【気になるトレンド用語】ぼくらの味方?「消費者庁」の設置への期待と現実
2008年05月18日09時00分 / 提供:ITライフハック
先日、船場吉兆の不祥事が再び発覚しました。客の食べ残しを別の客に出していたそうです。食品の偽装や不正行為は不二家、ミートホープ、赤福など続出しています。一方、建築物では、耐震強度の偽装や手抜き工事、悪質リフォーム、電化製品やパソコンでは電池などの発火問題。サービス業では英会話学校倒産などのトラブルがありました。最近では、農薬入り冷凍餃子の事件もありましたね。
こうした消費者が被害を受ける事件や問題が多発する中、消費者への問題を引き受ける役所“消費者庁”の設置が検討されています。
今回は、この“消費者庁”についてみてみましょう。
■今までの消費者行政
現在の日本は、消費者にとって安全で安心な消費生活が十分確保されているとはいえなくなってきています。
日本の社会は、これまで産業優先、経済至上主義の政策がとられてきています。消費者を守る消費者行政を行っている省庁は、経済産業省、農林水産省、厚生労働省、国土交通省、金融庁などで、産業育成官庁とも呼ばれており施策は産業寄りとなることが多く、消費者保護という面では消極的で問題の対処も遅れがちでした。また、製品・サービス分野ごとに分かれた縦割り行政のため、対策も一貫性を欠いたものが多くなっています。
消費者の立場に立って消費者行政を行う官庁としては内閣府国民生活局がありますが、国民生活局は調整官庁であって具体的権限を持っていません。
こうした日本に比べ、海外には既に消費者省・庁を設置して対応に当たっている国もあります。
・オーストラリア:競争・消費者委員会
・アメリカ:連邦取引委員会
・スウェーデン、デンマーク:消費者庁・消費者オンブズマン
・韓国:消費者院
・タイ:消費者保護委員会
■消費者庁では何をするのか
自民党は、2007年11月に消費者問題調査会(野田聖子会長)を立ち上げました。その中で持ち上がってきたのが、日本弁護士連合会などが新設を求めていた「消費者庁」です。
消費者庁の役割は、消費者関連の事業への許認可や監督権限、被害者救済の施策、さらに独立行政法人「国民生活センター」を取り込むことで相談業務の充実や紛争解決機能の強化なども盛り込まれる見込みです。
消費者庁に期待される役割は、具体的にみてみましょう。
1.政策の企画・立案
全ての消費者問題に関する政策は消費者庁が企画立案します。またほかの省庁が所管とする事項であっても消費者の利益に関する事項は、企画立案過程に消費者庁を関与させるようにします。
2.許認可権限
これまで製品・サービス分野ごとに所管する官庁が許認可権限を保持してきましたが、消費者問題に関係する製品・サービスについての許認可権限は、従来の所管省庁の許認可とともに消費者庁の許認可または同意を必要とします。
3.事業者に対する監督・規制権限
不公正な取引方法や取引条件を類型化して禁止し、事業者がこれらに違反して製品・サービスを販売した場合は、消費者庁が排除命令、危害防止命令、業務停止命令などが出せるようにします。これらの権限を行使ためには、消費者庁は事業者に対する立入調査権、報告聴取権を持つ必要があります。
4.損害賠償請求訴権
消費者自らが消費者被害の訴訟を提起して被害回復をはかることが困難な場合、消費者庁が消費者に代わって原告となり、事業者に対して損害賠償請求訴訟などを提起します。勝訴判決によって得た損害賠償金は、被害者に分配する制度を作る必要があります。
5.調査研究
現在は国民生活センターにおいて消費者問題に関する検査・研究機関を行っていますが、この機能を拡充強化して消費者庁に付属する研究機関とします。また、経済産業省、農林水産省、厚生労働省等の研究機関からも大幅に研究施設、研究員等を移管し、消費者庁に集約します。
6.消費者の参加権の保障
消費者や消費者団体には、消費者庁に対する情報開示請求権、事業者に対する監督・規制権限の行使を求める措置請求権、援助請求権などを与えます。これらによって、消費者行政に消費者を積極的に参加させます。
■疑問や反対意見
生活者重視を訴える民主党に対抗するかのように、福田首相は「生活者・消費者が主役となる社会へと転換していく」と繰り返し訴えてきました。
消費者庁が実現すれば、消費者行政をアピールすることができるでしょう。しかし、実際に消費者庁を立ち上げるには、現在分散化している各省庁の関係組織を一本化しなければならない難しさや、行政のスリム化を掲げている行政改革とは逆行するといった声もあり一筋縄ではいかないようです。
■こちらもオススメ!気になるトレンド用語
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・気になるトレンド用語 バックナンバー
こうした消費者が被害を受ける事件や問題が多発する中、消費者への問題を引き受ける役所“消費者庁”の設置が検討されています。
今回は、この“消費者庁”についてみてみましょう。
■今までの消費者行政
現在の日本は、消費者にとって安全で安心な消費生活が十分確保されているとはいえなくなってきています。
日本の社会は、これまで産業優先、経済至上主義の政策がとられてきています。消費者を守る消費者行政を行っている省庁は、経済産業省、農林水産省、厚生労働省、国土交通省、金融庁などで、産業育成官庁とも呼ばれており施策は産業寄りとなることが多く、消費者保護という面では消極的で問題の対処も遅れがちでした。また、製品・サービス分野ごとに分かれた縦割り行政のため、対策も一貫性を欠いたものが多くなっています。
消費者の立場に立って消費者行政を行う官庁としては内閣府国民生活局がありますが、国民生活局は調整官庁であって具体的権限を持っていません。
こうした日本に比べ、海外には既に消費者省・庁を設置して対応に当たっている国もあります。
・オーストラリア:競争・消費者委員会
・アメリカ:連邦取引委員会
・スウェーデン、デンマーク:消費者庁・消費者オンブズマン
・韓国:消費者院
・タイ:消費者保護委員会
■消費者庁では何をするのか
自民党は、2007年11月に消費者問題調査会(野田聖子会長)を立ち上げました。その中で持ち上がってきたのが、日本弁護士連合会などが新設を求めていた「消費者庁」です。
消費者庁の役割は、消費者関連の事業への許認可や監督権限、被害者救済の施策、さらに独立行政法人「国民生活センター」を取り込むことで相談業務の充実や紛争解決機能の強化なども盛り込まれる見込みです。
消費者庁に期待される役割は、具体的にみてみましょう。
1.政策の企画・立案
全ての消費者問題に関する政策は消費者庁が企画立案します。またほかの省庁が所管とする事項であっても消費者の利益に関する事項は、企画立案過程に消費者庁を関与させるようにします。
2.許認可権限
これまで製品・サービス分野ごとに所管する官庁が許認可権限を保持してきましたが、消費者問題に関係する製品・サービスについての許認可権限は、従来の所管省庁の許認可とともに消費者庁の許認可または同意を必要とします。
3.事業者に対する監督・規制権限
不公正な取引方法や取引条件を類型化して禁止し、事業者がこれらに違反して製品・サービスを販売した場合は、消費者庁が排除命令、危害防止命令、業務停止命令などが出せるようにします。これらの権限を行使ためには、消費者庁は事業者に対する立入調査権、報告聴取権を持つ必要があります。
4.損害賠償請求訴権
消費者自らが消費者被害の訴訟を提起して被害回復をはかることが困難な場合、消費者庁が消費者に代わって原告となり、事業者に対して損害賠償請求訴訟などを提起します。勝訴判決によって得た損害賠償金は、被害者に分配する制度を作る必要があります。
5.調査研究
現在は国民生活センターにおいて消費者問題に関する検査・研究機関を行っていますが、この機能を拡充強化して消費者庁に付属する研究機関とします。また、経済産業省、農林水産省、厚生労働省等の研究機関からも大幅に研究施設、研究員等を移管し、消費者庁に集約します。
6.消費者の参加権の保障
消費者や消費者団体には、消費者庁に対する情報開示請求権、事業者に対する監督・規制権限の行使を求める措置請求権、援助請求権などを与えます。これらによって、消費者行政に消費者を積極的に参加させます。
■疑問や反対意見
生活者重視を訴える民主党に対抗するかのように、福田首相は「生活者・消費者が主役となる社会へと転換していく」と繰り返し訴えてきました。
消費者庁が実現すれば、消費者行政をアピールすることができるでしょう。しかし、実際に消費者庁を立ち上げるには、現在分散化している各省庁の関係組織を一本化しなければならない難しさや、行政のスリム化を掲げている行政改革とは逆行するといった声もあり一筋縄ではいかないようです。
■こちらもオススメ!気になるトレンド用語
・ナマドルや方言が人気ってホント
・出版革命のキンドル(Amazon端末)って何?-iPodの成功を電子書籍で
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