。この番組は、サッカー解説者や監督が“もしも自分が代表監督になったらどんなチームにするか?”を仮想シミュレーションする番組だ。
例えば、「どんな選手を起用し、どんなシステムにするか?」を発表するコーナーや、「どんなテーマを持ったチームにするか」をゲーム画面で動かしながら説明するコーナー、さらには練習やエキシビジョンの組み方など、チーム運営方法までを細かく発表するコーナーなど、あくまで仮想監督の主観で紹介していく。
十人十色のサッカー思考、それぞれがどんな色を持っているのかを存分に発揮してもらえれば興味深い。「ラモスジャパン」であったり、最近はサッカー以外でも大活躍の「武田(修宏)ジャパン」など、いろんな思考を覗き見できればと思う。
以上、ご提案した2つの番組だが、コアな層に向けた内容だ。もしかしたら、コアなファン以外にはまったく楽しめない番組かもしれない。しかし、それでいいと思う。なぜなら、既存のサッカー番組は誰もが楽しめる番組だから。
あえてこのような番組を作ることで、日本サッカーを取り巻く環境の可能性を広げることはできないだろうか? いろいろな意見、いろいろなサッカー番組がある、という状況が、サッカーが文化として定着していくには必要だと思う。
果たして、皆さんはどんなサッカー番組が見たいだろうか?
木南広明 / Hiroaki KINAMI
新潟県出身。バラエティ番組を中心に放送作家として活動するほか、「excite」「woman excite」などの記事を執筆。高校時代はサッカー部で、インターハイと選手権を経験するも、現在ではただのサッカー好きとして日々テレビ観戦中。
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[第17回] 「北京五輪の心配はハードではなくソフト」 杉山茂樹
[第18回] 「『死ね』発言、処罰ありきではなく議論を」 石井紘人
[第19回] 「クラブの生命線は監督選びにある」 加部究
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