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国民の8割が嫌がる裁判員、"民意"を無視しての強行にメディアの批判なし

国民の8割が嫌がる裁判員、
最高裁 HPより
【PJ 2008年05月16日】− 裁判員制度に関するNHKの最新の調査が発表されました。調査は5月9日〜12日にRDDと呼ばれる無作為抽出で行われ、対象の61%にあたる1084人からの回答を得ました。結果を次に示します。

裁判員として参加したい:18% (是非参加したい: 4%、できればしたい: 14%)、したくない:77% (あまり参加したくない: 42%、絶対したくない: 35%)

裁判員制度は必要:42% (大いに必要:8%、ある程度必要:34%)、必要ない:50% (あまり必要ない:30%、まったく必要ない:20%)

 この調査結果は過去の同様な調査と比較しても、否定的な意見が目立ちます。8割近い人が裁判員として裁判に加わることに否定的です。注目すべきは今までの調査と異なり、裁判員制度そのものの必要性についての設問があって、半分以上が否定的であることです。これは最高裁など、裁判員制度推進派には到底歓迎されない調査結果です。

 ところでこれは5月13日午前7時のNHKのラジオニュースで放送されたもので、以後、テレビ・ラジオを通じて取り上げられることはありませんでした。したがってご存じの方は少なかろうと思います。少なくとも、同日以降、何度も取り上げられた舞鶴高1殺人事件よりは重要なニュースだと思いますが。

 主要メディアは裁判員制度に批判的ではありません。各社の社説は「民主主義を完成させるために」(毎日)などと賛成の態度を示しています。

 しかし、不思議なことは、いつも"民意"を掲げ、それを根拠に騒いできたメディアが民意に反する裁判員制度に関しては一切批判をしないことです。今回のNHKの調査では参加の意思だけでなく、裁判員制度の必要性に関しても否定の方が多いので、民意は明らかです。

 裁判員制度の導入が「民主主義の完成のため」ならば、民意を無視しての導入は、民主主義を否定することになります。民主主義の完成とは立派な建前ですが、実際の裁判員制度にはさまざまな問題が予想されます(参考資料)。

 マスメディアは裁判員に選ばれた場合の問題をしばしば取り上げていましたが、裁判員制度そのものを取り上げたり、まして批判することは少なかったように思います。メディアは裁判員制度をきちんと理解しているのでしょうか。

 例えば、米国では被告は陪審員制の裁判と職業裁判官のみの裁判を選択できますが、偶然司法とも呼ばれ、当たり外れの大きい陪審員制を選択する被告はごくわずか(刑事事件5.2%、民事事件1.7%)です。しかし日本の裁判員制度では選択の余地はありません。この点、選択を可能にするなどの異論がメディアから出ても良さそうですが、なぜか異論や批判はありません。

 新しい制度を理解する努力を怠り、放置あるいは賛成する、そしてスタートした制度の欠陥が誰の目にも明らかになってから騒ぎ出す、というのではメディアの役割を果たしているとは言えません。【了】

■関連情報
噛みつき評論(記者のHP)
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 岡田 克敏【 京都府 】
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