消費税25%でも国民生活が快適で高成長の北欧モデル 「格差進行社会」の日本を救えるか

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 グローバルスタンダードや市場開放で米国に追随してきた日本は、格差がますます拡大するばかりで、いっこうに光は見えない。「平等」と「成長」は成り立たないといわれてきたが、それを両立して、さらに国民が快適に暮らせる素晴らしい国があった。(バックナンバーはこちら

■高校生になってもサンタさんを信じている…

 年金やら後期高齢者医療制度やら石油の値上げやら、問題が山積する日本だが、最近では平均年収の半分以下の収入しかない国民の割合が、米国に次いでワースト2位になった。さらに年収200万円以下で生活する人が、ついに1000万人を突破したという数字も発表されている。

 小泉純一郎元首相は「格差はあって当たり前。規制緩和や構造改革で潤った上流が下流を引っ張り上げる」と明言していたが、もはや誰もそんなことは信じていない。

 世界的に見ても、市場経済主義が1人歩きして過度の規制緩和を求めることで、貧富の格差はますます広がっている。つい10年ほど前まで盛んに口にされていた、「国民総中流」という言葉がなつかしいが、最近では格差拡大によって、家庭でも激変が起きている。07年に出版されて評判になっている岩村暢子氏著の『普通の家族がいちばん怖い』(新潮社)によると、驚くべき証言が数々紹介されている。本書で語られている内容をルポ形式に紹介しよう。

「クリスマスに2人の息子に、ブランドもののパーカーと携帯電話をプレゼントします。寝ているうちに、枕元においておきます」 というのは、主婦のA子さん(44歳)。

 一生懸命にサンタ宛てに手紙を書くというA子さんの息子は、なんと18歳の高校生と14歳の中学生だ。

 実はいま、中学生や高校生になっても、サンタクロースからプレゼントをもらう子どもたちが急増しているのだ。

「うちの娘(14歳)には、サンタさんがわたしたち(両親)だと気づかれないように、わたし(母親)と主人(父親)からも、別にプレゼントをあげています」(43歳主婦)

「インターネットでサンタさんの行方を追跡するサイトがあるので、それを娘(16歳)と見ながら、毎日『サンタさん、今日はここまで来たわよ』といって盛り上がっています」(41歳主婦)

 よくいえば微笑ましいというか、ちょっと信じられないような、こんな家庭は何も特別ではないのだ。

「うちでは、プレゼントを届けてくれるサンタさんのために、娘(11歳)とクッキーを作って、感謝の手紙といっしょに置いて寝ます」(38歳主婦)

 どこまで至れり尽くせりなのだろう。サンタさんも泣いて喜んでいるに違いない。最近、クリスマスなどのイベントの演出に力を入れる家庭が増えている。高校生になってもサンタからプレゼントをもらい続けたり、中学生でも夜寝る前にサンタさんに真剣に願いごとをしているのだ。

■いつから「夢」がサンタさんからのプレゼントになった?

 ひと昔なら、信じられないことがなぜ起こるのであろう。なぜそんなにまでして、サンタクロースを信じさせておこうとするのか。主婦たちにたずねると、「サンタさんを信じることは『夢』のあることですから。子どもたちにはいつまでも『夢』を忘れてほしくないので」 という。

 他にも、「子どもの『夢』をかなえて、それを守っていくのが親の役目ですから」 「子どもにとっていつまでも『夢』を持ち続けるのは大切ですから」 など、『夢』という単語にこだわりがあるらしい。

「夢」を広辞苑で調べると「将来実現したい願い。理想」とある。よく小学校の卒業文集で、「ボクの夢は野球選手になること」とか「アイドルになるのがわたしの夢」などと書いたものだ。社会的に成功するという願望がその背景にあったが、いまのサンタの話では、ほとんど身内の中の小さなこだわりとしか考えられない。

 子どもの精神年齢がゆとり教育を実施して以来、驚くほど下がっていることに加えて、親の世代が社会的な願望から目をそらしているとしかいいようがない。いや、目をそらさざるを得ないほど、社会的格差によって希望がなくなっているということだろう。

■「40歳過ぎても親からお年玉をもらいたい!」

 もう1つ驚くべき事実をあげておこう。(次ページへ続く)


橘 尚人[著]

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