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「お客様は悪魔です」と言われないように、客としてのマナーを守って

2008年05月30日07時26分 / 提供:PJ

pj
スーパーや書店などサービス業の店頭でマナーの悪い客が増えて、店側の頭痛の種になっているという。銀行もその例に漏れず、困った客は後を絶たない。私が実体験したエピソードをご紹介しよう。

 銀行のキャッシュコーナーやコンビニの店頭に設置されているATM(現金自動預払機)には、必ず係員呼び出し用の受話器(オートホーン)がついている。ATMに何かトラブルが発生したときは、コンビニの店員では対応できない。そこで保守会社や警備会社が対応することになっている。

 実は銀行の店頭に設置されているATMも、営業時間外や休日稼働の場合は、店舗の係員に直接つながっているわけではない。ある都市銀行を例にとると、関東地方の某所に設けられた監視セクションで全店舗のATMをモニターし、オートホーンの応対も行う。だから利用客が「すぐ出てきてよ!」と言っても、休日の店舗には誰も居ないのである。

 そういう事情を、ほとんどの利用客は知らない。だから勘違いや誤解から生じるトラブルも決して少なくないのである。例えば、破損したキャッシュカードをATMに挿入したところ、不幸にして機械の内部でカードが破損。機械はそれを「異物」と識別して自動的に停止することがある。

 慌てるのは利用客である。預金は引き出せない、カードも戻ってこない、オートホーンで呼び出しても誰も出てこないのだから、「オレの預金、どうなるんだ」と焦ってしまい、すっかり頭に血が上って冷静な判断力を失う。オートホーンの向こうで「店には誰もおりません。まずは状況をお伺いします」と言っても、「そんなこと信用できるか! すぐ出て来い」となってしまうのだ。

 現に受話器の向こうで人が喋(しゃべ)っているのだ。ATMの裏に誰かがいるものと思うだろう。店舗が無人であることをどうしても信用できずに「これなら誰か飛び出してくるはず」と、非常ベルを鳴らすという実力行使に出た客も、大阪の繁華街にある支店で実際にいた。

 さらにひどい例だと、預金口座に残高のない客が「どうしてもカネがいるんだ」とゴネるケースも少なくない。監視セクションでは軽度の機械トラブルには遠隔操作で対応できるが、残高不足はいかんともしがたい。「銀行なんだからカネあるだろ。○○万円ぐらいケチケチするな!」。そういう問題ではない。残高のないところから払い戻しはできないのである。

 私が経験した究極の勘違い客は、キャッシュカードの機能を誤解していた。とある地方都市の支店から「カードを持ってきたのに、お金が出てこない」とクレームの電話がかかってきた。こういうトラブルの原因は、ほとんどが「残高不足」か「提携していない金融機関のカード」である。まれにカードの磁気部分のデータが壊れていることもある。

 顧客データを検索してみると、この客は残高不足だった。その事実を告げると、この客はこんなクレームをつけてきたのである。「カードを使ったらATMからカネを引き出せるんじゃないのか? そのためにカードを申請したんだぞ」「ええ、ですから残高不足、つまりお客様の口座には預金が残り少なく…」「どうしてだよ!? このカード使ったら、いくらでもフリーで引き出せるんだろうが!」。

 監視セクションの一同、オートホーンをモニターしながらひっくり返りそうになった。そんな便利なカードがあれば、ぜひ手に入れたいものだ。しかし、その客は、いくら言葉を尽くして説明しても理解してくれず、電話だけでの応対ではもはや解決しないと判断。後日、最寄りの店舗に来てもらい、店長が自らシステムを説明する羽目になった。

 以上のエピソードはそう昔のことではない。誰もが当たり前にATMを使っている時代になっても、システムをよく理解していない人、誤解している人によってトラブルは後を絶たないのが現状なのだ。

 そしてトラブルの原因で最も多いのが、意外にも利用客の身勝手なわがままである。私の経験では、トラブルの9割が客のわがままに起因していた。「自分の都合に合わない」「残高がないのに払い戻しを無理強いする」といった大人げない客に遭遇したとき、ATMの裏側ではその客のことをバカにして笑っているのだ。

 笑われる客にならないように、ATMぐらいはシステムをよく理解して、マナーを守って利用してもらいたいものだ。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 平藤 清刀

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