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世界経済に与えるマグニチュードも甚大な恐れ 四川省大地震

【PJ 2008年05月18日】− 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、中国四川省で発生したM 7.9の大地震に関し、平成20年5月16日に陸域観測技術衛星「だいち」搭載光学センサーによる、緊急観測を実施。「地震前」と「地震後」との比較の形でその写真を公表した。それによると震源地近くで、大きな土砂崩れが発生し、川がせき止められてダムのような状態になっており、大規模な二次災害が懸念されるという。

陸域観測技術衛星「だいち」による地震前と後の画像比較

 だが地震の影響の波及は二次災害ばかりではなさそうだ。中国四川省の大地震は、振動の規模とともに、経済に与える「マグニチュード」も甚大なものになる可能性が極めて高い。

 中国問題の難しさのひとつは、同じ国に、日本が経験した50年代、70年代、90年代、そして21世紀が同時期に同居しているところにある。四川省は70年代に相当。重化学工業の重要拠点だった。そしてこの「高度成長以前」「高度成長期」「バブル期」「ポスト近代」の四つどもえの構図は、世界の構図でもあり、四川省は世界の「高度成長期」地帯を支える重要拠点でもあり、「マグニチュード」はさらに大きいものになり得る。

 このところ、主に金融面からの不確実性の高まりを背景に成長率の下方修正が相次いでいた(例:IMFの世界経済見通し(2008春))が、一方物流の現場を知る人たちからは、「いや実体経済は意外にしぶとい」という自信の声があった。それを今回の地震が大きく揺さぶることになると考えられる。

 特にかねてささやかれていたインフレ懸念が、別のルートからその現実味と振幅の激しさを増し、金利やマネーフローへ与える影響が計り知れない。もちろん人民元の切り上げ論議も埒外(らちがい)ではありえない。

 経済の分野での、4月までのさまざまな「シナリオ」は一度反故(ほご)にしなければならないだろう。【了】

■関連情報
改革開放後で最大の被害:エネルギー、農産拠点−世界への影響
震源地は中国内陸部のヘソ。天然ガス供給シェア28%、水力発電供
給同19%、化学肥料10%。要は重化学工業の重要拠点。
IMFの世界経済見通し(2008.春)
1 %強の減速を推定。改訂後の世界全体の成長率見通し:2008年 3.7%、
2009年 3.8%。ただしこれは「地震」を知らない。
グローバルマネーフローがもたらす資源高の構図
貯蓄余剰国からのマネーが、商品市況高騰の背景にある。この構図
を変える可能性は中国のインフレ。この度の地震がその引き金に?
加速する人民元の切り上げ〜完全変動制への移行も視野に
利上げに代わるインフレ抑制手段として、人民元の切り上げが俄然
注目。完全移行にも現実味。

・プロフィール
WEBサイト『金融リテラシー』編集長:『情報社会生活マンスリーレポート』へクリップを提供中、またメルマガも配信しています。

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パブリック・ジャーナリスト 神宮司 信也【 東京都 】
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