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介護家庭の雑記帳=後期高齢者医療制度には一言あるけれど、それはさておき、映画館に「相棒」を観に行く
【PJ 2008年05月22日】−
夫が一回目の脳梗塞(こうそく)に倒れから19年になる。この時夫は55歳だったが社会の一線から退いて療養生活に入った。リハビリの功あって自転車で図書館に通うなどの回復を見せたが、10後に脳出血。この段階で要介護2の認知症と認定されるようになる。そしてその4年後の2002年の冬に再び脳梗塞を起こし、認知症は一気に要介護4という状態になる。
このようになると、制度の影響が直生活に響いてくる。介護制度はもちろん、この四月から施行になった後期高齢者医療制度もである。・・・とはいっても夫の場合は、まだ前期高齢者の段階なのであるが(それにしても、この、ゼンキ、コウキという呼称、傷つくゼ)、この機に国民健康保険料が年金からの天引きになり、便利っちゃ便利だが、わが家はさまざまな事情を抱えて困窮気味の生活をしているので、できれば家庭の都合に合う時に支払いたく、この天引き制度、そうそうグ〜ッ!とはいかないのである。
さて、そんな後期高齢者医療制度というアラシにみまわれた時期ではあるが、それはそれとして、足元おぼつかない夫をともない、映画「相棒」を観に行った。
要介護4の認知症というと、何も認識ができない状態と思われることがあるが、なんの、結構わかっているものである。だから、普段のテレビ放送なども、自分で面白いと感じた番組に対してはある程度の集中を見せるのである。そして、楽しみながら集中する、というのは、認知症の脳と人間力を活性させるし、何より、自身が「相棒」と右京さんと薫ちゃんと和泉監督の大ファンなので勇んで出掛けた。
ただ、夫は長時間の集中力はなくなっており、気が散ると、幼児のように落ち着かなくなり、一人では歩行ができない状態なのに歩き回ろうとするので、それが気がかりではあった。ところが、夫は集中力を途切れさせることなく見たのである。
映画は、ネタバレになってはいけないので詳しくは書けないが、まずは猟奇的な殺人事件で幕を開ける。これは、五年前にテロの危険のある国にボランティアで入った青年がテロリストに拉致され、テロリストは青年の国、つまり日本に身代金を要求するのだが、その青年が避難勧告を無視してそういう事態を引き起こしたとして大衆はひどいバッシングをし、政府は身代金の支払いを拒否し、青年は公開処刑をされる、という出来事があり、しかも、避難勧告は青年には届いていないことがわかり、その復しゅうだった。
という筋書きであったが、認知症の夫に充分に筋も面白さも認知させたのは、この映画が、重い社会性のテーマを、全編とぎれることのないスケールでエンターテインメント風に仕上げ、また、核心をずらさず、思わせぶりにおとさず描いていたからだろう。
自身の感想としては、右京さん、薫ちゃんはもちろん、常連のキャストの活躍にも演技にも堪能したことを前提に、犯人のセリフ、「大衆や国がしたことと、しなかったこと」「彼が殺されるのが流れたとたん、あれほどあったバッシングがはたとやんだ。あれは、彼の行いも命も死も、なかったものとしたんだ。大衆も政府も、そうすることで自分たちのしたことも、しなかったことも、ないことにした。彼があの国であの国の子供たちにしたこと、ああして殺されたこと、命も魂も、ないことにした」(セリフはこうではありません。意味はこうであった、との解釈です)に、ただただ感情移入した。
このセリフを聞いただけでは充分だった。物語の描き方は淡泊だったという不満があったが、的を絞って重くすると社会劇になってしまうからあれでよかったのかも。いずれにしても、わが家の介護生活、「相棒」のおかげで華やいだ。【了】
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 佐々木 和恵【 茨城県 】
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このようになると、制度の影響が直生活に響いてくる。介護制度はもちろん、この四月から施行になった後期高齢者医療制度もである。・・・とはいっても夫の場合は、まだ前期高齢者の段階なのであるが(それにしても、この、ゼンキ、コウキという呼称、傷つくゼ)、この機に国民健康保険料が年金からの天引きになり、便利っちゃ便利だが、わが家はさまざまな事情を抱えて困窮気味の生活をしているので、できれば家庭の都合に合う時に支払いたく、この天引き制度、そうそうグ〜ッ!とはいかないのである。
さて、そんな後期高齢者医療制度というアラシにみまわれた時期ではあるが、それはそれとして、足元おぼつかない夫をともない、映画「相棒」を観に行った。
要介護4の認知症というと、何も認識ができない状態と思われることがあるが、なんの、結構わかっているものである。だから、普段のテレビ放送なども、自分で面白いと感じた番組に対してはある程度の集中を見せるのである。そして、楽しみながら集中する、というのは、認知症の脳と人間力を活性させるし、何より、自身が「相棒」と右京さんと薫ちゃんと和泉監督の大ファンなので勇んで出掛けた。
ただ、夫は長時間の集中力はなくなっており、気が散ると、幼児のように落ち着かなくなり、一人では歩行ができない状態なのに歩き回ろうとするので、それが気がかりではあった。ところが、夫は集中力を途切れさせることなく見たのである。
映画は、ネタバレになってはいけないので詳しくは書けないが、まずは猟奇的な殺人事件で幕を開ける。これは、五年前にテロの危険のある国にボランティアで入った青年がテロリストに拉致され、テロリストは青年の国、つまり日本に身代金を要求するのだが、その青年が避難勧告を無視してそういう事態を引き起こしたとして大衆はひどいバッシングをし、政府は身代金の支払いを拒否し、青年は公開処刑をされる、という出来事があり、しかも、避難勧告は青年には届いていないことがわかり、その復しゅうだった。
という筋書きであったが、認知症の夫に充分に筋も面白さも認知させたのは、この映画が、重い社会性のテーマを、全編とぎれることのないスケールでエンターテインメント風に仕上げ、また、核心をずらさず、思わせぶりにおとさず描いていたからだろう。
自身の感想としては、右京さん、薫ちゃんはもちろん、常連のキャストの活躍にも演技にも堪能したことを前提に、犯人のセリフ、「大衆や国がしたことと、しなかったこと」「彼が殺されるのが流れたとたん、あれほどあったバッシングがはたとやんだ。あれは、彼の行いも命も死も、なかったものとしたんだ。大衆も政府も、そうすることで自分たちのしたことも、しなかったことも、ないことにした。彼があの国であの国の子供たちにしたこと、ああして殺されたこと、命も魂も、ないことにした」(セリフはこうではありません。意味はこうであった、との解釈です)に、ただただ感情移入した。
このセリフを聞いただけでは充分だった。物語の描き方は淡泊だったという不満があったが、的を絞って重くすると社会劇になってしまうからあれでよかったのかも。いずれにしても、わが家の介護生活、「相棒」のおかげで華やいだ。【了】
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