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求められる「投資」、嫌われる「投機」

 リターンを目指して世界中を短期で移動する「投機マネー」の存在が、日本の製造業を始めいろいろな所でさまざまな影響を与えています。今回は「投機マネー」について、その生い立ちから目的、日本がどう対応すればいいかなどを考えてみたいと思います。

■莫大な「投機マネー」はどこから来たか、そしてその目的とは?

 21世紀に入り、世界中が「賭場」になってしまいました。お金が「リターン」を目指して株式や債券、商品などを駆け巡っています。リターンを目指して世界中を短期で移動する「投機マネー」の存在が、日本の製造業を始めいろいろな所でさまざまな影響を与えています。この「投機マネー」の生い立ちから目的、日本がどう対応すればいいかなどを考えてみましょう。

 まず、世界中で数百兆円とも言われる「投機マネー」ですが、一体どこから来たのでしょうか。
資本主義の原点である「借金」

 正常な経済活動では、お金を持つ人とその人からお金を借りる人が存在します。日本では、お金を持つ人は「家計」、お金を借りる人は「企業」と「国」で、銀行など金融機関がその仲介をしています。家計は銀行に貯金をし、銀行は企業や国に投資を行い、企業や国は給与や配当などの形で投資に還元します。

 実はこの構図、同じ絵を国と国の間でも描くことができます。お金を借りているのは主に米国、お金を持つのは日本や中国などのアジア諸国、中東などの資源国です。米国はこれらの国からモノを買う代わりに、ドルベースで高い配当を提供してきました。
投機マネーの誕生「膨らむ借金と低下する期待利回り」

 大きな変化が起きたのは日本では90年代後半、米国では2000年台前半です。日本では財政出動という形で、政府が家計から大きな借金を作りました。米国は好調な住宅市場などを背景に好調な内需のため、貿易赤字という形で外国からの借金を膨らませました。

 借金が膨らんだということは、その裏返しで貯金も大きくなります。アジア諸国の貯蓄はどんどん大きくなり、米国への投資金額も大きくなる一方、グローバル化の進展による低インフレ、インターネットによる情報の効率化などにより、投資の期待利回りは低下し、収益機会は減少しました。

 投資の期待利回りの低下に失望したお金は、より高い利回りと収益機会を求め、「投機マネー」となり世界中に散らばって行きました。

 


課長 今調査役[著]

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