“男の嫉妬”は“女の嫉妬”より怖いというのは本当か?
2008年05月21日15時18分 / 提供:都市伝説探偵団
かつて小池百合子元防衛大臣がこんなことを言っていた。「永田町は嫉妬の世界。日本では政治家の大多数が男性だから、嫉妬という文字は女ヘンではなく男ヘンにすべし」と。政界に限らず、どんな世界にも嫉み、妬みは付き物だが、中でも男の嫉妬は始末が悪い。陰湿でなかなかあきらめない。そんな男のドロドロした嫉妬の世界をのぞいてみた。
進学塾の専任講師・内田欣一さん(37歳・仮名)は、この道10年のベテラン先生だ。過去教え子を何人も東大ほか有名大学に送り込んだ実績が買われ、内田さん指名で生徒が入塾を希望してくる。これは内田先生が編み出した独自の教え方と生徒の努力の結果なのだが、他の講師にはこれが面白くないのか、いじめが横行しだした。
「はっきりいって、町の進学塾はよくも悪くも講師の先生に人気があるかどうかで決まるところがあります。私が他の講師の先生方の嫉妬の対象になっているのは、よくわかっています。いわれのない噂を流されたり、無言電話を日に何回もかけてきたり、ときには車のキーを隠されたりと、本当に子どもじみた嫌がらせもありますよ」。
始末が悪いのは、内田先生が不利になるシチュエーションになると、他の先生方が結託することだという。内輪受けを狙い、仲間意識がものすごく強い。かなりエゲツない事をやっても仲間同士でかばい合うから、嫌がらせを追求しても露見しにくいし、長期化・悪質化する。男の仕事に関わる嫉妬心は、本当にたちが悪いと内田先生は言う。
『嫉妬の世界史』の著者、東京大学大学院教授、山内昌之先生も「“嫉妬”は、喜怒哀楽と同様、誰しも無縁ではいられない感情です。女性の嫉妬心は当たり前のよう言われますが、本当に恐ろしいのは男性の嫉妬心です」と語っている。山内昌之先生の著書は、歴代の首相が熟読するといわれ、男の嫉妬心を読み解かないと、政治の世界はコントロールできないというのが実情のようだ
小倉レイ子さん(仮名)は、広告制作会社に勤める27歳の独身デザイナー。彼女の技術と時代をつかむセンスのよさが入社5年めにして、スポンサーから指名の仕事が絶えないトップデザイナーの地位に押し上げた。だが、それが18年この会社に籍を置くチーフデザイナーの怒りを買った。
「最初は大事な仕事の連絡を伝えてくれなかったり、地方行きの面倒な仕事を押し付けられたりと、そんな嫌がらせで済んでいたんです。私も嫉妬されているのはわかってましたから最初はおとなしくしていたんですが……」。
ある日、大事なスポンサーの仕事をチーフの嫌がらせによって、台無しにする寸前までいき、とうとう小倉さんはキレてしまった。「言ってはならないセリフを、相手にぶつけてしまったんです。それもオフィスの、他人のいる場所で。“人に嫌がらせをしてる暇があるなら、もっと技術を磨いたらどうですかッ”ってね。これで彼は本気になってしまったんです」。
それまでは陰湿な細かいいじめで済んでいたものが、以降は身の危険を感じる性質のものに、明らかに変化したという。「あるとき、チーフが猫撫で声で“これまでは悪かった。仲直りしよう”というから、仕事が終わった後、一緒に飲みにいったんです。そうしたら……」。チーフが行きつけだという店で勧められるまま飲んでいたら、突然めまいが襲った。明らかに変だと思い、トイレに駆け込み、ボーイフレンドに電話、大至急迎えを頼んだ。
「トイレからチーフの待ってるカウンターに戻る時には、胸は苦しいし足元もフラついて、ろくに歩けない状態でした。チーフに抱きかかえられて“とにかく出よう、どこかで休んだほうがいい”といわれ、初めて彼の狙いがわかったんです」。
つまり、正攻法がダメなら体を奪い、嫌でも女性であることを思い知らせようとしたのではないか、と小倉さんはいう。幸い、ボーイフレンドの救出が間に合って小倉さんは無事だったが、今後の相手の出方によっては訴えることも考えているという。男の嫉妬がひとたび爆発すると、危険な領域に踏み込むという一例である。
人間誰しも人を羨ましい、と思う気持ちはある。そんな邪気のない“羨望”が、嫉妬心に変化する境界はどこなのか。カルチャーセンターの講師、心理診断の達人、前川みやこ先生は、「自分と相手の距離感がポイント」と語る。
つまり、相手が自分の身近にいて、頑張れば追い越せる程度の差、または同期、同僚、同い年など、“相手が本来同じレベルかそれ以下のレベル”の人間が嫉妬の対象になりやすいと、前川先生はいう。
「つまり人は自分と同類か、またはそれ以下と評価している相手が、自分より一歩先を進んだときに、それが激しい嫉妬の対象となるんですね。逆に俳優やタレントなとのように、“争ってもとうてい追いつかないほどのイケメン”や、“生まれ育ちも特別な御曹司” などには、“もともと住む世界が違うから”と、あきらめがつくんです」。
要はテリトリー意識の問題でもある。自分が本来生息するテリトリーを荒らされた、自分が得るべき報酬を人に奪われた、と感じる気持ちが激しい嫉妬に変化するのだという。(取材/XIXOX倉持ケンジ)
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