■第10試合 WEC世界バンダム級タイトルマッチ/5分5R
【王者】ミゲール・トーレス vs【挑戦者】前田吉朗
○[3R終了/TKO]×

2008年2月のWECでは、チャーリー・バレンシアを相手に、ミドルキックで鮮烈なKO勝利を挙げたパンクラス稲垣組の前田吉朗。当初、ミゲール・トーレスが持つWEC世界バンタム級王座に挑戦予定となっていたマニー・タイパが欠場したことで、このチャンスを掴んだ。

対する、王者ミゲール・トーレスは、故カーウソン・グレイシーの最後の弟子。ボクシング&一撃必倒の膝蹴りに、華麗なグラウンド・テクニックを持つ当代最高のバンタム級戦士だ。

サウスポーの前田に対し、オーソドックスのトーレス。試合は開始早々、トーレスのローをキャッチした前田がパウンドを落とすも、深追いせず、すぐに立ち上がる。

前田はハイキックを放つも、トーレスは膝蹴りで前田をケージ際まで追い込む。が、前田は体勢を入れ替え、バックステップで一気に距離を取った。続く、グラウンドでは、オモプラッタを見せたトーレスに、前田は腕を引き抜いてディフェンス。序盤から、目まぐるしい攻防となったタイトルマッチに大歓声が沸き起こる。

スタンドに戻ると、前田はノーガード。その前田にトーレスはハイキック、ローを蹴っていく。場内はトーレスコールとなり、前田の膝蹴りをキャッチしたトーレスが、そのままグラウンドへ。立ち上がり際も、手を休めずパンチを放っていく前田だったが、トーレスのワンツー、膝蹴りにケージ際まで後退。残り15秒でトーレスの膝蹴りが腹部に突き刺さるも、ここで1Rが終了した。

2R、トーレスのハイキックにパンチをあわせた前田。トーレスは転倒するも、すぐに立ち上がる。次の瞬間、またしてもトーレスの蹴りに前田のパンチ。押し倒したトーレスに凄まじい勢いでアリキックを浴びせたが、ここでもトーレスはすぐさま立ち上がってみせた。

トーレスはワンツーからハイキック。ケージ際に押し込むと、首相撲から強烈な膝蹴りを連発。嫌がった前田が突き放せば、パンチを叩き込む。しかし、トーレスからテイクダウンを奪った前田が、グラウンドで、アンクルホールドの体勢へ。その一方で、トーレスもアンクルホールドを仕掛けたが、手ごたえがなかったのか、踵蹴りでディフェンス。お互いポジションを取り合った後、スタンドへと戻った。

残り30秒、マウントからエルボー、バックを取ってチョークを狙うトーレスだったが、ここで2R終了のホーンが鳴り響く。前田は右目を大きく腫らした。

3R、トーレスの素早いジャブが前田の顔面をかすめると、その打ち終わりには、やっかいな膝が飛んでくる。ここで前田は左ストレートを浴びせるが、トーレスのワンツーを被弾。それでも、前に出る前田に、トーレスはジャブからボディへの膝蹴り。右目が見えているのか、いないのか、前田も必死に手を返す。

しかし、残り1分30秒、トーレスのバックを奪った前田がテイクダウン。ハーフガードから鉄槌を落とすも、ガードに戻され、トーレスは下から三角絞め。これを嫌がった前田がスタンドに戻ったところで3Rが終了するも、ラウンドインターバルでは、右目が大きく腫れ上がり、完全に塞がっている前田に、無念のドクターストップが告げられた。

まさにバンタム級世界最高峰の死闘となった一戦は、王者トーレスが初防衛に成功した。

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