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殺人事件大好きの朝日新聞・・・いくらなんでもやり過ぎでは?

殺人事件大好きの朝日新聞・・・いくらなんでもやり過ぎでは?
写真1 朝日新聞紙面 写真一覧(2)
【PJ 2008年05月13日】− 京都府立東舞鶴高校生殺害事件は5月8日(木)の夕刊に第一報が載りました。朝日新聞は11日(日)朝刊までの6回すべてにこの事件を大きく報道しました。写真1は第一面に掲載された6回分、写真2は三面(社会面)に掲載された6回分を写したものです(赤枠が同事件の記事)。1面に載らなかったのは1回だけで、6回のうち5回までが一面と三面の両方に掲載されました。

 このような殺人事件の集中報道は近年あたりまえになっているので、この報道に違和感を抱かない方もいらっしゃると思います。しかしこのような現象は近年のことです。朝日新聞東京版朝刊の凶悪・殺人に関する記事件数は85年を100とすると00年には約500、02年に約300、03年に約470となっています。この間、殺人の認知件数は横ばいですから、記事の数だけが3−5倍に増加していると見てよいと思います(浜井浩一、芹沢一也 共著「犯罪不安社会」による)。

 この傾向はおそらく朝日だけのものではないでしょう。購読紙は朝日と日経だけなので他紙はわかりませんが、NHKにも同様の傾向を強く感じます。とりわけ最近の印象として続報の執拗(しつよう)さが目立ちます。新たに判明した事実、声を聞いたとか、持ち物が見つかったなど、些細(ささい)なことを連日大きく取り上げていく手口です。そのおかげで他のニュースが報道されなくなります。

 このような集中報道は読者の探偵趣味を満足させることができる反面、社会に不安をもたらします。06年の調査によると「2年前と比較して犯罪が増えたと思うか」という質問に対して「とても増えた」と「やや増えた」とした回答が90.6%にも上っています(前掲書より)。

 しかし07年度の集計では、刑法犯は5年連続で減少、殺人などの重要犯罪も4年連続で減少しています。過大な殺人事件報道のために、多くの人が犯罪が増加していると思いこみ、不安を抱いています。探偵趣味への迎合と社会不安、どちらが大事でしょうか。

 殺人事件報道の増加の背景には何があるのでしょうか。テレビでは1分毎(ごと)の世帯視聴率を見て、視聴者が何を見たがっているかを判断し、それに合わせたネタを流すということをやっているそうです。それは視聴者の感情的な動きを加速し、それがまたテレビに反映されることで拡大への循環を生じる危険があります。テレビと視聴者が互いに影響しあって感情的な動きを強めるメカニズムだと理解することができます。

 少し話がそれましたが、視聴率優先は視聴者への迎合につながります。新聞はテレビを手本にしているのではないでしょうか。しかし、読者の読みたい記事を優先しすぎると、報道機関としての役割を放棄することになります。子供の要求通りに食べ物を与えていたら、お菓子ばかりになって健康を害するように。

 文字を大きくした上、警察発表を取り次ぐだけの、手間のかからない殺人事件記事が連日大きなスペースを占めれば、新聞社はずいぶん楽になるかもしれません。しかし、もともと少ない調査報道やメディアとして本来報道すべきものはさらに少なくなるでしょう。

 メディアの果たすべき役割はたいてい迎合とは一致せず、むしろ相反することが多いと考えられます。迎合記事を大量にたれ流す裏には、新聞社の見識の変化があると思わざるを得ません。メディアとしての矜持(きょうじ)より発行部数を・・・というように。【了】

■関連情報
噛みつき評論(記者のHP)
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 岡田 克敏【 京都府 】
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写真2 朝日新聞紙面
   
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