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自動車大手がしのぎを削るロボットスーツ開発


「キャア、なにこれ」。

 その装置を初めて装着して歩いた人びとは、かつて味わったことのない感触に驚きの反応を示す。

 その装置とは、ホンダが開発した「歩行アシスト」装置。二足歩行ロボット「ASIMO(アシモ)」の基礎技術を応用し、高齢者など足腰の弱った人でもスタスタ歩けるように支援する“ロボットスーツ”だ。

 ホンダは、4月末に大阪で開催された総合福祉展「バリアフリー2008」にこの歩行アシストを参考出品し、来場者に試着、歩かせるという実演を初めて行なった。

 実際に装着して歩いてみれば、早足や坂道の場合はアシスト装置が適切にサポートしてくれ、スタスタと負担なく歩けて心地よい。

 ただ、まだ完成品とは言いがたい。急に速度を落としたり、ひざを曲げたまま止まるなど、イレギュラーな動作を行なうと、大腿部に装置による負荷を感じる。福井威夫社長も「(実用化には)自然な動きと安全性が担保される必要がある。より洗練された制御技術が課題」と見ている。

 日本では少子高齢化が進んでおり、約5人に1人が65歳以上の高齢者。これが20年後には約3人に1人にまで高齢化率が高まると予測されている。歩行アシストは実用性も高い。製品化されれば、かなりの需要が見込まれそうである。

 もっとも、このような歩行アシストがホンダの独壇場で進むかといえば、そうでもなさそうだ。

 じつは、トヨタ自動車も類似の歩行アシストをリハビリ用パワースーツとして開発中である。トヨタでは「将来、ロボット事業を中核事業に育てる」(渡辺捷昭社長)という方針の下、2010年前後には開発人員を現在の倍の200人体制まで増員、介護・医療分野を主要ターゲットにロボット開発を進めている。

 国内市場の低迷に悩む自動車メーカーにとって、福祉ロボット分野は有望市場。それだけに、ホンダとトヨタという国内“二強”の激突も避けられそうにない。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 山本猛嗣)

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