共産党の「リアル支持率」は上がるのか

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   最近、メディアに日本共産党が特集される例が相次いでいる。各記事の内容を見ると、同党が自らを「確かな野党」と表現するような、独特の立ち位置が際だっている模様なのだ。もっとも、ネット上でさえも「共産党賛美一色」という訳にはいかない上、世論調査を見ると、必ずしも「支持拡大」には結びついていない様子なのだ。

「なぜか大ウケ 共産『志位人気』」

   メディアの注目を浴びるきっかけは、志位和夫委員長が2008年2月8日に衆院予算委員会で行った質問だ。派遣労働をめぐって福田康夫首相を追及した内容が注目され、この様子を収録した動画が「ユーチューブ」で14万回以上再生されたのだ。
   この質問をめぐっては、ネット上で

「共産GJ(=good job)」
「C(志位)よくやった」

などと好意的な声が相次いだことから、メディアも注目。週刊朝日は4月4日号で、「志位和夫共産党委員長 資本主義を叱る」とのインタビュー記事を掲載。志位委員長は派遣労働の現状を

「人間の使い捨てです。19世紀的な野蛮な資本主義が、新しい残酷さをもって復活しているんです」

と批判した。一方、サンデー毎日は4月13日号で「なぜか大ウケ 共産『志位人気』に 自民、民主が脅えている」との見出しで、「マルクスを知らないネット世代が支持の輪を広げている」などと同党を紹介している。

「追及スタイルがきわめてブログ論壇的」

   「諸君」5月号では、ジャーナリストの佐々木俊尚氏が自身の連載「ネット論壇時評」で「(共産党の)追及スタイルがきわめてブログ論壇的」と、ネット上で支持されている原因を分析。

   さらに、5月21日の毎日新聞夕刊は、「ウルトラCなるか?!」という大見出しで、最近の動向を特集、やはり志位委員長の長文インタビューを掲載している。

   もっとも、このような動きが直ちに「党勢拡大」につながっているかどうかは疑問だ。

   世論調査による支持率を見ると、ここ1年ほど2%前後を推移している(朝日新聞調べ)からだ。例えばここ半年では、少なくとも8回の世論調査が行われているが、支持率1%だったのが2回で、支持率3%だったのが1回。残り5回の支持率が2%。「2%周辺を行ったり来たり」という状況で、「登り調子」といった様子ではないのだ。

   志位委員長は前出の毎日新聞のインタビューで

「ネットの可能性は大いに開拓したい。でも、やっぱり一番は中身。中身抜きでテクニック云々ではありません」

とコメントしているが、「ネット人気」が実際の世論に近づくまでは、まだまだ時間がかかりそうだ。

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