ロシア代表のフース・ヒディンク監督は、チェルシーの監督就任を全面的に否定。次期監督には元バルセロナ監督のフランク・ライカールトを推薦している。

 ロシア代表を率いて、ユーロ2008本大会に出場するヒディンク。そのサラリーがチェルシーのロシア人オーナーであるロマン・アブラモビッチのポケットマネーから支払われるなど、以前からチェルシーとの関係性の深さを語られてきたオランダ人監督だが、自身の去就については「ロシア代表の監督を続ける」とキッパリ明言している。

「憶測が飛び交うということは、何も正式に決まっていない証拠なんだ。ただ、私はロシアサッカー協会の会長と、今後も代表監督を続けると約束している。私にチェルシーとの関係があるとすれば、ロシアサッカー界の発展についてアブラモビッチと話したくらいしかないよ」

 さらにヒディンクは、シーズン終了後にアブラム・グラント監督を解任したチェルシーの決断を批判しながらも、後任にはライカールトこそ最適だと語っている。

「チェルシーは監督に重圧をかけすぎる。毎年、複数のタイトルを獲得するようプレッシャーをかけているが、これが無くなればチェルシーの成績はもっと良くなると思う。ただ、ライカールトならチェルシーのチーム哲学にフィットするかもしれないね。彼はとてもオープンな性格だし、選手やスタッフと人間関係を築くのがうまいからね」

 これまでに幾度と無くチェルシー監督就任を否定し続けながらも、アブラモビッチとの関係から、候補に名前が挙がり続けるヒディンク。ロシア代表監督として2010年ワールドカップの出場を目指すと語っているが、百戦錬磨の名将の真意はいかなるものなのだろうか。