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【国際】 聖火リレーの意外な歴史

 2008年北京オリンピック大会に向け、聖火が様々な思いを灯しながら世界中を駆け巡っている。もともと「聖火」は1928年のアムステルダム大会から競技場内に掲げられるようになったもの。その後、ナチス政権下のドイツで開催された1936年ベルリン大会から「聖火リレー」は始まる。

 このとき、オリンピック発祥の地ギリシャからドイツまで、総勢3,075人のランナーによって運ばれた「古代と現在をオリンピアの火で結ぶ」聖火リレーの演出は、ヒトラーの力を世界に誇示しただけでなく、大会を大いに盛り上がらせたという。しかし、現在のように5大陸を巡る国際聖火リレーが取り入れられたのは、2004年アテネ大会からだ。

大会の意義を象徴する聖火

 聖火リレーにまつわる話は、その大会の意義を象徴する事も少なくない。2000年のシドニー大会では、先住民アボリジニとの融和が聖火に託され、最終走者もアボリジニの選手だった。さかのぼること1964年の東京大会では、広島に原爆が投下されたその日に生まれた大学生が最終ランナーとしてスタンドを駆けのぼり、日本の復興と平和への願いを世界に伝えた。

 ちなみに、2008年北京大会の聖火リレーのスローガンは「Light the passion. Share the dream」(天然激情、伝達夢想)。幸福の象徴である不死鳥を聖火リレーのロゴに使うことで、「聖火リレーを通して中国と世界中の人々の幸福を願っている」を表現しているそうだ。

平和の祭典を続けていくために

 日本オリンピック・アカデミー理事、首都大学東京基礎教育センター教授 舛本氏に今後の聖火リレー、オリンピックに求められるものをうかがった。「現在のオリンピックでは『オリンピック休戦決議』を行い、オリンピック期間中はいかなる戦いも休止し、平和の祭典を祝うことになっていますが、実際は政治や経済とは切り離せない状況。オリンピックの5つの輪は五大陸を、五色は世界中の国旗を意味し、世界の団結を表しています。私たちは、理想と現実の折り合うところに着地点を見つけ、この祭典の意義を再確認しながら今後もオリンピックと聖火リレーを続けていく必要があるのでしょう」。

 1936年に始まり、1972年かけて世界の歴史を駆け抜けて来た「聖火」。この火が、人々の目を広く世界に向けさせるきっかけとなれば、古代と現在だけでなく、地球上の人々を結ぶ本当の意味でのリレーになるのかもしれない。

文●山田忍(エフスタイル)

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