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北朝鮮親善ツアー、「訪朝の成果は『出会い』」と永久睦子団長=ツアー参加者の訪朝報告で(上)

2008年05月18日12時13分 / 提供:PJ

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北朝鮮親善ツアー、「訪朝の成果は『出会い』」と永久睦子団長=ツアー参加者の訪朝報告で(上)
関西で日朝国交正常化早期実現を求める活動を続けている日本人らの団体「日朝国交正常化早期実現を求める市民連帯・大阪」は16日、大阪市中央区のエルおおさかで、5月定例会を開催した。写真左から野々山拓也氏(株式会社ビデオユニテ)、永久睦子氏(日朝市民連帯・大阪共同代表)、渡辺直子(PJニュース記者)。(撮影:フリージャーナリスト中山茂氏、16日午後) 写真一覧(3件)
関西で日朝国交正常化早期実現を求める活動を続けている日本人らの団体「日朝国交正常化早期実現を求める市民連帯・大阪」は16日、大阪市中央区のエルおおさかで、5月定例会を開催した。この日の定例会では、GW期間中に同会の永久睦子共同代表を団長とした北朝鮮親善ツアーについて、同ツアーに参加した人ら4名が訪朝報告を行った。

 4名の訪朝報告の前に、永久団長は、このたびの訪朝の成果は、一口に言えば「出会い」としたうえで「一つの組織から、固まって訪朝したということではありませんでした。ツアーに参加したのは13人で、出会ってみれば、地域、職場で日朝の連帯を深めるためにいろいろな活動をされている方ばかりで、すばらしい出会いができました」と話した。

 永久団長のこの話の後、ツアー参加者の渡辺直子(PJ記者)、野々山拓也(株式会社ビデオユニテ)、西山直洋氏(全日建連帯労組 近畿地方本部)、川元秋男氏(全港湾建設支部、フジタ大阪支店)の順に、訪朝報告を行った。4名の訪朝報告の内容は、以下のとおり。

渡辺直子(PJ記者)北朝鮮訪問の目的と訪朝のきっかけ
 フリージャーナリストの渡辺直子でございます。時間も限られていますことから、わたしの北朝鮮訪問の目的をお話させていただいた上、わたしの自己紹介を含めて、わたしがこのたび、「日朝友好なにわの翼2008」に参加させていただくことになったきっかけをお話しさせていただきたく思います。その話に続き、今回の訪朝で、その目的が達成できたのかどうかなどについて、お話しさせていただきたく思います。

北朝鮮訪問の目的は2つ
 まず、わたしの北朝鮮訪問の目的についてお話したいと思います。訪朝前の4月28日、このたび訪朝する方々との顔合わせの会合が、鶴橋で行われました。その際、わたしは、今回の訪朝の目的について、1)わたし自身の目で見た平壌の状況を、わたしの視点で、PJニュースを通して多くの人に伝えることとし、そして、個人的な思いからは、2)わたしの父が13歳のころ、父の母親が平壌市内で死亡(1945年7月25日)し、父と父の父親が、母親の亡骸(なきがら)を大同江付近に埋葬し、翌年の1946年に引き上げて帰ってきて以来、一度も父が母親を埋葬した地を訪れることなく10年前に死亡してしまったので、わたしが父の代わりに父が母親を埋葬した地を訪れ、慰霊したいのだと一行の皆さんに説明しました。

渡辺省三について
 ここで、少し、わたしの父、渡辺省三の経歴についてお話させていただきたく思います。父は、昭和8年2月、指物を職とする父義信と母浪代の間の長男として、愛媛県西条市で生まれました。7歳のときに、父義信が軍属として徴用され、一家は、北朝鮮にわたり、平壌市内の官舎に移り住みました。ここで、父は、船橋小学校に入り、平壌工業高校に進みました。平壌工業高校に入った13歳の年の7月25日に、母浪代が、自分と8歳と5歳と2歳の妹たちと生れたばかりの弟を残して死亡しました。

 母浪代が死亡して20日後の8月15日に終戦を迎え、日本軍の官舎などにソ連軍が進駐してきて日本人の働ける男性を強制徴用されたそうですが、父一家の子供ばかりの家族に心配した日本人会の代表者が、父義信の名前を名簿に書かなかったことで、義信は徴用を免れたそうです。父義信の徴用を免れた一家は、終戦の翌年の春、祖国の愛媛県西条市に引き上げて帰ることができました。帰る際、平壌で亡くなった母や妹、弟の亡骸を埋めた場所に、父と父義信は、タンポポの花を供えて、帰国の途についたそうです。

 父は、祖国に帰国後、西条市にある倉敷レーヨン西条に入社。軟式野球部に籍を置きました。昭和26年10月、当時のプロ野球大阪タイガース(現、阪神タイガース)が、入団テストを実施するということで、父は、入団テストを受けに、愛媛県西条市から兵庫県西宮市の甲子園球場に出向き、入団テストに合格しました。

 父は、昭和27年に阪神タイガースに入団後、投手、コーチ、スカウトの職に就きました。父は、学歴がない身で、阪神タイガースに昭和27年から永続勤務していることを誇っていましたが、永続勤務46年目の1998年8月31日午前11時半ごろ、兵庫県西宮市の甲子園球場内にある阪神球団事務所を出たあと、その約2時間後の午後1時15分、神戸市中央区京町の入江ビル前で、転落遺体として通行人に発見されました。事件当初、管轄の生田警察は、父の死を「飛び降り自殺」と断定しましたが、遺族は、省三の自殺に心当たりがないことなどから、「父は、誰かに殺されたのではないか」として、長女のわたしが遺族を代表して、1999年7月、神戸地方検察庁に、父の死を、被疑者不祥の殺人被疑事件として刑事告発しました。

ツアーに参加したきっかけ
 わたしは、兵庫県西宮市に居住し、3年前からインターネット新聞「PJニュース」のパブリックジャーナリストとして、刑事裁判の取材を中心に、取材活動を行っています。この3年間の取材活動をおおまかに1年後ごとに区分けしますと、1年目は、わたしが、その年(2005年)プロ野球阪神タイガースの職員らの名誉を毀損することを、出版物やホームページに記載したとして、名誉毀損容疑で神戸地方検察庁特別刑事部に起訴されましたことで、刑事被告人の立場で自分自身の刑事裁判について、記事を配信しました。ちなみに、刑事裁判の結果、わたしは懲役8カ月執行猶予4年の判決を言い渡されました。わたしは、その判決を妥当と思い、判決を真摯に受け止めました。現在もその思いに変わりはなく、現在、執行猶予中(2年2カ月目)の身上でございます。

 2年目は、長年、神戸市政の闇の帝王と言われていた自民党神戸市議の村岡功議員とその息子の村岡龍男議員が、神戸地方検察庁特別刑事部に逮捕・起訴(2006年)されたことを受けて、神戸地裁で行われた議員汚職の裁判全部を傍聴取材し、PJニュースで配信しました。

 3年目は、わたしの地元で起こった朝鮮総連の傘下にある兵庫県尼崎市の阪神経理室の室長が、税理士法違反容疑で逮捕・起訴されたことで、昨年3月27日から始まった神戸地裁での刑事裁判を取材しました。この刑事裁判の取材については、神戸地検特別刑事部からのご案内があったものです。神戸地検特別刑事部は、わたしが名誉毀損の罪を犯した犯人で、執行猶予中の身上でありながら、記者クラブに所属せずにフリージャーナリストとしてジャーナリスト活動をしていることに対して、支援してくださる意味で、初公判の日時を知らせてくださったのだと思います。

 そして、その公判の取材やそれまでの神戸市の議員汚職に関する取材で、わたしは、中山茂さんというジャーナリストの方に出会いました。中山さんは、わたしのジャーナリスト活動を支援してくださる意味で、各地で起きる日本の捜査当局による朝鮮総連の傘下に対する強制捜査について、日本人らで作る市民団体「日朝国交正常化早期実現を求める市民連帯・大阪」の共同代表の方々が、昨年7月23日に、大阪地方・高等裁判所内の司法記者クラブで記者会見をされるということを教えてくださいました。

 当日、司法記者クラブ室で、中山さんを介して初めてお目にかかったのが、朴栄致(パク・ヨンチ)国際部長と、このたびの訪朝ツアーの団長の永久睦子さんと共同代表の有元幹明さんだったのです。そして、記者会見終了後、裁判所近くの喫茶店でコーヒーを飲みながら、有元さん、永久さんたちの日朝友好のためのこれまでの活動などを伺いました。

 わたしはその取材後、すぐに記事作成にとりかかり、翌日のPJニュースで、有元さんたちが東京での薬事法違反容疑の事件について、刑法172条の虚偽告訴罪に該当すると考えられるとして、東京地検に「告発」する意思であることを表明する記者会見の事実を報じさせていただきました。その当日だったか、翌日だったか、取材させていただいたお礼を、朴国際部長に申し上げた際、「わたしは日本人ですが、北朝鮮はわたしの父の母親の亡骸が眠っている場所ということもあり、祖父や父が、折に触れ、北朝鮮での悲愴な思い出話をしていたことなどから、北朝鮮や在日朝鮮人に対する偏見などは持っていない」という主旨の話をしました。

 わたしが朴国際部長にその話をした日は、たまたま平壌で亡くなったわたしの祖母の命日のころの7月25日でした。朴国際部長は、「渡辺さん、一度、おばあさまの慰霊の意味で平壌を訪問されてもいいかもしれませんね。わたしたちは、来年のゴールデンウィークころに、平壌への訪朝を予定していますので、その際、お誘いします。」と言ってくださったのです。以上が、わたしがこのたびのツアーに同行取材させていただいたきっかけです。

目的は達成できたか
 次に、その目的は、達成できたのか、どうかという点についてお話したいと思います。わたしの2つの目的については、平壌到着後、招聘団体の朝鮮対外文化連絡協会(対文協)に直接お話する機会がありました。対文協の方々は、わたしの訪朝の目的の一つ、わたしが、フリージャーナリストの立場で、ツアーに同行させていただいていることで、帰国後、インターネット新聞PJニュースに北朝鮮の実情を報告することについて、対文協の方々は、何ら難色を示されませんでした。

 一方、もう一つの目的である、父が母親の亡骸を埋葬した付近で、わたしが父の代わりに慰霊したいという思いに対して、対文協の方は、このように説明されました。

 「日朝間の国交正常化が実現していない現況下、日本に強制連行された北朝鮮の市民が、日本で死亡し、その遺骨を北朝鮮の遺族が、日本政府に返してほしいと嘆願しているにもかかわらず、日本政府が返還してくれない現状があります。そんな中、北朝鮮の遺族と逆の立場となる渡辺さんのような立場の人の現地での慰霊を、こちらが公式に認めるわけにはいかないのです。それを、テレビで報道されることは現時点では許せることではありません。北朝鮮の市民が知ると、さらに、反日感情が高まることにもなりかねません」

 「日本が北朝鮮市民の嘆願を受け入れてくれないから北朝鮮側も、日本人の嘆願を受け入れないという考えではないことをご承知置きください。やってくれないからやってあげないというわけでは決してないのです。わたしたちは、どのようなことでも、日本政府と対話の上での解決策を模索しています」

 「渡辺さんの慰霊のお気持ちは、よくわかります。わたしたちは、渡辺さんをおばあさまが埋葬されただろうという場所にご案内するわけにはいきませんが、観光で近くに行ったときに、静かにお知らせしますので、その場所から心の中でおばあさまに心を込めてお祈りしてください」


 と、このように説明されたのです。この説明は、ツアー4日目のホテルでの昼食後、午後2時の集合時間まで、わたしたちツアー一行は自由時間でしたが、その際、わたしの部屋に対文協の方から電話があり、3階の喫茶室で説明を受けました。

 わたしは、対文協の方々のこの説明に納得しましたので、その場で、「わかりました。現地での慰霊の献花などは、日朝間の国交正常化が実現したときに、させていただけたらと思います」と返答しました。このようなことで、わたしの訪朝の目的の達成については、2つのうち、1つは達成できなかったという結果です。

達成できなかった目的から学ぶもの
 以上のようなことで、このたびの訪朝におけるわたしの目的は、1つ達成できなかったわけですが、達成できなかったことから、学ぶものがありました。それは、1)現在、北朝鮮側は、戦時中、日本に強制連行された後、日本で死亡した北朝鮮市民の遺骨を返還してほしいと日本政府に嘆願しているのに、日本政府が遺骨の返還をしない状況にあること、2)日本政府が、北朝鮮の戦争被害者遺族に、頑なに遺骨を返還しない事情は何なのか。その理由を知りたいと思ったこと、3)わたしが北朝鮮側の戦争被害者の遺族の気持ちを理解していなかったこと、おおまかにこの3点を、わたしは、このたびの訪朝で学ばせていただいたと思っています。

最後に
 わたしは、このたびの訪朝で学んだことを、今後、わたしのジャーナリスト活動の課題として、日朝間が友好的な関係を築き上げるためのジャーナリズムの役割を模索しながら、ジャーナリスト活動を続けていきたいと考えています。

 わたしにこの課題をいただくことができたのは、ジャーナリストの中山茂さん、朴国際部長との出会いをはじめ、皆さまとの出会いがあってのことだと思い、感謝いたしております。結団式の際にもお話させていただきましたが、このたびの訪朝を1回目と位置づけ、今後、2回、3回と北朝鮮を訪朝させていただく機会があればと思っています。そして、わたしの目で見た北朝鮮を、PJニュースを通じて、どんどん世界の人々に伝えていきたいと考えています。今後とも、よろしくお願いいたします。【つづく】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 新納 直子

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