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株主オンブズマンvsソニー 取締役報酬「個別公開」をめぐる攻防【弁護士・永沢徹 M&A時代の読解力】


 普通、「オンブズマン」と聞くと、市民の立場から行政や企業などを監視する『市民オンブズマン』を思い浮かべるだろうが、近年では『株主オンブズマン』という新しいオンブズマンのスタイルが注目されている。

『株主オンブズマン』は1996年に大阪市に設立されたNPO法人。“株主”の立場から、企業の違法行為を是正し、健全な企業活動を推奨するという目的で設立された非営利団体である。弁護士・公認会計士・学者などの専門家と個人株主および一般市民によって構成されており、これまでは主に「総会屋利益供与」や「政治献金」、「談合事件」などで株主代表訴訟を行なうといった“社会的な”活動を行なってきた。

 しかし最近では、「取締役報酬」や「退職金」の個別開示要求といった、いわゆる“もの言う株主”的な活動も多く行なうようになっている。その活動の代表的なものが、ソニーの取締役報酬の個別開示を求める株主提案(取締役上位5名の開示を要求)である。

 株主オンブズマンは、6月20日に開かれるソニーの株主総会において、議案として取り上げられるよう準備を進めている。ホームページを通じて、ソニーの株主に賛同を呼びかけており、今回で7度目の挑戦となる。過去6回の総会を通じて、株主の賛同率をじわじわと伸ばしており、昨年の総会では44%を超えている(下記参照)。個人株主だけではなく、多くの機関投資家も賛同し始めているのだ。

■過去6年間の賛同率の推移
・2002年:27.2%
・2003年:30.2%
・2004年:31.2%
・2005年:38.8%
・2006年:41.9%
・2007年:44.3%

 この勢いでいけば、今年の賛同率は50%近くに迫ることも予想され、その結果が非常に注目されるが、肝心のソニー側は今年もこの株主提案に反対すると見られている。個別の開示はせず、あくまでも“総額”の開示で十分であるという立場をとっているのだ。


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