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監督の責任、クラブの義務=松本山雅FCの再戦

2008年06月03日07時10分 / 提供:PJ

pj
監督の責任、クラブの義務=松本山雅FCの再戦
後半のチャンスも、JSCのGK諏訪の飛び出しに阻まれ、生かせず。(撮影:多岐太宿) 写真一覧(3件)
6月1日、第34回北信越リーグ第6節が各地で行われ、長野県松本市からJリーグ昇格を目指す松本山雅FCは、JAPANサッカーカレッジグラウンドにてJAPANサッカーカレッジ(以下、JSC)と対戦し、0−2で敗北した。

 システムを今までの4-4-2から4-5-1に変更、前節からの修正を試みた松本は、三本菅崇の復帰もあり、守備は安定。前半は大きなピンチもなく、安心して見られる展開だった。一方、攻撃陣は右サイドを中心に形こそ作るものの、相変わらずシュートまで持ち込めず。勝負をかけるはずの後半、左サイドを破られ、クロスに飛び込んだ#20宇野沢に与えてはならない先制点。その後も押し込む場面もあったが、シュートまで持って行けず、安易なフィードやクロスはすべて#4数馬にはじき返される。逆に#11名堂に追加点を決められ、万事休した。

吉澤監督談話
 「(この試合の総括を)悔しい負け方をした。まずは気持ちの入ったゲームをしよう、これまでJSCには勝っていなかったので、勝ちたいと思っていた。前半はピンチもなかったが、チャンスもなかった。もう一回リセットしようと話したが…」

 「(2失点について)ミスからだった。前回よりは何とかしたいという気持ちがあったが、負けてしまうんじゃないかと後ろ向きになってしまう。もう一週間、一生懸命やるしかない」

 「(上位クラブに2連敗、無得点だが)課題は、先に点を与えてしまっているという現状。攻撃のところまではできている。残りは精度の問題」

 「(来週は、“信州ダービー”だが)周りからのプレッシャーもある。結果が伴っていないが、選手を信じて送り出すことしかできない。勝ち点3とプライドを賭けてやっていきたい。ダービーをきっかけにしたい」

 「(6試合で勝ち点8、御自身の出処進退については)僕が決めることではない。自分自身では、縁もあって松本に来たことでもあるし、契約期間を満了したい。後は上の人たちの判断であり、今の時点ではやらなければいけないという責任感を持っている」

取材メモから
 今季に入ってから、サポーターの「戦え、松本!」コールを何度聞かされたことだろう。ふがいない戦いを見せられたサポーターの、選手への愛のむちである。

 この日の試合内容も、これまでと大きく様変わりしたものではない。相変わらずのシュートを打てないサッカー。サイドアタックには昨年までのような鋭さと爽快(そうかい)感がなく、守備は途中までは耐えても、最後はほころびを突かれて、堪え切れずに失点。6試合終了、来週にもシーズンは折り返し地点に到達するというのに、この惨状で誰が満足すると言うのだろう。確かに開幕戦の段階では、「これから修正したい」という言葉も通用するし、この選手層で魅せるサッカーに大きな夢を抱いていたのも事実だ。

 しかし、既に6試合が終了している。「これから修正」と言っても、あとは8試合しかないのである。修正のためのタイムリミットは終了したと言わざるを得ない。後、必要なものは結果だけである。

 JSCが強いチームであったことは認める。2トップの動きも良いが、このクラブの今年の肝は右サイドから攻め上がる#5飯沼と、左の#26池川だろう。特に池川はフリーキッカーまで任されており、入学1年目にして司令塔として君臨。JSCは池川のチームの観すらあった。守備陣では、何と言っても松本サポーターにとって最高の敵役である#4数馬がロングボールをことごとく制圧し、守護神の#1諏訪が大胆な飛び出しでゴールに鍵を掛けた。

 それにしても、勝利の期待感を抱けない試合を見せられ続ける観客の立場になると、憂うつな気分になってしまう。シュートを打てないクラブが、過去のフットボールの歴史において勝者となれただろうか。

 試合後に、あえて監督に自身の出処進退について質問させていただいた。正直に吐露するが、現段階において吉澤監督の続投については、明確な好材料を見いだすことができないでいる。

 その人物、能力を否定するつもりは全くない。これまでの取材経験では、誠実でユーモアのセンスも持ち合わせる好人物という印象を抱いている。過去にはJFL最優秀監督賞に輝いた経歴も持ち、若くして実績を残した名将であることは間違いない。

 しかし、現場を預かる指揮官は結果を残せなければ解任、という現実が常に付きまとう。これは世界中すべてのクラブを率いる、すべての監督が背負う宿命である。6試合終わって、2勝2引き分け2敗で勝ち点8という結果だけみれば、解任という選択肢もやむを得ないと思われる。

 現実問題、解任は奥の手であり、フロントがそこまでの覚悟を抱いているとは考えにくい。吉澤監督解任、新監督就任となるとギリギリの運営を強いられている松本にとっては資金面において死活問題になりかねない。

 せめて、フロントから現状についてのクラブとしての考えを発表する機会を近いうちに設けることはできないだろうか。もちろん聞きたいのは、クラブとしての“将来への展望”であり、「お金がない」といった類の“貧乏自慢”ではない。それは、お金を払って非日常性を購入している観客への冒涜(ぼうとく)するである。たとえ、「お金がない」「後任がいない」という世知辛い現実への隠れみのとしてでも良いから、続投にしろ解任にしろ、明確なビジョンをしかるべき方々からその口で伺いたい。また、その義務がある。

 それですべての人が納得出来るとは到底思えないが、少なくともそれだけの誠意を見せていただければ、これまで通りにクラブを支持し、全力で応援することもできるだろう。

2008年北信越リーグ1部 第6節
「JAPANサッカーカレッジ 2-0 松本山雅FC」

GK:原裕晃
DF:石川航平、三本菅崇、坂本史生、阿部琢久哉
MF:大西康平、川田和宏(→佐々木惇)、竹内優(→今井昌太)、鈴木亮平、斉藤智閣
FW:柿本倫明(→吉田賢太郎)

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 多岐 太宿

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