”100万回生きたねこ”の作者として有名な佐野洋子さんの切れ味のいい痛快エッセー。
「68歳は閑である。バアさんが何をしようと注目する人は居ない。淋しい? 冗談ではない。この先長くないと思うと天衣無縫に生きたい、思ってはならぬ事を思いたい。」
そう言いつつ、友人とともに料理をし、家族を思いながら、韓流や漢詩に身をこがす。
ガンのため余命2年を宣告されてもなお、生きることを楽しもうとする筆者の人生の名言がたくさん詰まっている。


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今年の華やぐ心を誰に捧げよう?
乳ガンが骨に転移して余命2年といわれ、抗がん剤や延命を拒否して1年が過ぎたとあった。
今は、やりたいことをやって、お金も使いまくって楽しいと。
イングリッシュグリーンのジャガーを買ったり、モーガン・フリーマンに夢中になったりというようなことがテンポよく書かれている。
たった数ページの文章にも「生きている」という実感がこもっている。
どんなことがあっても変わらぬ人生の楽しみ方、人生をめぐる名言は心を打つ。

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(Techinsight図書委員会 藤岡 恵理子)